渡辺 勝 院長の独自取材記事
わたなべ歯科
(春日部市/春日部駅)
最終更新日:2025/02/06

春日部駅西口から徒歩6分。「わたなべ歯科」は、通りから見える大きなガラス張りのキッズルームが特徴。長く予防歯科に努めてきた渡辺勝院長は、妊娠期や歯がない乳幼児期から子どもの口腔環境に多角的なアプローチを行う「赤ちゃん歯科」にも熱心に取り組む。また全世代に対して口腔から全身の健康を支える診療を重視し、栄養面のアドバイスを行うほか、血圧計や、血糖値を測定する装置、体組成計も導入。穏やかで丁寧な話し方の渡辺院長に同院の診療について話を聞いた。
(取材日2022年6月1日/再取材2024年10月21日)
スタッフと想いを一つにした患者ファーストの診療
広々としたキッズルームが印象的です。

これはお子さんに「歯科医院は楽しい所」と思ってもらうための仕掛けです。当院のコンセプトは「予防こそ最高の医療」。できるだけ早いうちから習慣的に予防を行い、健康的な生活習慣を根づかせたいと小児歯科に力を入れてきました。お子さんの健やかな成長のために、まだ歯が生えていないうちから、お母さんにも積極的に予防意識を持っていただけたらと思います。
スタッフの皆さんは意欲的に働かれていますね。
当院ではスタッフ採用の際、半日かけて診療を見学してもらってコンセプトや私の想いを1時間ほど説明します。その上で働きたいという意思のある方と面接をさせていただいています。ですから私の考えをよく理解してくれていて、その考えを言語化した12ヵ条の「行動指針」も日々実践してくれています。スタッフには保育士や管理栄養士などの専門性を生かして、自分らしい夢を見つけ頑張ってほしいと思っています。成長しながら夢をかなえようとするスタッフたちの姿勢は素晴らしいですし、院長としていつも感謝しているんです。子育て中のスタッフも多く、実際に育児を経験している立場から積極的にお母さん方をサポートしています。
診療で一番大切にしていることは?

患者さんの想いにしっかり耳を傾けることです。何を望んでおられるのか、なぜ今日来院されたのか、といったことを重視しています。例えば、取れたかぶせ物を着け直したいという主訴一つとっても、「見た目が気になる」「取れたかぶせ物に思い入れがある」「この際しっかり治療したい」など、その想いはさまざま。ですからまず、患者さんを知ることが大切。多くの場合、複数の治療法の中で何がベストかを考え、それぞれの利点等を説明した上で、ご自身に治療法を選択していただきます。ですので皆さんが望まれる結果に少しでも近づけるよう、納得いくまで相談に乗るようにしているんです。これはどの方も同じで、お子さんの場合は親御さんのお話もお聞きします。
子どもの健康な将来のための情報を発信
予防歯科に力を入れておられますね。

例えば、むし歯の場合、悪い部分を削って詰め物をすることで症状の改善を図ります。しかし完全に元どおりの歯に戻すことはできません。ですから当院では、悪くなってから削って治療するという対症療法ではなく、そもそも治療の必要がない健康な口腔環境の維持をめざす予防歯科を「根本的な歯科医療」と考え実践しています。お口の中をより健康的な状態にするための情報をお伝えし、患者さん自らが健康的な行動を選択できるようサポートするのが私たちの使命。患者さんそれぞれの生活や想いに寄り添い、患者さんごとに違う最適な予防が行えるようスタッフとともに取り組んでいます。
こちらで行っている「赤ちゃん歯科」について教えてください。
全身の健康や心理的な学びを追求するうち、予防歯科だけでなくすべてにおいて早期の介入が重要だと気づいたんです。子どもの成長はお母さんのおなかの中にいる時から始まり、お母さんの栄養の取り方も大切。また生後3ヵ月くらいまでの呼吸や抱っこの仕方、母乳の飲み方が歯並びに及ぼす影響は大きいとされていて、歯並びはその後のお口の中の健康を左右します。「赤ちゃん歯科」の役割は、そうした子どもの将来のためにできることをお伝えすることにあります。当院では歯科医師、歯科衛生士、保育士、管理栄養士、健康管理・予防医学の専門知識を持つスタッフがワンチームで取り組んでいます。妊娠を考えた時、妊娠中、生まれて歯が生える前など、それぞれのタイミングやお子さんの発達段階に合わせて予防的なアプローチの方法などをアドバイスします。
ほかに力を入れていることは?

当院では全世代への予防医学を追究し、さまざまな取り組みを行っています。血糖値を測定する装置や、基礎代謝・体脂肪・筋肉量・骨量などを測定する体組成計、血圧計も導入。管理栄養士や歯科衛生士も増員し、歯の予防ケアだけでなく歯科の観点から栄養面のアドバイスも行っています。むし歯や歯周病の患者さんで、同じような症状でも予後が人によって大きく異なるのはなぜだろうと考えたときに、日頃の食事、栄養の取り方が大きく影響しているのではないかと思ったことから始まりました。口の健康を考える上でも、管理栄養士主体で「脂っこいものや糖質は取りすぎていないか」「未病段階でも血糖値の急激な上昇がないか」など、全身の健康に関する専門的視点を日常の生活習慣に反映させつつ、患者さんと一緒に考えています。そのほか、マウスピース型装置を用いた矯正も行っています。
個々に合わせたアプローチで行う小児機能矯正
お子さんを対象とした機能矯正が特徴的だとか。

石丸英美先生担当の子どもを対象とした機能矯正は、従来の美しい歯並びを追求する一般的な小児矯正とは一線を画しています。この機能矯正の目的は「赤ちゃん歯科」の後、5歳から10歳くらいまでの発育フォローで、お子さんの成長をより良い方向へ導き本来持つ能力を伸ばすことを目的としており、口腔機能の成長や顎の発達を健全な状態に導くことで結果的に整った歯並びが期待できるというもの。つまり、いわゆる見た目だけに着目したきれいな歯並びを求めるものではありません。ですから矯正を希望される方には、きちんとお話をして共通認識のもとで進めます。それはお子さんも同様で、お子さん本人が矯正したいかどうかをきちんと確認してから行っています。毎日継続的に取り組む必要がありますので、本人が主体的に取り組まないと続きませんから。
機能矯正では、さまざまな理論や方法論から患者さんに合うやり方を組み合わせると聞きました。
はい。お子さんの成長をより良い方向へ導くための機能矯正の方法論はたくさんあります。石丸先生はそれらを幅広く深く学び、それぞれの理論や方法論の中からお子さんに合うものを合わせ、お子さんごとにプログラムを構築します。だからより良い結果が期待できるのです。そもそもなぜお子さんの成長の方向を正しい方向へ導く必要があるかというと、例えば顎が小さく舌の行き場もないようなら、将来的に睡眠時無呼吸症候群になったり、日常的に呼吸がしにくくなったりということも起こり得ます。そうした状況だと呼吸にも影響が出て脳へ酸素が十分に送られず、脳の発達にも影響が出るかもしれませんし、全身の成長にも影響があるかもしれません。取り組み始めてから途中で難しくなっても、その原因を一緒に見つめてどうしたらきちんと取り組めるのか一緒に考えます。
具体的にどんなことをするのですか?

成長期の子どもたちの顎や顔が本来の正しい成長を遂げ、自然と歯並びが整っていくことをめざす口腔機能の矯正です。目的は歯並びを整えるのではなく、歯並びを悪くする要因をなくしていくという考え。具体的には正しい呼吸の仕方や、舌のポジション、飲み込み方などを毎日ご自宅でトレーニングし、頬や口周りの筋肉も鍛えながら正しく成長していける状態と機能が得られるよう導いていきます。そのほか、夜間就寝時に専用の器具も口に装着していただきます。成長期だからこそできるこの矯正は、多くの子どもたちの顎顔面と歯並びの改善が期待できるでしょう。個別無料相談も実施しています。
読者へメッセージをお願いします。
当院は0歳児から高齢の方まで幅広く診療し、「どんな食生活や運動をすれば年齢を重ねても健やかに過ごせるか」を患者さんとともに考え、取り組んでいく歯科医院です。お子さんがお母さんのおなかの中にいる時期から予防の習慣を身につけられれば、その後きっと幸せな人生が送れるはずと考え、診療やサポートを行っています。保育士や管理栄養士など多職種のスタッフが複数在籍しており、私を含め全員が子ども好きなので、いずれ医療とは別に保育園の運営ができたらいいねとも話しているんです。そんな夢を持ちつつ、これからも地域の皆さんの健康増進に貢献していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児の口腔機能矯正(5~10歳)/49万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/88万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。