片山 繁樹 院長、片山 慶祐 副院長、片山 知子 先生の独自取材記事
片山歯科医院
(横浜市港北区/北新横浜駅)
最終更新日:2023/03/07

ブルーラインの北新横浜駅前にある「片山歯科医院」は、片山繁樹院長が30年以上も診療を続ける地域密着の歯科医院。「以前は工場が目立っていた地域も、地下鉄開通で人口が増え当院も忙しくなりました」と話す繁樹院長は、約10年前に現在の場所に同院を移転・拡充。数年前からは息子の片山慶祐副院長、その妻の片山知子先生も加わり、診療体制がさらに充実した。「なるべく抜かない・削らないのが当院の方針。加えて、デジタル技術を活用したインプラント治療やマイクロスコープを用いた治療にも注力しています」と話す慶祐副院長、知子先生も交え、同院の特徴や地域への思いを聞いた。
(取材日2019年11月26日/更新日2022年9月13日)
幅広い診療とデジタル技術で地域の歯科医療に貢献
開院されるまでの経緯をお聞かせください。

【繁樹院長】私は大学を卒業後、大学病院で欠損した歯に対する入れ歯治療などを専門にしてきました。やがて自分が理想とする診療を実現したいとの思いが強くなり、1988年に私の地元に近い港北区新羽町で開院しました。19年間そこで診療を行った後、北新横浜駅開業で駅前が整備されるのを機に移転したんです。
【慶祐副院長】私も大学病院で欠損した歯の治療を専門に行うと同時に、睡眠時の歯ぎしりや食いしばりについての作用機序や治療法なども研究しました。博士号も取得し、2015年から当院で診療を始めました。
診療面ではどんな特色がありますか?
【繁樹院長】一般歯科、小児歯科、インプラント治療や入れ歯、セラミック等の審美歯科、抜歯等の外科処置、矯正などの診療を各分野の専門家で対応しています。また歯周病治療後の安定期でも、歯周ポケットが深くて要注意な患者さんに対し、再発を防ぐSPTと呼ばれるケアも行っています。
【慶祐副院長】マウスピース型装置を用いた矯正治療は、成人だけでなく成長期のお子さんにも対応しています。顎が小さく永久歯が収まりきらないと考えらえるお子さんが対象で、成長する力を利用して顎を広げる方法です。前歯が生えてきたタイミングで相談していただくと、その後の対処の幅が広がります。
【繁樹院長】当院の患者さんで通院が難しくなった方、港北区歯科医師会の在宅歯科相談室から紹介された方を対象に、訪問歯科診療も行っています。当院には介護職員初任者研修資格を取得した歯科衛生士もおり、今後も訪問歯科診療に力を入れたいと思っています。
院内設備について教えてください。

【慶祐副院長】診断の為のCTなどの完備はもちろん、治療にはルーペなどの拡大鏡に加えマイクロスコープも導入し、インプラント治療、歯の根の治療や小さな虫歯の処置もさらに精密に行えます。また歯科用レーザーも設置し、虫歯治療や歯周病の治療、インプラントを入れた後の歯肉のケア、歯石の除去などに活用しています。その他に、口腔内スキャナーで歯を撮影し、コンピューター上でかぶせ物の設計や作製を院内で行う、CAD/CAMシステムも導入しています。これによって従来より精密な歯のかぶせ物が最短1日で作製可能ですし、嘔吐反射がある方の負担軽減にもなります。ウイルス等の院内感染予防の観点では、削りかすや菌の飛散を予防する口腔外バキュームを各チェアに取りつけ、器具の清潔さを保つために世界でも厳しいといわれるヨーロッパ基準のクラスBの滅菌器も導入しています。
予防から治療まで歯科衛生士とのチームワークを重視
こちらのインプラント治療について教えてください。

【慶祐副院長】歯を失ってしまった際にインプラント治療を希望される方は以前よりさらに増えていると感じます。着実に行えばインプラントはとても予後のいい治療だという認識が広まってきたのかもしれません。インプラント治療を行う前に歯科用CTで安全に配慮して治療を行えるかを確認し、方針を説明します。危険が伴うようであれば無理に勧めることはありません。インプラント治療はデジタル化が進んでおり、事前に治療をシミュレーションしたCTデータと口腔内スキャナーで撮影した歯列のデータをマッチングさせて作製したガイド装置を用いる「ガイデッドサージェリー」により、精密かつ安全に配慮した治療を行っています。また、最小本数のインプラントを使って入れ歯を安定させるインプラントオーバーデンチャーという治療も多く行っています。入れ歯が合わなくて困っている方は是非相談していただければと思います。
虫歯や歯周病の予防にも力を入れていると聞きました。
【知子先生】私はお子さんを多く診ていますが、お母さん方の予防意識は高く、定期検診でいらした時に磨き方などを細かく質問される方は多いですね。ただ、お子さんの虫歯の進行は速いので、何もなくても3ヵ月に1回は検診を受けていただくようお勧めしています。
【繁樹院長】成人や高齢の方も予防を重視されるようになりました。厚生労働省と日本歯科医師会により、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020(ハチマルニイマル)運動が30年前から始まりましたが、今では80歳で20本以上残っていることが当たり前になってきています。
【慶祐副院長】しっかり噛んで食事をすることで、栄養の吸収が良くなったり、認知症などさまざまな全身疾患を予防することができるといわれています。確かに奥歯がきちんと残っている人は元気な方が多い印象を受けます。
予防には歯科衛生士の力も大切ですね。

【慶祐副院長】ええ、当院は虫歯・歯周病の検診からインプラント治療後のメインテナンスまで、歯科医師と歯科衛生士とのチームワークを重視しています。治療後の良好な状態を保つには定期的なメインテナンスが必要であり、それには歯科衛生士の協力は不可欠です。そのため衛生士も常に拡大鏡を用いてメインテナンスを行っています。また、空いた時間には手技のトレーニングをしたり、毎朝のミーティングや昼の院内勉強会で各自が勉強したテーマを持ち回りで発表して知識を共有したりと、患者さんにいい医療を提供するために各々がとても努力をしていると思います。
【繁樹院長】当院の歯科衛生士は7人全員常勤です。私は歯科衛生士専門学校で非常勤講師を務めている関係から、当院は歯科衛生士の実習先になっているんです。やる気のある学生がいると、衛生士たちにも刺激になり院内の活性化につながっているようです。
物事の本質は大切にしつつ変えるべき部分は変えていく
先生方が診療で心がけていることは何でしょうか?

【慶祐副院長】私は急患をなるべく断らないことです。痛みでお困りの方に、できる限りの治療を行うことは歯科医師の務めと考えています。また治療法のメリットとデメリットをしっかりご説明し、治療前後の写真を見ていただくなど、患者さんが納得して治療を受けられるよう心がけています。
【繁樹院長】やはり患者さんとの信頼関係は大切です。私は以前に港北区歯科医師会で医療安全に関する業務を担当し、歯科治療への苦情対応も行いました。その原因の多くは患者さんとのコミュニケーション不足です。こうした経験から症状や治療法を丁寧にご説明するなどコミュニケーションを重視しています。
【知子先生】年齢を問わず、歯の治療が好きな方はほとんどいないと思いますし、私もその一人です(笑)。ですから自分がされて嫌だと思う治療や対応はしないこと、患者さんが安心して受診できるよう笑顔でいることを心がけています。
地域連携も強めておられるそうですが。
【繁樹院長】災害時対応や在宅医療だけでなく、普段の診療から歯科と医科、薬剤師の協力はとても大切です。歯周病と糖尿病は、片方が悪化すればもう片方も悪くなるという悪循環で知られ、最近はオーラルフレイルも身体的フレイルと同様に考えられています。その他に睡眠時無呼吸症候群、副鼻腔炎の関連などが疑われる患者さんは、医科と連携して治療にあたっています。
最後に今後の目標をお聞かせください。

【繁樹院長】江戸時代の俳人の説く「不易流行」という言葉に倣って、本質的なものを忘れず、新しいものを受け入れていきたいですね。患者さんとの信頼関係を大切にする姿勢は変えず、時代が求める歯科医療に対応しながら、副院長の世代にうまくバトンタッチできればと思っています。
【慶祐副院長】ここ数年で歯科の世界はデジタル化が一気に進み、体への負担が少なく、短期間で終わる治療も可能になりました。さらに新たな技術を使いこなすため、私たち歯科医師、歯科衛生士も知識も高めながら、より良い歯科医療を患者さんにご提供していきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療:1本33万円~、セラミックインレー:3万8500円~、セラミッククラウン:6万500円~、マウスピース型装置を用いた矯正:55万円~、歯科用レーザーによる歯周病治療・歯肉のケア(自由診療の場合):2200円~、インプラントオーバーデンチャー:16万5000円〜 (すべて税込み)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。