一人でも多くの命を救うため
大腸内視鏡検査に全身全霊を注ぐ
高松中央インタークリニック
(高松市/元山駅)
最終更新日:2025/02/20


- 保険診療
早期に発見し、早期に治療できれば完治が見込めるにもかかわらず、年々死亡者数が増加している大腸がん。部位別では男性で2位、女性で1位を占める重大疾病の一つだ。年に一度の大腸がん検診の受診率もさることながら、二次検診(精密検査)の大腸内視鏡検査を怠る人が多いことが、こうした数字にも表れているのだろう。「国民が全員、検診や二次検診を受けて、大腸ポリープを切除していれば、大腸がんは撲滅できるはずなんです」「僕は検査の受診率を100%にすることで、皆さんの命を救いたいと思っています」と、「高松中央インタークリニック」の小林伸也院長は強く訴える。内視鏡手技のエキスパートとして、常に最高のパフォーマンスを心がけながら検査に取り組む小林院長に、大腸内視鏡検査の対象者や検査の流れ、特徴などを尋ねた。
(取材日2024年11月30日)
目次
確かな経験に裏打ちされたテクニックを駆使し、鎮静剤を使わずとも、検査の苦痛を軽減
- Q大腸内視鏡検査は、どのような人が受けるべきですか?
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A
▲40歳を過ぎたら、一度は検査受診を
まずは、便潜血検査で陽性と判定された方ですね。この検査で陽性の方は、高確率で大腸ポリープがあるといわれておりますので、必ず二次検診として大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います。あとは血便や下痢といった消化器症状がある方や、大腸ポリープを切除した経験がある方、ご家族に大腸がんの既往歴がある方にも検査をお勧めしたいです。当院では主に50代以上の方が検査に来られていますが、40代でも、大腸ポリープや進行がんが見つかるケースはあります。40歳を過ぎたら、一度は大腸内視鏡検査を受けられると良いでしょう。僕自身も39歳の時に初めて検査を受けましたが、一度受けてみることで、大きな安心感が得られました。
- Q検査の準備や、当日の流れを教えてください。
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A
▲下剤を服用し、大腸内を空にした上で検査に臨む
検査の前日は別途ご案内する検査食、もしくは消化の良いものを朝・昼・晩と摂取します。具のないスープや素うどんなどが理想で、野菜や果物、海藻類などはNGです。水分も水やお茶などに限定して、寝る前に下剤を服用し、当日は大腸内を空にして検査に臨んでください。普段から便秘気味の方には、症状に応じた薬を処方します。当日の朝は、絶対に朝食を食べないこと。糖尿病の薬を飲んだり、インスリン注射を打ったりするのも避けてください。血圧の薬などは基本的には服用可能ですが、抗血栓薬に関してはガイドラインに沿って継続もしくは当日休薬の指示をいたします。下剤の服用開始後は脱水症状を起こさないよう、水分を十分に取りましょう。
- Qこちらで受けられる大腸内視鏡検査の特徴は?
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A
▲体に必要以上の負荷をかけない検査を心がける
「浸水法」と呼ばれるテクニックを使うことです。大腸内視鏡検査のスコープ挿入には、シャクトリムシのように腸管の軸を縮めて、奥へ奥へと進めていく技術が使われます。大腸内視鏡検査が「痛い」と言われるのは、この時に空気が入って腸管が張ってしまったり、スコープを無理に押すことで腸管がねじれてしまったりと、体に必要以上の負荷がかかってしまうからです。 当院ではこれを避けるため、挿入時に水を注入することで痛みに配慮しています。また腸管内で吸収されやすい炭酸ガスも用いて検査を行いますので、負担はさらに軽減されると考えております。近年、使用が一般化した鎮静剤についても、使用を希望される方は気軽にご相談ください。
- Q鎮静剤を使わなくても、痛みの少ない検査は受けられますか?
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A
▲鎮静剤は使わずに、検査の苦痛軽減を図る
車の運転の都合で鎮静剤が使用できない方も当然いらっしゃいますので、「鎮静剤がなくても少ない苦痛で検査ができる。その自信がある」とはっきりお伝えした上で、責任を持って検査をさせていただいております。僕はこれまで、常に最高のパフォーマンスを心がけながら研鑽を積んでまいりました。ですので、何も不安はいりません。検査中に大腸ポリープが見つかった場合は、拡大内視鏡を使って将来がんになり得るものか判断し、必要な場合は安全性に配慮しつつ、その場で切除します。また手術が必要と判断された場合には大学病院などの高次医療機関に紹介し、可能な限り僕が立ち会うことで、最後まで責任を果たすことを心がけております。
- Q先生は内視鏡診療の指導もされているそうですね。
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A
▲環境には縛られず、これからも挑戦することを続けていく
毎週木曜の午後は、香川大学医学部附属病院をはじめとした基幹病院で内視鏡の技術指導を行っています。昔から、人に教えることが好きなんです。「教え方がうまいですね」と言われることが一番幸せです。主に指導するのは、専用のナイフを使って病変の一括切除を図るESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という治療法ですね。日本の内視鏡技術は素晴らしいものですが、 進化のスピードという面では他国に遅れを取っており、近い将来、世界に置いていかれる時代が来るかもしれません。開業医も自分の限界を決めつけるのではなく、挑戦を続けていくべきだと思います。僕はこれからも環境には縛られずに、第一線のランナーとして走り続けます。