竹本 治将 理事長の独自取材記事
竹本整形外科
(伊丹市/中山寺駅)
最終更新日:2026/09/02
伊丹市鴻池に位置する「竹本整形外科」。同院の理事長は、大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業後、まず脳神経外科で3年間研鑽を積み、その後整形外科へ転じた竹本治将先生だ。竹本理事長は、脳神経外科時代に、懸命に治療しても寝たきりになる患者や次第に足が遠のく家族の姿を目の当たりにし、患者が納得して帰れる医療を志すようになったという。やわらかな物腰でありながらも、リハビリテーションの充実や患者一人ひとりに寄り添う診療について、想いがあふれるように語る姿が印象的だ。2026年6月に新築移転したクリニックのロゴには「患者を支える」という思いが込められている。移転の経緯や念願だったリハビリ環境、見逃さない診療をめざす想いについて話を聞いた。
(取材日2026年8月7日)
脳神経外科での経験を糧に、患者を支える整形外科医へ
まずはクリニックの成り立ちからお聞かせください。

2007年に開業した当初は約60坪のクリニックでスタートしました。ありがたいことに年々患者さんが増え、特にリハビリへのニーズが大きく高まっていきました。整形外科のリハビリには物理療法と理学療法の2種類があるのですが、それぞれに十分なスペースを確保したいという思いがずっとあったんです。ただ、旧クリニックでは広さに限りがありましたし、建て替えとなると休診期間が生じてスタッフにも影響が出ますから、なかなか踏み切れずにいました。そんな折、たまたま真隣にあった土地を取得できる機会に恵まれまして、2026年6月に2階建ての新しいクリニックへ移転することができたんです。開業当初からリハビリの環境を充実させたいという思いがありましたので、長年の念願がようやくかなった形ですね。
先生が整形外科の道を歩まれるまでの経緯を教えてください。
大阪医科薬科大学を卒業後、最初は脳神経外科に進みました。救急の現場では脳出血などで命の危険がある患者さんを数多く診てきましたが、懸命に治療をしても寝たきりの状態になる方がおられました。当初はご家族も足を運んで見守ってくださるのですが、だんだんとその姿が見えなくなっていく。その現実を目の当たりにしたとき、患者さんやご家族が納得できる形で治療を支えられる医療に携わりたいと強く思うようになりました。加えて、関節の痛みや体の動かしにくさを訴える患者さんがいても、脳神経外科の立場では十分にケアしきれないもどかしさもありました。3年間やり遂げた後奈良県立医科大学の整形外科へ移り、その後スポーツ整形も約1年9ヵ月学んで、開業に至ったという経緯です。
新しいクリニックづくりでこだわった点を教えてください。

まず「待合以外はすべて広くする」「動線をスムーズにする」という方針を立て、受付や看護師にも一人ずつ意見を出してもらいながら、白紙の設計図から建築士さんにリクエストを重ねて作り上げました。大通りに面した2階建ての建物は、患者さんから「おしゃれな医院ですね」と声をかけていただくことも多いです。バス停が目の前にあり、駐車場も十分な台数を確保しましたので、通院しやすい環境が整ったと思います。新しいロゴマーク「TS」は、TがSを右肩上がりに支えるデザインになっており、患者さんを支えていきたいという思いを込めました。そして何よりこだわったのが2階の第2リハビリ室です。思い描いていたリハビリの環境を、ここで形にすることができました。
見逃さない診療をめざし、リハビリ環境にこだわる
どのような患者さんが来院されていますか?

お子さんから70代・80代の方まで、幅広い年齢層の方が来院されています。お子さんは骨折や肘内障の他、成長痛が心配で保護者の方が連れてこられることも多いですね。中高年以上では骨粗しょう症や脊柱管狭窄症、変形性関節症が多く、子育て中の方が肩凝りや腰痛で来られたり、スポーツをしている若い方が脱臼で受診されたりすることもあります。脱臼には再発予防のための装具を用いるなど、生活に合わせた対応を心がけています。骨折の治療ではしっかり固定して早期回復をめざすのが私のポリシーです。特に圧迫骨折は最初の1〜2週間が肝心で、放っておくと骨がつぶれてしまいますので、リュック型のギプスで早めに固定し、その後コルセットへ移行する治療を行っています。
検査や診察で、気をつけていることはありますか?
「見逃しがないように」というのが、私の診療におけるモットーです。例えば脊柱管狭窄症でよく見られる間欠性跛行という、歩いていると足がしびれてくる症状は、実は閉塞性動脈硬化症という血管の病気でも起こることがあります。判別が難しいため、当院では血圧脈波検査を全例で行い、血管側に問題があれば循環器内科にご紹介するようにしています。また、頭痛や手の動かしにくさで来院された方が、実は脳の疾患だったというケースも少なくありません。急に力が入らなくなったような場合は、まず脳神経外科を受診していただくようお伝えすることもあります。こうした判断ができるのは、脳神経外科にいた経験があるからこそだと感じています。遠回りした分、今の診療に役立っている部分は確かにありますね。
リハビリへの取り組みについてお聞かせください。

当院では物理療法と理学療法の2つを柱にしています。物理療法は機器を用いて痛みを和らげることをめざす治療で、理学療法は理学療法士や作業療法士が直接体に触れ、関節の可動域を広げたり筋力をつけたりすることをめざす機能訓練です。こだわったのは2階の第2リハビリ室で、天井窓から自然光が入る開放的な空間に、最大約30人が利用できる環境を整えました。ウォーターベッドも2台備えるなど機器も充実しています。運動器リハビリに加えて脳血管疾患等リハビリも行っており、パーキンソン病や脳梗塞後遺症のリハビリにも対応可能です。以前は介護保険をお持ちの方にはリハビリの日数制限がありましたが、制度改定により撤廃され、これまで制限で受けられなかった方にも対応できるようになりました。
一人ひとりに寄り添い、健康寿命を支えていく
患者さんと接する際に大切にされていることを教えてください。

患者さんの職業や家庭環境など、お一人お一人の背景はそれぞれ異なります。同じ腰痛であっても、痛み止めだけで十分という方もいれば、リハビリにじっくり取り組む必要がある方もおられます。大切なのは、その方が何を求めているのかを見極めて、それに合わせた対応をすることだと考えています。痛みの緩和や体の機能回復などの目的に応じて対応し、患者さんに満足して帰っていただくことが私のモットーです。気軽に足を運んでいただくことも大切にしており、当院ではウェブ予約をあえて導入していません。ネットに慣れていない高齢の方でもためらわずに受診できるようにとの思いからです。来院していただければそのまま対応しますし、初めての方はお電話でお問い合わせいただいても構いません。
今後、さらに力を入れていきたいことはありますか?
特に力を入れたいのは、理学療法士や作業療法士の増員です。現在は3人の体制ですが、6人まで増やすことを目標にしています。体制が整えば、リハビリ全体をより高い水準で提供できるようになりますし、対応できる患者さんの幅も広がります。せっかく広いリハビリ室を新設しましたので、その環境をフルに生かして、より多くの患者さんにリハビリを届けたいですね。機能の維持にとどまらず回復のレベルを上げていくためには、週に2〜3回の通院リハビリが理想だと考えています。そのためにも増員をしっかり進めていくことが重要です。新しいクリニックになって待ち時間も短縮されていますので、この環境を土台にさらに充実した医療体制を築いていきたいと思っています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

私のモットーは、健康寿命を延ばして寝たきりの期間をできるだけ短くすることです。平均寿命と健康寿命の間には開きがありますが、ロコモティブシンドロームと呼ばれる寝たきりになりかけの段階から取り組んで、元気でいられる時間を少しでも延ばしていきたいと考えています。歩きにくい、肩が上がりにくいといった症状でお困りの方はもちろん、ぜひ一度ご相談いただければと思います。骨折や捻挫など急な症状にもしっかり対応しており、きちんと治療して早く日常に戻れるよう、受傷時の処置からリハビリまで一貫して診ています。気になることがあれば、お電話での問い合わせでも直接の来院でも構いませんので、遠慮なくお声がけいただけたらうれしいです。

