落海 健彦 院長の独自取材記事
おちうみ内科・胃・大腸内視鏡クリニック
(広島市南区/広大附属学校前駅)
最終更新日:2026/07/03
広島市南区の住宅街に位置する「おちうみ内科・胃・大腸内視鏡クリニック」は、消化器内科を中心に内視鏡検査に力を入れている地域密着型のクリニックだ。院長の落海健彦先生は、理学部で物理学を学んだ後に医師の道へ進んだ異色の経歴を持つドクター。長年にわたり内視鏡診療に携わってきた経験を生かし、精度の高い検査と迅速な対応を提供している。クリニックでは、専門性の明確化と受診しやすい環境づくりにも注力。苦痛の少ない検査を通じて、がんの早期発見・早期治療をめざす同院の取り組みや診療方針について話を聞いた。
(取材日2026年4月4日)
豊富な内視鏡検査実績を持つ町のかかりつけクリニック
こちらのクリニックの診療領域や特徴について教えてください。

先進の高画質内視鏡を用いた胃・大腸の検査を中心に、消化器内科を軸とした診療を行っています。ポリープや胃潰瘍、潰瘍性大腸炎といった疾患の検査・治療に対応するほか、早期の胃がんや大腸がんの発見にも力を入れているのが特徴です。一方で、風邪や腹痛といった一般的な内科症状はもちろん、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病にも幅広く対応しており、地域のかかりつけ医としての役割も担っています。同じ建物内にあるデイサービス施設や、近隣の医療機関とも連携しながら、専門性と総合性の両立をめざした医療提供に努めています。
内視鏡検査数が豊富だと伺いました。
内視鏡検査に特に力を入れており、年間を通じて多くの検査を行っています。2025年1月~12月の実績は、胃内視鏡検査が3552件、大腸内視鏡も944件に上り、合わせて年間4000件以上の検査を実施しています。これらの検査は基本的に院長である私が一貫して担当しており、安定した精度と質の高い診療の維持に努めている点が特徴です。
設備のこだわりはありますか?

内視鏡機器は、上部カメラと下部カメラともに新型の高性能モデルを導入し、わずかな異変も見逃さない精度の高い検査をめざしています。また、スピードと正確性にも自信を持っており、短時間で負担の少ない検査につなげています。さらに、感染症対策として呼び出し機器を導入し、発熱時などは車内で待機できる体制を整備しました。患者さんの安心感と利便性の向上につながるような環境づくりにこだわっています。
短時間の検査で患者の負担を軽減
以前のクリニック名は「おちうみ内科消化器クリニック」だそうですね。なぜ変更されたのでしょうか?

クリニック名を「おちうみ内科・胃・大腸内視鏡クリニック」へ変更したのは、診療の強みである胃・大腸の内視鏡検査を、よりわかりやすく伝えるためです。従来の名称では専門性が伝わりにくい面があったことから、患者さんが受診目的を明確にイメージできるよう考えました。内視鏡検査では、従来のバリウム検査と違って高画質で体内を直接観察できるため、早期のがん発見に優れているほか、必要に応じてその場で組織を採取し確定診断につなげることも可能です。さらに、大腸の場合はポリープの切除まで日帰りで対応できるなど、診断から治療まで一貫して行える点も大きなメリットといえるでしょう。近年は検査技術の進歩により苦痛も大きく軽減されており、その結果、定期的に検査を受ける人が増えています。
胃についてはどのような場合に内視鏡検査を受けるべきでしょうか。
胃の内視鏡検査を勧めるケースとして、まず挙げられるのがピロリ菌に感染したことがある方や、萎縮性胃炎と診断された方です。ピロリ菌は胃粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、萎縮性胃炎へと進行することで胃がんのリスクを高めます。除菌後もそのリスクは増えることはないですが、一定のリスクは残るため、継続的な検査が重要です。また、喫煙習慣のある方や胃がんの家族歴がある方についても、積極的な受診が推奨されます。これらに該当しない場合でも、40歳を過ぎたら年に1回の内視鏡検査が望ましいとされています。さらに、胃内視鏡検査では食道の状態も同時に確認できるため、飲酒量が多い方や逆流性食道炎のある方、少量の飲酒で顔が赤くなる体質の方など、食道がんのリスクが高いとされる方にもぜひ受けていただきたいです。特に50歳以上の男性は定期的な検査を意識していただきたいです。
大腸の場合についても伺います。

大腸内視鏡検査については、便潜血検査で陽性と判定された方や、大腸ポリープと診断されたことがある方、過去にポリープを切除した経験のある方、大腸がんの家族歴がある方などに受診が勧められます。特にポリープに関しては、小さいものは経過観察とする考え方もありますが、同院では将来的ながん化リスクを考慮し、可能な限り切除してポリープが一つもない状態をめざす「クリーンコロン」の方針を採用しています。ポリープを残さず取り除くことで、その後の経過観察の頻度を減らせれば、患者さんの負担軽減にもつながります。こうした対応で腸内環境を良好に保つことができれば、定期的な便潜血検査で陰性を確認しつつ、内視鏡検査は数年ごとの実施でも十分とされています。早期発見・早期治療を見据えた予防的な視点が重視されています。
病気の早期発見・早期治療に力を尽くす
ところで、先生はなぜ医師になろうと思われたのでしょうか?

もともとは大学で理学部物理学科に進み、素粒子理論を学んでいました。大学院修士課程まで修了した後、一度は研究の道を歩みながらも、小学生の頃に抱いていた「人の役に立つ医師になりたい」という思いが再び強くなり、医師になろうと決意しました。同級生よりも8年遅れてのスタートとなりましたが、その選択に後悔はありません。消化器内科を専門に選んだのは、内視鏡によって病変を発見し、その場で治療まで完結できる点に魅力を感じたためです。外科的手術に比べて患者さんへの負担が少なく、診断から治療まで一貫して関われることに大きなやりがいを感じており、現在の診療スタイルの原点にもなっています。
診療におけるポリシーについて教えてください。
診療において最も大切にしているのは、治療が可能な段階のがんをいち早く見つけ、適切な治療につなげることです。胃がんや大腸がんは早期に発見できれば高い確率で治癒がめざせます。そのためには精度の高い内視鏡検査が欠かせません。当院では、検査に対する不安や苦痛をできる限り軽減することにも注力しており、胃内視鏡では静脈麻酔による入眠状態での検査を行うなど、患者さんが安心して受けられる環境を整えています。大腸内視鏡についても痛みに配慮した手技を採用し、必要に応じて鎮静下での検査にも対応しています。早期治療が難しい場合には、速やかに連携する病院へ紹介するなど、適切な医療につなげています。また、スタッフ皆でわかりやすい説明を心がけ、患者さんが納得して治療に臨めるようサポートしています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後の展望としては、より多くの人が気軽に内視鏡検査を受けられる環境を整えていきたいと考えています。内視鏡検査は一度受ければ終わりではなく、定期的に継続することで病気の早期発見・早期治療につながります。そのため、「つらい」「怖い」といったイメージをできる限り払拭し、安心して受診できる体制づくりを今後も追求していきます。実際にクリニックには、検査目的の方と生活習慣病などの内科診療で通院される方の両方が来院されていますが、いずれの方にも無理のないかたちで医療を提供することを大切にしています。特にこれまで検査に苦手意識を持っている方や、他院で苦痛を感じた経験のある方には、ぜひ一度相談にいらしてほしいですね。少しでも負担の少ない検査を通じて、健康管理の一助となることをめざしています。

