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水谷 正太 院長の独自取材記事

みずのや医院

(京都市上京区/今出川駅)

最終更新日:2023/01/11

水谷正太院長 みずのや医院 main

京都市営地下鉄烏丸線の今出川駅から西へ車で約10分。西陣地区の通りに面した一角に「みずのや医院」はある。この地に開業して約18年。「ひげの先生」の愛称で親しまれる水谷正太院長は、地域のかかりつけ医としてさまざまな症状の患者を診療し、高齢患者のために往診や訪問診療まで快く応じてきた。「つらい人や不安を抱えている人を、安心させてあげられる医師でありたい」と話す水谷院長は、とても気さくで親しみやすい雰囲気。京都市西陣医師会会長を務めており、認知症の患者やその家族をサポートする活動にも意欲的に取り組んでいる。そんな水谷院長に、日々の診療にかける想いを聞いた。

(取材日2021年12月16日)

外来はもちろん訪問診療まで幅広く対応

貴院について教えてください。

水谷正太院長 みずのや医院1

開業したのは2004年なので、もうすぐ18年前になります。私は大学を卒業後、循環器内科の医師として京都市立病院や西陣病院、堀川病院などで診療経験を積んできました。もともと地域に根差した「町医者」になりたいというのが目標だったので、診療の幅が広くて何でも診られる内科を専門に選んだんですよ。そして40歳になった年に、元の勤務先からほど近いこのエリアで満を持して開業しました。後になって知ったのですが、この地域は昔私の祖父が住んでいた、先祖代々ゆかりのある土地だったそうで。すぐ近所に遠縁の親戚が住んでいることもわかり、祖父の導きがあったのかなと驚きました。今ではなじみの患者さんも増えて、ありがたいことに日々忙しく診療させてもらっています。

どのような患者さんが来られますか?

一番の専門分野は循環器内科ですが、循環器に限らずいろいろな症状の方に来ていただいています。ここ西陣地区は高齢化率が4割を超えている地域ですから、65歳以上の高齢患者さんがほとんどですね。通院が困難な方や介護が必要な方も多くいらっしゃるので、外来の合間に往診や訪問診療も行っています。地域の高齢化を見越して、開業当初から将来は往診のニーズが増えるだろうと予測して準備を進めてきました。新型コロナウイルス感染症の流行下では、発熱の患者さんを安全性に配慮しながら診るために往診に出向く対応も取りましたね。訪問は基本私1人で行い、必要なときのみ看護師に付き添ってもらうかたちにしています。また最近は認知症の方を適切なサポートにつなぐ「物忘れ相談」にも力を入れています。

診療モットーは何ですか?

水谷正太院長 みずのや医院2

不安な気持ちで医院に来られる患者さんに対して、まずは間違いのない知識をお伝えすること。その上で、「一緒に病気を治していきましょう」と寄り添うことを心がけています。実は私の父は基礎医学の学者だったのですが、幼い頃、私が風邪をひいたり頭が痛くなったりすると「今、体の中はこんな状態になっていて、こうやったら良くなるんだよ」と、こまやかに説明してくれていたんですよ。それでずいぶん気持ちが楽になったのを覚えています。病気に対する不安な気持ちは、知識を得ることで吹き飛ばすことができるんだ、と感心しました。この経験が私の診療の原点となっています。人を安心させてあげられる医師であるのが私の目標です。もちろん、私にもわからないことがありますから、知らないことは素直に伝えて専門の先生を紹介し、その結果を見てまた一緒に治療していくという方針を取っています。

認知症の患者や家族をサポート

医師になられたきっかけと、勤務医時代の思い出は?

水谷正太院長 みずのや医院3

親に医師になれと言われたことは一度もなかったのですが、高校生で将来何をめざそうか考えた時、医学を学ぶことは自分にとって役に立つと思ったんですよ。国や言葉の違いに関係なく、人類に共通する学問ですから。しかし実際に医師になってみると、学問の側面よりも、人と接する仕事という側面に惹かれていきましたね。もともと人と話すのは好きなほうなのですが、患者さんと話をしているとその人の人生も垣間見えてとても興味を引かれます。結果的に一番向いている職業だったと感じています。勤務医時代の思い出といえば、ひげを生やし始めたことでしょうか(笑)。当時忙しく働くうちに無精ひげが伸びてしまって、いつの間にか「ひげの先生」と呼ばれるようになりました。そるにそれなくなって、いまだに伸ばし続けています。

今、注力されている「物忘れ相談」について詳しく教えてください。

私は「認知症サポート医」という、認知症の方やご家族の相談・アドバイザー役を担っているので、その活動を積極的に推進しています。これは社会の高齢化に伴い増加している認知症の患者さんを、みんなで診ていこうという取り組みです。地域における認知症医療や介護がスムーズにいくように取り継ぐのが私の役目です。他院の患者さんで認知症の症状に困っている方を紹介してもらい、並診という形でご本人やご家族を支援したり、正しい知識を広める講演を行ったりしています。多く寄せられる相談は、突然怒り出すなど感情の起伏が激しい、近所を徘徊してしまうなど、認知症の記憶障害に付随する症状についてです。私は専門家ではありませんが、認知症サポート医としてアドバイスをしたり、必要に応じて薬を出したりしています。また在宅医療・介護連携支援センターという市の組織にも所属しているので、お困りの方は気軽にご相談いただければと思います。

どのタイミングで相談するといいですか?

水谷正太院長 みずのや医院4

今までできていたことができなくなる、性格が変わるなど、認知症が疑われる違和感に気づくときがあると思います。そんなときに、まずはご家族だけでも相談に来てくだされば、専門の先生におつなぎします。「ちょっと体調を診てもらおうか」と、健康診断の名目でご本人を連れて来ていただくこともあります。いきなり認知症専門の先生のところには行きづらいという方も、当院は内科なので気軽にお越しいただけるのではないでしょうか。また、認知症が進むと外出できなくなったり、骨折などが原因で寝たきりになられたりすることもあります。そんな場合は訪問診療を通じて在宅での生活を支えていきます。介護保険などを適切に利用して、ご本人もご家族も安心して暮らせるようにサポートすることを心がけています。ご家族も、大切なお父さんやお母さんが変わっていく様子を見るのはつらいと思いますから、心情に寄り添うことを大切にしています。

地域住民と医療をつなぐ「ホームドクター」

今後の展望についてお聞かせください。

水谷正太院長 みずのや医院5

今までと変わらず、医院に来てくださる患者さんを責任を持って診ていくことが一番です。一見すると元気そうな若い方でも、ある日突然亡くなることもあります。避けようのない急変もありますが、何か兆候はないか、一つでも見落としていないか、細心の注意を払って診療しなければならないと考えています。専門である循環器内科はもちろん、他の症状も広く診ていきたいので、いろいろな分野に目を向けて勉強を続けています。開業医はともすると独りよがりになってしまいがちですから、いろんな先生と会って刺激を受けることが大事ですね。それに加えて、在宅での診療が必要な患者さんに対しては、私の体が限界を迎えるまで頑張って支えていきます。私は運動神経がいいわけではありませんが、変な体力だけはあるので大丈夫です(笑)。

プライベートはどのようにお過ごしですか?

若い頃はドライブが趣味で、夜中に東京まで遊びに行ってそのままとんぼ返りしたりもしていましたが、今は家族がいるので家で好きな音楽を聴くのを楽しみにしています。昔はハードロックが好きでLPが擦り切れるほど聞いてきました。今はクラシック、ジャズ、ポップスなど何でも聴きますね。たまの休みはできるだけ家族と出かけたりして過ごすようにしています。愛犬と遊ぶのも楽しみです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

水谷正太院長 みずのや医院6

京都の人は新しいクリニックになかなか来てくれない傾向にあるといいますが、開業から約18年がたって、患者さんの紹介で多くの方にお越しいただけるようになりました。一度受け入れてくれると、とことん温かく親しみ深く接してくださる人情のある町だと思います。ご期待に応えるために、確実な知識を増やして、いい加減なことは決して言わず、誠意を持って診療していきたいと考えています。すべての診療科にわたって相談できる、地域の方と医療をつなぐ「ホームドクター」というスタンスで、続けていければうれしいです。お困りのことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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