呉 健一 院長、呉 響子 先生の独自取材記事
クレ歯科・矯正歯科
(さいたま市浦和区/浦和駅)
最終更新日:2022/10/14

浦和駅西口から徒歩9分、坂下通り沿いに立つビルの1階にある「クレ歯科・矯正歯科」。同院は母校で歯科矯正学講座助教を務めた呉健一院長が前身である「クレ歯科医院」から歯科事業を承継。2017年からは呉健一院長の専門分野である矯正歯科と予防・一般歯科を診療するクリニックとなった。呉健一院長は「矯正歯科は予防歯科でもある」との考えをベースに小児や成人の矯正治療を行っている。インタビューでは大学時代からの良きパートナーである呉響子先生とともに、同院の特色や矯正の意義などについて語ってもらった。
(取材日2022年6月24日)
矯正歯科と一般歯科の歯科医師が一つの歯科医院で診療
こちらのクリニックの成り立ちと特色を教えてください。

【健一院長】もともと1980年に父が開院した「クレ歯科医院」を2017年9月に全面リニューアルし、虫歯や歯周病の治療を中心とする一般歯科と、僕が大学院で専攻して臨床経験を積んできた矯正歯科、2つの柱を持つ歯科医院として診療しています。当院は先代の時代より家庭的な雰囲気を大切にしてきました。現在は引退をしましたが、これまで受付として母が守り続けてきてくれた親しみやすさを残しつつ、先進の技術と知識をもって、患者さんにより良い医療を提供し続けたいと考えています。
【響子先生】今は子どもがまだ小さく診療に携わる機会は限られていますが、私も矯正歯科を担当しています。一般歯科は毛塚素子先生と叔父の呉武城先生が担当しており、身近に信頼できる先生がいてくれるのはとても心強いです。一つの歯科医院で矯正から予防・虫歯の治療まで、総合的に診ることができることが当院の特色と言えると思います。
矯正歯科と一般歯科の診療が院内で受けられるメリットは何でしょうか?
【健一院長】一般歯科をメインにしつつ、非常勤の矯正歯科医師が月に数回勤務するかたちで矯正治療を行っている歯科医院も多いですが、その場合、患者さんが矯正担当の先生に診てもらえる機会はどうしても少なくなります。もしも矯正の装置が急に壊れたり外れたりしたとき、矯正の先生の次の来院予定まで日が開いてしまうと患者さんは困ってしまいます。そう考えると、矯正歯科医が常駐して急患の対応ができることは大きな安心材料になると思います。
【響子先生】矯正歯科専門の歯科医院ですと、矯正治療の途中で虫歯が見つかったり、抜歯が必要になった場合、別の歯科医院を受診いただく必要があるため、患者さまにお手数をおかけすることになります。院内に一般歯科の先生が常駐していれば、すぐに虫歯などの一般的な歯科治療に移行でき、患者さまの負担を軽くできると考えられます。
院内の設備や衛生管理の取り組みについて教えてください。

【健一院長】患者さまの診断に必要となる精密な検査データを得るため、開院時から歯科用CTと頭部エックス線規格写真(セファログラム)撮影装置を備えました。3つの半個室に分けた診療ユニット毎に歯科治療によって発生するエアロゾルや粉塵を吸収する口腔外バキュームも設置しています。診療時に使用した器具は廃棄して新しいものを使用するか、高圧蒸気で洗浄・滅菌し、個別にパックに包装して使用する直前に開封しています。新興感染症の流行以降は、受付前に手指消毒器や検温器を設置し、医療機関向け空気浄化装置を待合室と診療室の天井部分に設置し、院内の空気環境を改善するようにいたしました。新興感染症の流行以前から院内の衛生管理については日本歯科医学会が定める衛生管理マニュアルを忠実に実行しておりましたが、さらなる感染症対策を追加したことで、患者さまにより安心して受診していただける環境を整えることにも努めています。
患者一人ひとりに適した矯正の在り方を見極めたい
あらためて矯正の意義をどのようにお考えですか?

【健一院長】きれいな歯並びになって笑顔に自信が持てる、といったように心理的な改善につながるほか、矯正治療がもたらすものはそれだけにとどまらないと考えています。噛み合わせが整うことで咀嚼能率の向上や発音の改善につながることもあります。また、自分の歯が20本以上残っている80歳以上の高齢者を調べた研究から、歯並びと噛み合わせがいい人ほど歯が残りやすいのではないかともいわれています。
【響子先生】以前あるおばあちゃんが、孫の歯並びを良くするのは自分の責任だとおっしゃっていました。単に見た目のことではなく、幼子のこれからの人生を見据えて矯正のご相談に来られる方も増えており、時代の変化を感じますね。
矯正を行う患者さんへの説明で特に注意している点はありますか?
【健一院長】小さなお子さんや若い世代の方はもちろん、最近は40代、50代の方まで矯正治療を希望されてご相談にいらっしゃる患者さまは多いですが、どういった矯正方法を用いるかは一人ひとりの歯や歯茎の状態を診てからでないと判断できません。今、注目を集めている透明なマウスピース型装置を用いた矯正も、その患者さんに適している場合はいいのですが、ワイヤーとブラケット器具を使用したマルチブラケット矯正のほうが良いと思われるケースもあります。そうした個別の相性をよく見極めるのが矯正に専門性を持つ歯科医師の役割だと思いますし、口腔内の写真などもお見せしながら、そのあたりの話も時間をかけて説明するようにしていますね。
最近ではマウスピース型装置を用いた矯正にも力を入れられているとか。

【健一院長】昨今、マウスピース型装置を用いた矯正の技術が進歩を遂げており、以前に比べて適応できる症例の範囲が増えてきました。そのため比較的軽度の不正咬合であれば、ブラケット矯正だけではなく、マウスピース型装置を用いた矯正も治療の選択肢として挙げられるようになりました。しかしながら、マウスピース矯正は治療が予定通りに進まない場合もありますので、そういった場合は途中からブラケット矯正に無償で切り替えることも当院ではしています。患者さまはきれいな歯並びと良いかみ合わせをめざして矯正治療を受けておられますから、その期待を裏切らないようきちんと完成形を提供しよう、そして費用負担もできるだけ少なくて済むようにしたいというのが当院の姿勢です。
環境に左右されず、質にこだわった矯正を堅持し続ける
子どもの矯正に関心を持つご家族に知っておいてほしいことはありますか?

【健一院長】来院されたお母さんにもよくお話しするのですが、同じ年齢のよそのお子さんが矯正をやっているからうちの子も早くしなくちゃ、などと急ぐ必要はありません。矯正は早く始めたほうがいいと思っている方は多いですけれど、塾や習い事とは違う医療の話ですから、先ほどの装置の選択と一緒で、矯正を開始する一番いいタイミングは患者さんによって全然違うんです。早く始めたほうがいい子もいれば、すべての永久歯が歯が生えるまで待ったほうがいいお子さんもいます。どうか焦らず、まずは相談に来ていただきたいですね。
【響子先生】自分も子育てを経験して、月齢がこれぐらいだと今どんな心配をされているかなど、お母さんたちの気持ちがわかるようになってきました。今後はそうしたお母さんの立場も踏まえた説明をもっと心がけたいですね。
矯正歯科の診療時間も延長されたと伺いました。
【健一院長】矯正歯科は定期通院が必要ですが、学生や社会人の方の多くは通院可能な時間に制約があると思います。そのため、平日の16時以降と土曜日の通院を希望される患者さまが多いこともあり、少しでもその枠を増やせればと、2022年1月から診療時間を拡大いたしました。一般歯科は従来通りですが、矯正歯科は平日は18時~20時の診療を週2回に増やし、土曜の診療も月3回から毎週へと変更いたしました。受診する負担を軽減できるよう体制を整えていければと考えてます。
今後、さらに改善したいと考えていることなどあれば教えてください。

【健一院長】患者さま同士や近隣の医療機関からのご紹介で、ありがたいことに来院してくださる方も増えてきました。虫歯や歯周病などの一般歯科から矯正歯科まで専門的に診ている当院の利便性を強みに、これからもチーム医療のもと一人ずつの患者さんに真摯に向き合って治療していきます。また、毎月の診療予定表もホームページで見ていただけますから、都合に合わせてネットで予約してもらえればと思います。今後も医療の質の向上を図りながら、より多くの患者さんをご満足いただける医療を提供する体制をつくっていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは・乳歯・混合歯列期からの矯正(小児の矯正、第I期)/検査・診断料3万3000円、基本矯正料33万円
・永久歯列期の矯正に移行する場合(第II期)/検査・診断料1万1000円、基本矯正料38万5000円~93万5000円(装置の種類によって異なります)
・永久歯列期からの矯正(成人を含む)/検査・診断料4万4000円、基本矯正料44万円~126万5000円(装置の種類によって異なります)
・マウスピース型装置を用いた矯正/基本矯正料98万円~
そのほか、処置料/1回5500円、保定装置料(片顎)/2万7500円、抜歯/1本5500円 などがかかります。詳しくはお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。