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宮下 裕子 院長の独自取材記事

医療法人社団 宮下クリニック

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日:2021/10/12

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック  main

鶴見駅から徒歩3分、ビル4階にある「宮下クリニック」。宮下裕子院長は一般内科、皮膚科、呼吸器内科、アレルギー科と幅広い診療科に対応したベテランドクターだ。長年勤務した東芝鶴見病院の閉院を機に開業。地域に根差した医療をめざし、初期診療だけでなく、がんの早期発見や在宅医療にも精力的に取り組んでいる。また血液内科専門の医師として骨髄移植を手がけた経験から、現在も骨髄バンクの仕事に関わっている。そんな宮下院長が力を入れているのが「チーム鶴見区としての医療連携」だ。あくまでも患者が主役という考え方で「患者さんの希望する生き方をチームでサポートするための医療連携」と位置づけ、診療に取り組んでいる。患者に寄り添い、優しい笑顔で話す宮下院長に、地域医療への熱い思いなどを聞いた。

(取材日2019年1月24日)

普段の診療とともに骨髄バンクの仕事にも従事

開業までの経緯についてお話しください。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 1

横浜市立大学医学部を卒業後、附属病院の第一内科や三浦市立病院、神奈川県立がんセンターを経て、1989年から鶴見区にあった東芝鶴見病院に勤務していました。ところが、その東芝鶴見病院が2005年で閉院することになったんです。一つの病院が地域からなくなるということは、患者さんにとっても勤務している医師にとっても、本当に大変なことなんですね。それで、当時勤務していた内科医師は私を含め3人でしたが、その3人が患者さんたちの受け入れ先になることも考慮して、同じ鶴見区でそれぞれに開業する、という形を取りました。ですから、積極的に検討した上での開業というわけではなく、必要に迫られての決断でしたね。

宮下先生の専門分野についてお聞かせください。

専門分野は血液内科ですので、大学病院や神奈川県立がんセンターでは血液内科の診療がメインでしたが、三浦市立病院など一般病院では内科全般の診療を行ってきました。また、私が研修医だった時代には、医師の卒業後臨床研修は、例えば内科であれば内科だけで2年間研修するストレート方式が主流でしたが、横浜市立大学では当時から幅広い能力を備えた総合診療を行う医師の育成に力を入れていました。それで、数ヵ月単位で各診療科を回る、現在のようなローテート方式の研修を行っており、私も内科、外科、循環器内科、皮膚科で6ヵ月ずつ研修し、盲腸の手術も術者として経験しました。それらの経験から、開業後は専門の血液内科に限らず、内科、皮膚科、呼吸器系疾患、アレルギー疾患まで幅広く診療しています。

骨髄バンクのお仕事にも関わっておられると伺いました。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 2

はい。白血病の患者さんに骨髄を提供するドナー候補者が選定されると、検査後に「最終同意」という手続きがあり、弁護士立会いのもと、医師と移植コーディネーターがドナー候補者とそのご家族に骨髄提供に伴うリスクなどをお話しして、最終的な意思確認をします。私はドナー候補者の検査と最終同意面談のお手伝いをさせていただいています。血液内科専門の医師として私自身も骨髄移植を行ってきましたから、ドナー候補者からの医学的な質問にも的確にお答えできるのではないかと考えています。診療の空き時間や土曜日の午後を利用して、月3~4人の検査や最終同意面談を当院で行っています。私がドナー候補者の都合のいい時に検査や面談をすることによって、移植を待っている患者さんに少しでも早く骨髄を届ける一助になりたい、という思いが大きいですね。

病気を診るのではなく人間として全体を診る医療を実践

医師を志したきっかけ、特に血液内科を選ばれたのはどのような理由からですか。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 3

親戚にABO式血液型不適合の子どもがいたため、血液に興味を持ったことが、医師をめざしたきっかけです。血液内科を選んだのは、親戚のことだけでなく、当時は血液のがんが抗がん剤が効くほぼ唯一のがんともいわれていたため、興味を持ったことが理由です。その頃は血液内科を選ぶ女性医師は非常に少なく、私の先輩には1人だけでしたが、現在私には後輩が20人もいますので、私は彼女たちのモデルでありたいと思っています。血液内科は症状の急変などでとても忙しい科ですが、女性の医師も多くなり、結婚や子育てで大変な後輩たちの助けになれば、との思いもあります。今は開業医ですが結婚、出産、子育ての経験もあり、骨髄バンクの仕事を通じて血液内科とのつながりはありますので、後輩への助言などもしていますね。

医師として転機になった出来事はありましたか。

約25年前のことですが、私自身が胃がんになったことが一つの転機になりました。自分が患者の立場になってみて、初めて気づいたこともありました。例えば、それまではベッドに座っている患者さんに対して自分は立ったまま、見下ろす姿勢で話していたことに気づいたんです。それで、その後は自分も腰をかけ、患者さんと目線を合わせて話すようにしています。また、がんの早期発見にそれまで以上に力を入れるようになり、患者さんにがん検診を積極的に呼びかけるようになりましたね。

こちらのクリニックで特に力を入れていることはありますか。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 4

私の医療の目標は、病気を診るのではなく、人間として患者さんの全身を診ることです。ですから、例えば皮膚科で受診された患者さんに対して大腸がんの検査をお勧めすることもあります。また、専門の血液の病気については近隣医療機関から患者さんが紹介されてきますし、反対にこちらでできない専門的な検査が必要な時には抱え込まず病診連携を活用しています。また、当院のスタッフは長年勤めるベテランぞろいで、患者さんとのちょっとした日常会話から状況把握をしてくれるので患者さんにとっては安心感があると思います。さらに往診にも力を入れていますね。ずっと通っていた患者さんの通院が難しくなった時には、ご家族の希望があれば往診しています。鶴見区には在宅医療の支援体制があるので、そちらとの連携も図っています。

「チーム鶴見区」で患者が主役の医療連携に取り組む

地域での医療連携にも尽力されていると伺いました。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 5

鶴見区には医療、介護、行政などが連携して在宅医療をサポートしていく「チーム鶴見区」といえる体制ができていて、それが患者さんや家族の話も聞きながら、希望をかなえるために動くんですね。実は、こんなことがありました。ある患者さんが薬をたくさん出してほしいと希望されたので、その理由を尋ねると、その方のご主人が大腸がんの末期で、在宅で過ごさせたいけれど、どうしたらいいか困っているとわかり、「では、私が往診に行きましょう」ということになりました。さらに、姪御さんの結婚式への出席をご希望でしたので、それに向けてチーム体制をつくり、無事達成しました。このようにチーム鶴見区の中に当院も入り、訪問看護ステーションと連携して往診しています。主役は患者さんで、患者さんがどう暮らしたいのかが一番大事だと考えます。そのため、どう生きたいのか、終活についても家族で話し合っておいてほしいですね。

日々ご多忙かと思いますが、お休みの日に楽しんでおられる趣味などはありますか。

学生時代、テニス部でかなり本格的にやってきました。子育てや仕事で忙しくなって中断していましたが、一段落して少し前から再開しました。やはり継続は力なりで、ブランクが長いとなかなか現役時代の勘が戻らず、昔のような球が打てないのは残念ですが、でも、今も続けていますよ。旅行も好きで娘とヨーロッパ旅行にも出かけたりしています。今年の目標は、大学の同級生たちと一緒にウィンブルドン選手権を観戦しに行くことですね。長年の夢だったので、とても楽しみです。

読者へのメッセージをお願いいたします。

宮下裕子院長 医療法人社団 宮下クリニック 6

高齢の方は、骨粗しょう症にならないために毎日10分でいいですからテレビ体操などをやりましょう。体操をすることで、骨折や寝たきり予防にも役立つんです。主に女性の方にお勧めです。ご両親が寝たきりになると大変ですから、ご自分もご両親も含め、ぜひ意識してほしいですね。私も毎日10分、テレビ体操をしています。私は基本的に人にやれと言ったことは必ず自分でもやることにしていますので。毎日やるのは大変ですが、やはり継続は力なりです。また、当クリニックでは予約システムの導入も含め、より患者さんが受診しやすいような体制も検討していますので、気になることがあったらぜひご来院ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

血液検査(腫瘍マーカー検査)/5000円~

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