本城 孝浩 院長の独自取材記事
本城歯科医院
(北九州市戸畑区/戸畑駅)
最終更新日:2026/09/30
「院内を見てもらってもおわかりいただけると思いますが、かなりの鉄道好きです」と話すのは戸畑駅の駅ビル2階にある「本城歯科医院」の本城孝浩院長だ。駅構内から直結しているため、雨の日も濡れずに受診できる同院は、1999年の開院以来、地域密着型の歯科医院として親しまれてきた。人との絆を大事にしているという本城院長は、大学時代から戸畑区で開催される祭りに参加。患者と祭りの話で盛り上がることもあるそうだ。診療内容は小児歯科から一般歯科、歯科口腔外科、インプラント、矯正、訪問診療まで幅広く対応。地域の頼れるかかりつけとして、老若男女問わず日々多くの患者が訪れているという。患者にとって「安全性を追求した治療」を提供すべく、さまざまな取り組みを行っている本城院長。その診療に対する思いにふれた。
(取材日2026年5月13日)
全体の管理を身につけるため、医学部の口腔外科に入局
歯科医師をめざしたのは、幼少期の体験がきっかけだそうですね。

実は、子どもの頃は両親を悩ますほどの歯医者嫌いで、金属音や鋭利な治療器具などが苦手で治療を拒絶していました。それがある先生との出会いで一変しました。歯医者は怖いところではないとわかると、絶対に口を開けることがなかった私がいとも簡単に口を開け、一人で治療を受けられるようになったんです。かなり強く印象に残っていたのか、小学校の高学年ではすでに歯科医師になりたいと思っていました。その夢は中高生になっても持ち続け、九州歯科大学へ進学。大学時代から戸畑区のお祭りに参加していましたので、思えばその頃から地域と深く関わりを持っていましたね。
大学卒業後は、産業医科大学の口腔外科へ入局されたとお聞きしました。
そうです。全身の管理ができるようになりたいというのが理由でした。将来は高齢化が進み、有病の患者さんが一般の歯科医院にも多く訪れるようになると考えていたからです。お口は体の一部ですから、全身について知っておかないと診ることはできません。そういった思いから、歯学部の口腔外科ではなく、医学部の口腔外科を選択しました。7年間在籍しましたので、実にさまざまな病気をもつ患者さんを診させてもらいましたね。うち1年間は麻酔科でも研鑽を積みました。あらゆることを想定し、医科の先生と連携を取りながら、安全性を追求した治療を進めていくことを常に最優先に考えていました。
口腔外科で7年研鑽を積まれた後に開院という運びになったのでしょうか。

口腔外科での勤務を経て1999年の開院に至りました。私が鉄道好きというのもきっかけの一つではありますが、それ以外にもいろんなご縁があり、戸畑駅の駅ビルにて開院という運びになりました。院内からも鉄道好きが至るところから感じられるからか、お子さんから質問されることも多いんですよ。患者さんはお子さんから高齢者までいらっしゃいますので、診療もさまざまな内容に対応できるようかなり幅広いです。口腔外科出身ですので、開院当初は今のような診療内容ではありませんでしたが、さまざまなニーズに対応できるよう、ほぼ毎週どこかで勉強をしてきました。現在は、義歯、口腔外科、審美歯科を三本柱に診療しています。
地域の高齢化と患者のニーズに応える、幅広い診療体制
義歯に注力されているのも、地域の高齢化が要因でしょうか。

北九州は高齢化が進んでいて、その中でも戸畑区は特に高齢化が進んでいます。義歯に力を入れなければ困る患者さんが増えると思ったのが一番の理由です。患者さんが納得のいく義歯をつくるために、20年以上学び続けています。さらに、お口の良い状態を保つために、アフターメンテナンスにも尽力しています。年齢に伴い通院が困難になった患者さんもいらっしゃるので、そのような方に限り訪問診療も行っています。
口腔外科についてはいかがでしょうか。
全身的な疾患を抱え、服薬している方が抜歯を必要とするケースは、高齢化が進む中で増えています。しかし一般の歯科では対応が難しく、大学病院を紹介されることが多いんです。大学病院も受け入れ態勢に余裕がないため、診療までに時間がかかるケースも少なくありません。その間に症状が悪化してしまうこともありますし、紹介元の歯科医院が痛みのコントロールをし続けなければならない状況にもなります。当院では、大学病院の外来で行う処置については基本的に対応しております。例えば、小さな良性の腫瘍であれば当院で切除して病理組織検査に出すことができますし、組織を見る顕微鏡も保有していますので、自院での検査も可能です。北九州市では大学病院歯科の受け入れキャパシティーが社会問題にもなっています。口腔外科出身の歯科医院として、地域医療の一端を担えればと考えています。
有病者の外科処置にも対応しているのは心強いですね。

全体の管理も徹底しています。外科処置をする際は、高齢者に限らずすべての患者さんに心電図などのモニタリングを必ず行います。患者さんと歯科医院双方の安全性が追求できるからです。また、「この状態であれば大学病院で対応してもらったほうがいい」といった見極めもきちんと行えます。審美歯科については、駅の中にある歯科医院として一定のニーズがあることを踏まえ、10年ほど前から下関の先生のもとで自然に見えるかぶせ物の技術を学んできました。私が力を入れている治療は、すべて患者さんや地域のニーズが出発点です。歯科にはさまざまな分野がありますが、何か得意な分野を持つことで、他の分野に対しても同じように技術を高めたいという意欲が生まれ、結果として全体的なレベルアップにつながっていくと感じています。
良い診療を追い求め、学び続け、備え続ける
先生の熱意はどういった思いからなのか教えていただけますか?

患者さんには私が考える最高の医療を提供しなくてはならない、その一心からですね。そのためには自分よりも優れた先生から多くの知識と技術を学ぶことが重要です。歯科医院の立地も大事ですが、きちんとした治療をしなければ患者さんは続けて通おうとは思いませんよね。知識・手技をしっかりと身につけているからこそ治療ができて、初めて患者さんとの信頼関係が生まれると思っています。そうしてきた結果、いつの間にか多くの方が20年以上通ってくださっています。4世代で通われているご家庭もありますし、地元のお祭りへの参加など地域との深いつながりも、当院をかかりつけにしてくださる要因の一つになっているのではないかと思っています。
地域医療を守るための取り組みもされているとか。
九州各地約30人のメンバーで構成するスタディーグループを通じ、スタッフ間のコミュニケーションや患者さんへの接し方、診療に使う資材など、さまざまな情報交換を行っています。国際情勢などの影響で資材が品薄になることもあり得るため、素早く情報共有できる環境は非常に助かっています。新型コロナウイルス流行中では安全性を追求した治療を続けることにとても苦労しました。その教訓を生かし、有事の際にも診療を継続できる環境づくりに取り組んでいます。感染対策への意識も引き続き大切にしており、口腔外科で学んだ「清潔」「不潔」の概念をベースに、ゾーニングや器具の扱いなど一つ一つの行動に気を配っています。「安心・安全」は患者さんから見えにくく、保険点数にも結びつきませんが、大事なこと。手間も費用も人手もかけて取り組んでいるのは、安全性の追求が基礎にあるからこそ、培ってきた技術や知識を患者さんに提供できると思うからです。
では、最後に読者へメッセージをお願いします。

私が診療で最も重視していることは、安全性を追求した治療と、患者さんの満足度の高い治療の提供。この2つがしっかりクリアできていれば、必ず患者さんは続けて来院してくださると私は考えています。患者さんが不安に思っておられることがあれば、それを取り除いてあげられるようさまざまな策を講じることが第一。スタッフともしっかりとコミュニケーションを取り、地域との縁を大切にしながら、一人ひとりの患者さんに良い医療をお届けすることをめざしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた補綴治療/8万8000円~、インプラント/38万5000円~、全顎矯正/35万円~、部分矯正/1万円~

