口腔外科出身の歯科医師が思う
「安心・安全」を追求した治療とは

全身状態の把握やモニタリング、歯科用CTでさまざまなリスクを考慮した治療を行う

Q安心・安全な治療を追求しながら診療されているそうですね。

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▲口腔外科で研鑽を積んできた本城院長

私は大学卒業後、産業医科大学の口腔外科に7年間在籍しました。口や歯も体の一部であり、体全体について知っておかないと歯科診療はできないと考えたからです。口腔外科では、医科と連携しながら全身疾患のある方の歯科治療に携わり、安心・安全な治療とはどのようなものかについて日々考えてきました。開業後は、福岡県歯科医師会の医療安全対策部に所属し、歯科治療に関するトラブル対応も行いました。安心・安全な治療をめざす大切さをさらに深く感じる経験でした。皆さんに知っていただきたいのは、歯科治療は決して簡単ではなく、時には命に関わるリスクもあるということ。特に抜歯など外科的処置を伴う治療は、細心の注意が必要なのです。

Q患者さんの健康状態の把握を欠かさず行っているそうですね。

A

▲原因にアプローチする治療の提供に努めている

診療時には必ずお薬手帳の持参をお願いしています。患者さんが服用している薬から、現在の病態を把握するためです。例えば、抜歯を予定されている方が、血液がサラサラになるためのお薬を飲まれている場合は出血が止まらなくなるリスクもありますし、骨粗しょう症のお薬を飲まれているなら、顎の骨が壊死する危険性があります。糖尿病の患者さんなら、血管がもろくなっているかもしれません。高血圧の方も出血が多くなるでしょう。当院では、それぞれの患者さんの病態に応じた対策を講じた上で、治療にあたります。また、歯科用CTで血管や神経の位置や状態を把握することも重視しております。

Qまさに全身を考慮した治療ですね。

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▲さまざまな機器を用いて、患者の体を支える

そうですね。治療中に何が起こるかわからないということを、常に念頭においています。当院では、乳歯以外の抜歯や外科的処置を行う際は、心電図、脈拍、血圧、血中酸素濃度をモニタリングします。医科の手術では必ず行うものであり、口腔外科に勤務していた時も行っていました。患者さんの体の中で起きていることを数値で見える化することで、患者さんも私も安心して治療に臨むことができると考えます。例えば、血圧の数値が高くなっていたら、時間を置いたり、血圧を下げるための薬を投与したりします。場合によっては処置を中止し、内科の受診を勧める必要もあるでしょう。内科や耳鼻咽喉科、皮膚科、小児科などとも連携して対応します。

Q安心・安全な治療をめざすためには他にも大事なことがあるとか。

A

▲感染症対策も行い、安全に配慮した治療を提供している

悪くなった原因を追究することが大事です。例えば、歯がしみる場合、多くの人は虫歯だと思うでしょう。しかし、原因は、歯槽膿漏や噛み合わせかもしれないのです。原因を見極めること。これが診察力であり、症状を抑えることを図る治療と原因を取り除くための治療、両方が必要なのです。当院では、口腔の状態、歯の状態、外見、生活習慣を詳細に把握して、原因を分析します。原因がわかれば患者さんも納得して治療を受けることができるでしょうし、原因にアプローチすることで、再発リスクの低減を図ることや、将来にわたる健康な状態の維持につながるのではないでしょうか。患者さんが安心して生活できるためのお手伝いをしたいですね。

Qそのような方針のもと、幅広い診療をされているのですね。

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▲高齢化が進むエリアのため、入れ歯治療には注力している

安心・安全な治療をめざした上で、一般歯科、小児歯科、矯正治療、審美歯科、根管治療など、どの治療も知識・技術・経験をモットーに、専門性の高いレベルに努めています。中でも力を入れているのは入れ歯の治療です。足の手術をした後にリハビリテーションが必要なように、抜歯をした後にも噛めるようにするためのリハビリが必要で、その方法として広く適用できるのが入れ歯だと考えています。ですから、口腔外科と入れ歯というのは切っても切り離せないのです。入れ歯は習得するのに時間がかかる治療ですが、私は開業以来勉強を続けています。信頼できる歯科技工士と連携しながら「噛みやすい入れ歯」「痛みの少ない入れ歯」を追求しています。