舘信昭院長の独自取材記事

ひまわり歯科

(相模原市中央区／相模原駅)

最終更新日：2025/05/23

地域密着の歯科診療を行う「ひまわり歯科」では、定期検診とメンテナンスによる予防や舘信昭（たて・のぶあき）院長の専門である入れ歯治療など幅広く対応。噛み合わせの不具合を調整し、より精度の高い入れ歯をめざす治療では歯科技工士との密接な協力体制も特徴だ。「口の中の健康を通して全身の健康管理にも貢献したい」と語る舘院長に、同院の高い専門性やチームワークの強みについて詳しく聞いた。

（取材日2025年2月21日）

口腔内の健康づくりを通して全身の健康にも貢献
歯科技工士との密接な協力で精度の高い入れ歯を追究
口の中の問題や健康について相談できる窓口に

口腔内の健康づくりを通して全身の健康にも貢献

こちらのクリニックの診療方針を教えてください。

当院は地域密着の診療を通して、口腔内の健康づくりから全身の健康状態の管理までめざしています。そのため虫歯・歯周病の予防を重視し、多様な症例に広く対応するほか、地域ニーズが高まっている歯科の訪問診療も実施。また、口腔内の健康が全身に影響する例として、生活習慣病の患者さんの多くが歯周病など口腔内のトラブルを抱えていることが挙げられているため、患者さんの口腔内の細菌レベルを適切な歯磨きや定期的なクリーニングで管理することで、歯周病だけでなく生活習慣病の改善も図りたいと考えています。当院で約60分をかけて定期検診を行うのも、歯科衛生士による丁寧なクリーニングと指導に加え、患者さんと深くコミュニケーションを取って、今の状態や次回までの課題などを十分にお伝えしたいと考えているから。患者さんごとに口腔内の状態やその改善提案をまとめた資料もお渡しして、自宅でのケアを確実に行えるようサポートしています。

治療面ではどのような特徴があるのですか？

虫歯の治療では痛みを感じにくくする工夫として、表面麻酔や細い注射針、電動注射器などを使用します。歯周病は定期検診で病気の進み具合を確認し、歯石除去を行っています。虫歯も歯周病も細菌による感染症ですから、医療機器の洗浄や患者さんのうがいなど院内で使用する水を次亜塩素酸水にして、衛生管理に配慮しているのも特徴でしょう。このほか所定のケースは保険適用となるCAD／CAM冠を用いた治療、レーザーによる治療などにも対応しています。また、お子さんには「歯科医院は痛い・怖い」といったイメージを持たせず、口腔内の健康づくりの基礎となるよう、無理強いせずに治療を行っています。例えば初回は歯科衛生士が口の中の状態や治療器具の説明をして、次は歯磨きといったように段階を踏んで信頼関係を深めていきます。加えて私の専門分野である入れ歯治療に力を入れ、患者さん向けの無料相談会も定期的に行っています。

2021年に移転されたのですね。

ありがたいことに患者さんが増えて、従来のユニット数ではスタッフが十分に機能できないことがありました。そこでより多くの診療に対応でき、患者さんもスタッフも快適に過ごせる環境をめざして、2021年11月に現在の場所に移転したんです。ゆったりと治療を受けられるよう全体のスペースにゆとりを持たせ、診療室もトイレも、車いすやベビーカーのまま移動できるようにしました。併せてカウンセリングルームや個室の診療室も設置。実力のある当院の歯科衛生士が力を発揮できるよう、メンテナンス用ユニットも増やしています。また、入れ歯治療を専門に行う診療枠を設けるなど、目的に応じて受診しやすい体制づくりを行っています。

歯科技工士との密接な協力で精度の高い入れ歯を追究

入れ歯治療の診療枠を設けた目的は何でしょうか？

当院は欠損した歯に対するインプラント治療も行っていますが、私の最も専門とする分野であり、多様な症例に対応できる入れ歯治療を多くの患者さんにご提供したいと考え、診療枠を設けました。「入れ歯は合わない」「痛みや違和感がある」と思われがちですが、保険診療では決められた材料や手順で入れ歯を作るため、既製服と同様に「合う人もいるが、合わない人もいる」と個人差が出てしまいます。そのため当院では保険診療でも患者さんに合う入れ歯に尽力しつつ、一人ひとり異なる口腔内の形や歯並びに合うような精度の治療をめざしたい方には自由診療も選択肢にしています。また、インプラント治療やブリッジによる治療は元に戻せないのに対し、入れ歯は外してしまえば治療前の状態に戻せます。そのためまず保険診療で入れ歯を作って、合わなければ次に自由診療で入れ歯を作るといった柔軟な対応も可能です。

自由診療で入れ歯を作るメリットは何でしょう。

入れ歯の治療には高い専門性が必要で、私は大学卒業後すぐに入れ歯治療を専門と決めて知識と経験を蓄えてきました。さらに「患者さんに合う入れ歯」の製作に強みを持つ入れ歯製作の専門会社と提携し、綿密な打ち合わせのもとで入れ歯の製作をお願いしています。この会社の歯科技工士は、こちらの意図を理解して同じ目線で製作してくれるので、精度の高い入れ歯が期待できるのです。また、当院では自由診療で入れ歯を治療する患者さん全員の噛み合わせを確認。噛み合わせがずれた状態では入れ歯の性能を十分に発揮できないため、必要な方には噛み合わせを整え、口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行ってから入れ歯を作るよう勧めています。この場合、歯科技工士も患者さんの受診時に立ち会い、回復の過程などの情報を共有しながら、型採りをチェックしたり患者さんの声を現場で聞いたりしながら、入れ歯の製作に生かしていきます。

入れ歯の治療で重視していることは？

患者さんに合った入れ歯はしっかり噛める機能に加え、長期的には口で食事ができることから健康寿命の延伸にもつながると考えられます。それだけでなく、話す、歌うといったことが、明日からの生活にも良い影響を与え、顎の位置や口を開けたときの見た目にアプローチした結果、自信を持って外出でき、メイクやファッションを以前より楽しめるということも期待できるのです。そのため当院では、人生を変える力を持つ入れ歯の提供をめざして、歯科技工士との密接なチームワークで患者さん一人ひとりに合った入れ歯作りに努め、それで多くの方に喜んでいただけることを目標としています。

口の中の問題や健康について相談できる窓口に

患者さんの全身の健康にも留意されていると伺いました。

地域のかかりつけ医院として、当院は予防のための歯科検診を中心に患者さんと長期にわたるお付き合いをしています。そうした中で口の中の健康状態を通して患者さんの変化に気づき、必要なときは適した医療機関の受診をお勧めするといった「地域の健康づくりの窓口」の役割を果たしたいと思っているんです。その意味で歯科と医科の連携は今後さらに重要になると考え、私は病巣疾患に関する研究会で、医師や歯科医師が連携して患者さんの健康を守る研究活動にも参加しています。そこでの経験をもとに、生活習慣病と歯周病のように口腔内の環境を整えることが病気の改善に有用と考えられる場合には医師から紹介を受け、逆に口腔内の不具合の原因が歯科以外にも考えられる場合は適切なクリニックをご紹介することもあります。患者さんの健康を複数の診療科で診る地域連携を通して、木を見て森も見るような多角的な治療に貢献できればと考えています。

スタッフとのチームワークはいかがでしょう？

当院には常勤の歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付、非常勤の歯科医師が在籍し、おおむね3人の歯科医師が同時に診療する体制です。私はスタッフ全員が仕事とプライベートのバランスを大事にしながら各自の個性を発揮して活躍してほしいと考え、一人ひとりと月1回は懇談する時間を持ち、個人の状況などをヒアリングしながらコミュニケーションを深めるよう心がけています。中でも歯科衛生士は若手からベテランまで幅広く、患者さんの定期検診では中心的な存在ですし、お子さんの診療でもコミュニケーションしながら信頼を深めるなど大いに活躍してもらっています。

最後に地域の皆さんにメッセージをお願いします。

当院では虫歯や歯周病にならないための予防を中心に、精密な仕上がりに期待できる入れ歯治療をはじめ「しっかり噛める」ような治療をめざしています。また、歯科の訪問診療では在宅の患者さんの口腔ケアにも取り組んでいます。こうした地域に根差した歯科診療により、地域の皆さんが毎日を楽しく悔いなく過ごせ、将来的には健康寿命の延伸にも役立つなど、地域全体の健康を長く診ていけるクリニックが当院の目標。医科との連携で全身の健康管理への貢献にも力を入れていますので、口腔内の問題でお困りの方、自分の健康をもっと大事にしたいという方は、気軽にご相談いただければと思います。