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川原 健資 院長の独自取材記事

のぞみクリニック

(横浜市港北区/新横浜駅)

最終更新日:2025/03/10

川原健資院長 のぞみクリニック  main

新横浜駅から徒歩4分の「のぞみクリニック」は心療内科を中心に精神科、内科を併設し、心と体の健康が関連した症状に悩む患者にもトータルなサポートをめざすクリニックだ。川原健資院長は3つの診療領域それぞれの専門家で、働く人のメンタルヘルスケアにも精通。さらに同院には公認心理師も在籍している。「公認心理師は医師とは異なる観点から患者さんの検査やサポートができ、医師と連携してチームで診療できるのが強みです」と語る川原院長に、同院の診療方針や特徴を聞いた。

(取材日2024年11月27日)

他院とも連携し「心のからくり」が発端の症状に対応

心と体に関する3つの診療科を開設された理由をお聞かせください。

川原健資院長 のぞみクリニック 1

心と体は密接につながった「心身相関」の関係にあり、心理的な要因で体にさまざまな症状が現れることもよく見られます。私はこれを「心のからくり」と呼んで重視しています。実際の診察では心と体のどちらが本質なのかわからないケースも少なくありません。そのため内科は体の病気、精神科は心の病気、心療内科は心の問題により起こる体の症状を診るのが一般的ですが、当院ではこれらを明確に分けず、心と体の両面から健康な生活をサポートできる体制をめざしています。なかなか良くならない体の症状に対し、患者さん自身も自覚していない「心のからくり」が隠れていないかを見極め、身体医学とは異なる観点でアプローチすることで症状の改善に期待できる場合もあるんですよ。

「心のからくり」により、どんな症状が起きるのでしょうか?

頭痛や腹痛をはじめとした体の慢性的な痛み、しびれ、めまい、不眠、喉の詰まり感、動悸・息切れ、便秘・下痢など症状はさまざまです。消化器内科や脳神経外科などで各種の検査をしても体の異常が見つからず、心療内科で診て「心のからくり」に起因する症状と考えられるときは、不定愁訴症候群または自律神経失調症と言われることがあります。当院にも他のクリニックから「体の病気ではなく心療内科の領域ではないか」とご紹介いただくことも多いため、近年は地域医師会や医院同士の連携の会に参加して地域連携を強めています。また、自律神経失調症という名称から「自律神経に問題がある」と捉える方も多いのですが、一般的には家庭や職場をはじめ日々の生活から受けるストレス、不安や怒りの感情などに影響された心の問題が主な原因となっています。

ほかにどんな症状で受診される方が多いのですか?

川原健資院長 のぞみクリニック 2

うつに関連した症状での受診は非常に多いですね。うつ病の方もいれば、いわゆる「新型うつ」に該当する方、何となく憂鬱(ゆううつ)な気分が続いている、気分が沈むという、「うつっぽい」症状に悩む方などさまざまです。ただ、主訴がうつ症状であるとは限りません。例えば過敏性腸症候群は、主な症状は腹痛と下痢や便秘ですがきっかけは心理的ストレスにある場合が多く、前出の不定愁訴症候群も詳しく調べるとうつ病が原因のケースもあります。症状の出方も多様で、精神的ストレスがきっかけで体に不調が出る人もいれば、もともと別の病気を患っていて、状態が良くならないためにうつ状態に陥ってしまう人もいます。さらに治療に関しては、うつ病では脳の神経伝達物質の不具合が原因の場合、本人の性格的な問題や生活環境が絡んでいるケースなど複雑です。そのため単に薬だけを使えば良いわけではなく、慎重に治療法を考える必要があります。

公認心理師による検査やサポートも治療のカギに

こちらは公認心理師と連携して診療されると伺いました。

川原健資院長 のぞみクリニック 3

カウンセリングや心理検査を担当する公認心理師が在籍し、医師とは異なる観点から患者さんの検査やサポートができる点は当院の強みの一つです。心療内科では、体の不調の陰に隠れる「心のからくり」を見極めることも重要ですが、これは検査の数値で簡単に表せるものではなく、医師の経験や勘に頼る部分も出てきます。また短い時間では把握しづらく、通常の診察だけで適切に判断することは難しいといえます。そのため、当院では時間をかけた詳細なカウンセリングや心理検査で公認心理師にフォローしてもらうなど連携し、できる限り適切な治療が行えるよう努めています。

不定愁訴症候群や不安症などでは、どんな治療が可能ですか?

つらい身体症状や心の不安などを抑える薬物治療だけでなく、患者さんが現実に適応した行動に移行するための認知行動療法なども必要になります。例えば不定愁訴症候群は自律神経が悪いのではなく、症状の原因となる心の状態、家庭や職場といった環境が問題になる場合がほとんど。認知行動療法や環境の改善により、症状を緩和していく治療が重要です。必要なら勤め先の産業医と連携して職場の人間関係を調整することもありますね。一方、パニック症状で電車に乗れない方の場合、リハビリテーションとして実際に電車に乗って慣れていく行動療法も選択肢です。最初は付き添いの方と各駅停車の1駅から始めて、できたら次は2駅、3駅、そして急行に乗ってみましょう、と段階を踏んで進めていきます。いずれの治療も患者さんごとのオーダーメードで、一人ひとりに丁寧に寄り添って信頼関係を築き、その上で治療を進めることを大切にしています。

女性のメンタルヘルスケアにも注力されているそうですね。

川原健資院長 のぞみクリニック 4

妊娠中や産後の授乳中に、うつ症状に悩まされる女性は少なくないと思います。また、家事や子育て、介護、職場と家庭の両立に関する悩みから、心身に不調を来す女性は多くおられるでしょう。当院では豊富な経験を持つ医師が、その方の立場になって丁寧にお話を伺うとともに、専門的な知識に基づいて診療を行い、症状やご事情に合わせてお薬を処方しています。女性が受診しやすい雰囲気づくりにも努めていますので「こんなことを相談していいのかな?」と思わず、まずは話をお聞かせください。

心の悩みなどで困っている人は気軽に相談を

先生の診療時の心がけなどをお聞かせください。

川原健資院長 のぞみクリニック 5

私が心療内科の医師をめざしたのは、自分でも内科的な治療で体の不調が改善に至らない経験をしたためで、当院の名称も「心にトラブルを抱える方が『のぞみ』を持てるような診療をしたい」との思いで名づけました。ですから、心の悩みやそれによる体の不調に悩む方に早く受診していただけるよう、私のほかに複数の医師が在籍して診療する体制とし、初診に十分な時間をとることが難しい場合は複数回に分けることも考えて予約を受けるなど、フレキシブルに患者さんを診て迅速な受診をめざしています。私が目標にしたのは以前にお世話になったかかりつけの医師で、私自身もこの地域の皆さんのかかりつけの医師になれたらと願っています。

心の悩みはさまざまな世代で起きる問題ですね。

その通りです。私の著書『アラサー世代のこころの歪み―ポスト青年期の新しい患者さんたち』では、若い世代のストレスへの抵抗力が低下し、心が傷つきやすい、現実逃避しやすいなどの特徴が、「うつっぽい」症状として現れる傾向が目立ちます。しかも社会が多様化し、自分の力で進むべき道・やりがいを見つけるための選択肢が増え、試行錯誤をしなくてはならないつらさもあります。そんな自己不全感や倦怠を抱える人々の心について、私なりの見解を交えながら臨床経験に基づいた対応策なども記しています。一方、高齢社会の現代は認知症も大きな課題で、当院では患者さんだけでなくご家族も含めた診療に力を入れています。ご家族は介護疲れからうつ状態に陥ってしまう方も少なくありません。そのため、ご家族のメンタルヘルスにも注意を払うことで、無理のない治療、介護ができるようサポートできたらと考えています。

最後に心の悩みを抱える方にメッセージをお願いします。

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不定愁訴症候群に限らず心の状態が体の不調を招くことは珍しくありません。いろいろな診療科を受診して、検査を繰り返しても体の異常が見つからないときは、心療内科で心と体の「心身相関」の観点から診てもらうことも大切です。当院では「この症状だからこの薬」と最初から決めつることなく、症状の原因、どのようなアプローチが治療に有効的かをきちんと見立て、患者さんに合った治療をご提供するよう努めています。また、初診の患者さんもなるべく早く受診予約がとれるよう配慮していますので、心の悩み、原因がわからない身体症状にお困りの方は当院をご利用ください。

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