長くスポーツを続けるために
スポーツ傷害の治療や予防法について
おかざきいしむら整形外科
(岡崎市/大門駅)
最終更新日:2024/12/25


- 保険診療
サッカー、野球、テニス、ゴルフ、ジョギング。さまざまなスポーツを楽しむ時に、避けて通れないのがケガや傷だ。捻挫や骨折など、つらい外傷を経験した人も少なくないだろう。こうしたスポーツが原因の外傷やスポーツを続けることで起きる障害を「スポーツ傷害」と呼ぶ。スポーツ傷害を発症すると、プレイできず、慢性的な症状に悩まされることもあるが、早期の治療やリハビリテーションで後遺症なく回復をめざすことも可能だ。また、きちんとした知識があれば、スポーツ傷害を予防することもできるという。「おかざきいしむら整形外科」の石村大輔院長は、スポーツ分野にも精通するドクター。「競技者はもちろん、指導者にもスポーツ傷害について意識してほしい」と力を込める。そこでスポーツ傷害の治療やリハビリ、予防について、心構えを聞いた。
(取材日2024年6月14日)
目次
治療、リハビリ、体のケアなど、スポーツ傷害は医療機関に相談しよう
- Qスポーツ傷害とは、どのようなものなのでしょうか。
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A
▲石村先生自身もけがの経験があり、スポーツ傷害に力を入れる
スポーツによって、骨、筋肉、靱帯、腱、関節などにダメージが加わって起こる外傷やスポーツを続けることで起きる障害を指します。突発的な力が加わって骨折や靱帯損傷などのケガをする場合もあれば、同じ動作を繰り返すことで、慢性的な負担が原因となって体を傷めてしまうことも。疲労骨折、テニス肘、オスグッド病などが後者にあたります。足や肩、肘などスポーツの際に負担がかかりやすい部分に発症することが多く、ジャンプやダッシュ、急停止などの動作が多いと発症リスクが高まります。久々に体を動かす時や慣れないスポーツの練習を始めた1〜2ヵ月後などが特に危ないので、予防措置を講じながら無理のない負荷でスポーツをしましょう。
- Q検査・診断について教えてください。
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A
▲エックス線検査に加え、MRIも導入している
まず問診をし、患部に触れて症状を確認します。その後、エックス線検査、処置を行います。こうした撮影では判別できない軟部組織の構造や状態を見る場合には、MRIやエコーで検査する場合もあります。画像などを見て、患者さんや指導者が症状を理解した上で治療に取り組むことは、大いに意義があると考えます。体のどの部分が、どの程度損傷しているのかをきちんと理解して積極的に治療やリハビリを進めましょう。
- Q治療・リハビリについて教えてください。
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A
▲各種機器を使い、リハビリを進めていく
症状が軽ければ、安静にすることで患部の回復を図ります。必要に応じて、装具やギプスなどで固定します。一方、安静だけでは回復が望めない場合や、回復を早めるためには、リハビリも有用です。リハビリを行う場合には、傷めた部分だけを診るのではなく、外傷や障害が発生した原因を考えて、必要な訓練を行います。例えば、体幹が弱く脚を傷めた場合、脚の筋力訓練だけではなく、体幹全体の訓練が必要です。また筋力の増強だけでなく、可動域を広げ、柔軟性を高める訓練も役立ちます。スポーツ傷害に詳しい医師や理学療法士などの指導のもとで、適切なリハビリを行いましょう。
- Q予防方法について教えてください。
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A
▲理学療法士が複数在籍し、開放感のあるリハビリ室で行う
スポーツをする前に必要なウォーミングアップを行い、練習後にはアイシングなど、きちんと体のケアをするようにしましょう。特にストレッチが重要です。また、筋力や体力に応じて、適切に休息を取る必要があります。スポーツをしている最中の休憩はもちろん、連日長時間の運動をすることでスポーツ傷害のリスクが高まるため、スポーツをしない日や時間を設けることが大切です。体力や筋力、各スポーツの技能レベルは各々違うことを意識して、体に無理な負担がかかりすぎないような練習メニューを設定してください。休息を含めてトレーニングになると考えて、練習内容を精査してほしいです。
- Qスポーツを指導する人が気をつけることはありますか。
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A
▲各指導者と連携を取り、地域のレベル向上をめざす
部活動のコーチや各種インストラクター、トレーナー、子どものスポーツ活動を支える保護者など、スポーツを指導する立場にある人は、技術の向上だけでなく、障害・ケガの予防にも気を配ってほしいです。プレーヤーが痛みや違和感を感じた場合には、すぐに整形外科を受診させるようにしましょう。また、スポーツ傷害やリハビリに詳しい医師や専門家と連携し、練習内容や体のケアについても学ぶことをお勧めします。子どもから高齢者まで、すべてのスポーツを愛する人が、健康に長くスポーツを楽しめるよう、予防にも心を配っていきたいですね。