予防歯科に取り組むメリットと
年代別のケアのポイントを解説
まさき歯科こども歯科
(名古屋市中区/金山駅)
最終更新日:2023/06/01


- 保険診療
虫歯や歯周病を防ぐための予防歯科は、広い世代に浸透しつつあるといわれている。一方で過去の経験から歯科医院の受診に抵抗感を覚えていたり、「何か問題があってから受診すれば良い」と先送りしにしたりする人もまだまだ少なくない。子どもをはじめ、成人患者、高齢者患者の診療にも取り組む「まさき歯科こども歯科」では、石井一成理事長を中心に、歯科医師、歯科衛生士などが連携し、予防歯科を軸とした診療を全世代に提供している。予防歯科のスペシャリストといえる石井理事長によると、一口に予防歯科と言っても、世代ごとにめざす目的などが異なってくるという。取材では、予防歯科に取り組む意義や、具体的に行うことなどについて話を聞いた。
(取材日2023年4月6日)
目次
歯の健康を守り続けるためにも、年代ごとに異なる予防歯科の内容を理解して家族みんなで取り組もう
- Q歯科医院で予防歯科診療を受けるメリットを教えてください。
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A
▲予防歯科に力を入れている「まさき歯科こども歯科」
歯周病などのトラブルの原因は主に細菌感染であり、トラブルの悪化などには生活習慣が深く関係しているといわれていて、歯周病は生活習慣病の一つに数えられるといえます。また、お口の中のトラブルは基本的に自己回復しないといわれています。つまり、まず定期的にクリニックを受診してお口の中をチェックすることが、健康を保つ上での大前提となるのです。「悪くなったら治す」という考え方が根深く残っていたことから、日本は他国と比べて予防歯科の発展に遅れを取っていますが、最近では国も歯周病などの予防の大切さを重視し始めて啓発に取り組んでいます。当院も予防歯科を重視した診療を行っているため、予防目的での受診が多いです。
- Q子どもの予防歯科の目的と内容を教えてください。
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A
▲虫歯や歯周病になりにくい口腔内をつくり上げることを目標とする
年齢にかかわらずめざすのが、機能的で虫歯や歯周病になりにくい、治療を必要としない口腔内をつくり上げることです。ただ、ひとくくりに子どもといっても、1歳と3歳と6歳では歯の数も違いますし、乳歯と永久歯が混在する時期もあるなど、大人と比べて多様性があり、診療では「口腔内の年齢」に合ったケアを行うことがとても重要になります。ブラッシングやフッ素塗布、シーラントなど必要な処置を施すほか、噛み合わせや歯列の問題がないかも併せてチェックします。また、「歯科医院にかかること」も将来を見据えるととても大事な習慣です。小さい頃から習慣ができていれば成長してからも継続しやすく、将来的な財産になると考えます。
- Q永久歯が生えそろった後の予防歯科の目的とは何でしょうか?
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A
▲歯を失うリスクを減らすためにも予防歯科は大切だ
永久歯が生えそろってからの成長速度は緩やかで、体の成長が止まる20代以降からはだんだんと歯を失うリスクが高くなっていきます。そのため予防歯科の目的も「歯を減らさないこと」にシフト。平均寿命が延びた一方で、口腔内の平均寿命はそれに追いついてないと感じます。全身もお口の中もどちらも健康的でいられるように、歯石や細菌叢の除去、ブラッシング、PMTCなどによるケアを習慣化するのがやはり大事です。また、かぶせ物を作製する際は歯磨きのしやすい形状にするなどの工夫も予防歯科につながります。最近多い、食いしばりや歯ぎしりも歯を失う原因の一つに挙げられるので、口腔周りの筋肉にアプローチすることもあります。
- Qどのくらいのスパンで受診したら良いでしょうか?
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A
▲定期的な受診がトラブルを防ぐことにつながる
子どもの場合は、1ヵ月に1度、長くても2ヵ月に一度は受診していただくのが理想です。例えば1ヵ月のうちに出っ歯になってしまうなど、短期間のうちに大きな変化が起こることが珍しくなく、変化の背景におしゃぶりが習慣になっているなど生活状況が関係していることもありますからね。定期的に受診していただければ時系列で変化を追えるため、トラブルもコントロールしやすくなります。ご高齢の患者さんも、全身状態の変化がお口に表れやすいので、なるべく月1回のペースで診療を受けていただきたいです。成人患者さんの場合は歯茎の出血具合や日々のケアの上手さなども踏まえて、6ヵ月に1度くらいまで延ばしていけるよう指導します。
- Q家族で一緒に予防歯科に取り組むほうが良いでしょうか?
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A
▲家族で一緒に予防歯科に取り組んでほしいと話す石井先生
口周りのトラブルの多くは細菌感染が原因で、人から人に感染します。言い換えると、一緒に暮らす人のお口がきれいな状態であれば、その分の感染リスクを減らすことができるのです。あと、細菌だけでなく日頃の癖も、家族に伝播するものなんですよ。例えば同居しているおじいさんが、歯がない状態のまま過ごしていて、日常的に片側だけでしか噛んでいないようだと、お孫さんはそれを真似するようになってしまいます。小さな子どもにとって、身近な大人は見本です。きちんと左右の歯でバランス良く噛んで食事をしていて、歯磨きをしている様子を目にしていたら、子どもにとってそれが当たり前になります。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。