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野村 修三 院長の独自取材記事

ノムラメディカルクリニック

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日:2019/09/11

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鶴見駅の喧騒を離れた閑静な住宅地にある「ノムラメディカルクリニック」。野村修三院長は大学および大学院で病理学を専門に学び、アレルギーの原因と治療法を科学的に研究。その成果と経験を生かしたいと、1997年に鶴見駅前でアレルギー専門の同院を開業した。現在の場所に移転してからは、完全予約制で診療を実施。野村院長が行うのは食事指導と生活改善で免疫力アップにアプローチする方法で、無理なくアレルギー症状を改善したいと考える人たちや、アトピー性皮膚炎の子どもが受診している。「Cure&Care」をモットーに、症状の改善はもちろん精神的にも患者を支える野村院長に、ライフワークであるアトピー性皮膚炎の治療や、その思いを聞いた。
(取材日2019年5月23日)

アレルギーの根本原因を探り、個々に合った治療を提案

どういった患者さんが受診されますか?

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私は長年アトピー性皮膚炎をライフワークとしてきて、当院でも力を入れて取り組んでいますが、湿疹や肌の乾燥、かぶれといった皮膚疾患全般に対応しています。そのため幅広い患者さんがお越しになります。お子さんですと、下は乳幼児、上は高校生まで来られます。特に、子どものアトピー性皮膚炎に悩む親御さんから、ご相談を受けることが多いですね。わが子の病気を自分のせいだと責めてしまう方も少なくありませんし、アトピー性皮膚炎は食事、睡眠、ストレスなど生活面が深く関係するので、初診時は30分以上かけて丁寧に、患者さんや親御さんのお気持ち、生活背景などを伺っています。そして、食事と精神的な部分との両面でカウンセリングを行い、治療方法を検討していきます。

どうしてアレルギー反応は起こるのでしょうか。

原因をわかりやすくするため、人間の体は「自律神経」「免疫系統」「内分泌」の3つがバランス良く機能するという見方を私はします。理想は、生命を維持する歯車がしっかりと噛み合い、調整されてなめらかに回転する状態。この「生命維持歯車」が、さまざまな理由からさびついて回転が悪くなることが、アトピー性皮膚炎をはじめとする、さまざまな病気を生み出すと考えています。また、活性酸素の存在も影響しています。体内に取り込まれた酸素は、食べ物やストレスなどさまざまな要因で活性酸素になります。活性酸素は増えすぎるといろんな病気や症状、アレルギー反応を招くとされているのですが、免疫力が低下すると、活性酸素の増長を防ぐ抗酸化酵素が働かなくなるという悪循環も起こり得ます。だから、活性酸素を抑制すること、免疫力を維持することが大事なのです。

こちらの治療方針を教えてください。

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患者さんの体質と体調を詳しく調べて、一人ひとりがアトピー性皮膚炎になった原因を探り、それぞれに合った治療、食事指導を行っています。幼少期のアトピー性皮膚炎は、口から入るものすべてがアレルゲンになってアレルギー反応を起こすケースもありますから、まずは原因を突き止めることが肝心です。しかし、アレルギー反応が起こる食品を特定できたからといって、それを一生避け続けるのは栄養バランスの面で好ましくないでしょう。そこで私は、皮膚の反応を見ながら少しずつ摂取する負荷試験を行うことで、将来的には食べられる状態をめざしていきます。例えば幼児の場合、アレルゲンを含む代表的な食品は、甲殻類、卵、牛乳、小麦などですが、食べ物を摂取することで口の周りがかゆくなるなどの初期症状や、皮膚の状態を見て、さまざまな要素を調べていき、その量を減らすことで活性酸素の抑制、そしてアレルギー症状の軽減につなげていきます。

患者と家族、医師で治療に取り組む姿勢を大切に

アトピー性皮膚炎はステロイド剤では治らないのでしょうか?

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皮膚科に行くとステロイド剤を処方されることが多いと思いますが、中には「塗っている間は症状が治まるのに、塗るのをやめると悪化する」と当院に相談に来られる方がいます。確かにステロイド剤は、一瞬良くなったからといって塗るのをやめてしまうと症状がぶり返したり、逆に長期的に使い続けるとその副作用として皮膚依存症になる可能性もあります。しかしステロイド剤自体が悪いのではなく、そもそもアトピー性皮膚炎は薬だけで良くなるものではありません。アレルギー反応の根本的な原因を取り除き、肌の状態が良くなればステロイド剤も減らしていくというのが大切な考え方です。果物を食べると口の周りがかゆくなることがありませんか? 実はあれも、いわば穏やかなアトピー性皮膚炎です。その穏やかなアトピー性皮膚炎へと移行できるように、ステロイド剤をなくしていくことを私は以前からめざしています。

日常生活でできることはありますか?

体についた汚れはしっかり落すことです。寝てる間は汗をかきますが、そこには汚れが付着しやすくなりますので、朝起きたら皮膚に、ごみ、ダニの糞や死骸などがつき、その上に皮脂が重なることになります。さらにその上からスキンケアをするのは、悪いものを皮膚の中にすり込むようなものです。だから私は、朝の入浴をお勧めしています。

診療ではどんなことに気を配っていますか?

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健常な人に比べると、アトピー性皮膚炎の患者さんはストレスへのハードルが低いため、ストレスの耐性を上げることが重要です。そこで大切なのが、食事、日常生活の改善、スキンケア、必要に応じた西洋医学の薬の使用などですが、何よりも大切なのは精神力です。アトピー性皮膚炎は長期の病気ですから、Positive thinkingとNever give upの気持ちを持っていただき、私たちもご家族とともに治療に取り組むという姿勢を最も大切にしています。

治療だけでなく精神的にも支えていきたい

先生がアトピー性皮膚炎を専門にされたきっかけを教えてください。

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実は私自身もアトピー性皮膚炎がありまして、症状が全身に広がり、猛烈なかゆみに襲われることもありました。耐えられないかゆさ、つらさを知っているからこそ、研究しようと思ったんです。街なかで、炎症して真っ赤な顔をしている人や、精神的に参っているような人を見ると、その気持ちが痛いほどわかるんですね。ですから、アトピー性皮膚炎はなぜ起こるのか、原因は何かという基礎的な部分から、根本的に癒やしていくための研究に取り組んでいます。当院に通っていた小学生のお子さんが、立派な社会人になっていたり、お母さんになって自分のお子さん連れて来てくれたり、救急救命士になったと近況報告に来てくれた子もいました。アトピー性皮膚炎は長く取り組む病気だからこそ、患者さんと家族的なお付き合いが続くことはやりがいですね。

印象に残っている患者さんはいますか?

ある高校生の患者さんですね。自分がアトピー性皮膚炎だということで対人関係に悩んだり、社会に対して不満を持ったりしていて、それをご両親のせいにしていました。思春期の多感な時期ですから、何かと親のせいにしてしまうのも無理はありませんが、親御さんの気持ちを知ってほしくて、「あなたがつらい症状に苦しんでいるのはわかるけれど、あなた以上にお母さんも苦しんでいるんだよ」と話したんです。その上で、ステロイド剤と食事指導で治療を進めていきました。すると、彼の表情がやわらかくなり、親子関係も和やかになっていったんですね。私たち医師は、病気を治すだけではなく、そういった役割も担っているという実感を得られました。

最後に、今後の展望をお願いします。

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私は長年、免疫力にアプローチする食事指導に取り組んできました。その過程で、小学校低学年の子どもでも、症状の改善につながっていくケースを目の当たりにしています。80歳を目の前にして、もう少しこの方法を広く啓発していきたいですね。何より、僕が小学校3年生の時「医師になりたい」と思ったその純粋な気持ちを、これからも大切にしていきたいです。アトピー性皮膚炎に悩む患者さん、親御さんの気持ちは、経験者としてよく理解しているつもりです。お子さんの症状を改善させ、自分を責めてしまう親御さんのつらい心情を少しでも和らげてあげたい、ほっと安心していただきたい。そのためにできるお手伝いをこれからもしていきたいと思います。

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