アトピー性皮膚炎の早期治療で
食物アレルギーの発症予防を
はしもとファミリークリニック
(豊中市/緑地公園駅)
最終更新日:2024/08/21
- 保険診療
「はしもとファミリークリニック」では、橋本泰佑院長がアレルギー治療のスペシャリストとして、検査から治療まで一貫して患者をサポートしている。多くの人が悩まされるアレルギー疾患。現在アトピー性皮膚炎や、食物アレルギーを発症している子どもも少なくないだろう。実は多くのアレルギー疾患には関連があり、早期に治療を開始すれば、その後のさまざまなアレルギー疾患の発症予防につながることが期待できる。「アレルギーマーチ」と呼ばれる状態を避けるためにも、気になる症状があれば早くに治療を開始したほうが良いと橋本院長は語る。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの因果関係、検査の方法、治療の進め方について、詳しく聞いた。
(取材日2022年9月30日)
目次
乳児期の湿疹は早期に治療を始め、アレルギーマーチの予防へ
- Qアレルギー疾患に対する診療方針を教えてください。
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A
例えば、乳児期の持続する湿疹はできるだけ早い段階から治療を開始します。「アレルギーマーチ」と呼ばれるように、年齢を重ねるのにしたがって、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、そして喘息やアレルギー性鼻炎へと発展してしまうことも多いからです。できるだけ早期にアトピー性皮膚炎の治療を開始することで、その後のアレルギー疾患の発症リスクの低減が期待できます。かきむしってしまうような湿疹や、赤みが強い湿疹がある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があるので、ぜひ早め早めに受診してほしいですね。
- Qアレルギー検査はどのように行いますか?
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A
まずはじっくりお話をお聞きし、アレルギーが疑われる場合は血液検査を行い、原因となる食べ物や花粉、ダニ、カビなどのアレルゲンに対する抗体を調べます。ただし、抗体が陽性であっても、その結果だけでアレルギーと診断することはできず、アレルゲンへの暴露による症状などから、総合的に診断を行います。例えば食物アレルギーの場合は、最終的には食物経口負荷試験により診断を行います。また、血液検査で測定が困難なアレルゲンの場合は、プリックテストという、皮膚にアレルゲンを垂らして反応を見る検査を行います。血液検査は乳児でも受けられるので、離乳食開始後に食物アレルギーが疑われる場合などは早めに検査しても良いと思います。
- Qアトピー性皮膚炎と診断された場合どのように治療しますか?
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A
治療には3つの柱があります。1つ目は薬での治療。ステロイドなどの塗り薬を使って皮膚の炎症抑制を図ります。薬を塗る部位によってステロイドの強さなどを調整しており、どの薬を、どこに、どれくらい塗ればいいのか、塗り方表を用いて丁寧に指導します。かゆみが強い方には、かゆみを抑えるための飲み薬も処方。2つ目はスキンケア。アトピー性皮膚炎の方はもともと皮膚のバリア機能が低下しているため、入念に保湿することが大切。入浴で清潔を保ち、保湿剤でこまめにしっかりと保湿しましょう。3つ目は悪化要因を取り除くこと。動物の毛やダニ、花粉など、症状を悪化させるものに対しては、できる限り接触を控えるなどの助言を行います。
- Qアトピー性皮膚炎は食物アレルギー発症の引き金になりますか?
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A
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、密接に関連しています。アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下し、食べ物などのアレルゲンが表皮や真皮に侵入すると、免疫細胞と反応して「経皮感作」が起こり、食物アレルギーを発症する恐れがあります。食物アレルギーを発症させないためにも、アトピー性皮膚炎の迅速かつ適切な治療が必要です。また、アレルギー性鼻炎が悪化すると気管支喘息も悪化してしまうなど、さまざまなアレルギー疾患もまた、関連し合っています。小児期のアレルギー疾患を治療せずそのまま放置しておくと、成人まで持ち越してしまう可能性もあり、早めに治療介入を行うことが重要です。
- Qこちらのクリニックで治療を受けるメリットは?
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A
多くのクリニックでアレルギーの検査を行っていますが、アレルギーの専門でない場合、検査のみでその後の具体的な治療に結びつかないことも多いです。皮膚科のクリニックであっても、小児のアレルギーが専門ではない場合もあります。一方当院では、専門性を生かしてアレルギーの適切な診断・治療へ向けて進めることができます。また、当院では小児だけでなく大人のアレルギーに対しても診療を行っています。アレルギーは遺伝することもあるので、親子で一緒に治療できるのは大きなメリットだと自負しています。