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安藤 嘉浩 院長の独自取材記事

あんどうこどもクリニック

(名古屋市天白区/徳重駅)

最終更新日:2021/10/12

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック main

住宅地の中を車で走っていくと、三角屋根のかわいらしい外観と、親しみやすい子どものイラストのロゴマークが目に入る。「あんどうこどもクリニック」はこの地で10年、街の発展とともに歴史を重ねてきた小児科クリニック。地下鉄徳重駅の開通、ショッピングセンターやマンションの開発によって、ベッドタウンとして急速に発展するエリアで、地域の子どもの健康と発育を支えている。今回は、アメリカの研究機関などでも経験を積んだ安藤嘉浩院長に、専門の感染症・免疫・アレルギー疾患に関して、また診療へのこだわりやポリシーについて語ってもらった。

(取材日2019年3月13日)

徹底的に感染対策にこだわったクリニック

少し変わった造りの院内ですね。こだわりを教えてください。

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック1

私はもともと感染症を専門にしており、開業するならクリニック内の感染対策は万全にしたいと考えていました。水ぼうそうなど感染力の強い疾患に対して、隔離室を設置するのはもちろんですが、予防接種に来院された方には専用の待合室を用意しました。通常の「風邪」多くの感染症は、1.5~2m離れていれば感染しにくいので、待合室をできる限り広く、天井を高くして空間を大きく設計しました。また、時間制予約にすることで患者さんが一つの時間に集中しないようにすることも、患者さん同士の「距離」をあけることに役立っています。

特にインフルエンザの時期は院内感染が気になりますよね。

インフルエンザが蔓延するシーズンは、「うつりたくないからクリニックにはあえて行かない」という方も少なくないのではないでしょうか。そうした不安を減らせるように、インフルエンザの時期には、発熱している人は、入口から別ルートで、個別の感染症隔離エリアへ誘導しています。一般の患者さんとは、あるいは発熱患者さん同士も接触しないように徹底的に動線を分けています。さらにインフルエンザと診断された場合には薬局に連絡し、連携して対応できるように工夫しています。こうした取り組みで、できる限り“クリニックでうつってしまった”という事例のないように気を配っています。前職のあいち小児保健医療総合センターでは、院内感染症対策を任されていたこともあり、そのノウハウを取り入れて体制を整えました。

待合室から望む中庭も印象的ですね。

待合室の中心をガラス張りの小さな中庭にして、日の光が差し込むようにしました。そこに私が選んだオブジェやイルミネーションを置き、季節ごとのディスプレーを楽しんでいただくようにしています。子どもたちもこの空間が不思議で気になるらしく、入ってきてすぐにガラスに近寄って眺めている子もいますよ。おもちゃのあるプレイルームはもちろん、授乳室を設けて、子どもが楽しく、保護者も安心してホッと過ごせる空間をめざしました。それからクリニックのロゴマークは、幼かった私の娘に原案を描いてもらい、それを私が書き直したものなんです。素人のイラストですが、患者さんや通りがかった人の印象に残ったり温かみを感じてくれたらいいなと思っています。

先生が医師をめざしたのはなぜですか?

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック2

まず、社会の役に立つ存在になりたいと思ったのがきっかけですね。それですぐ思いついたのが医師です。もちろんどんな仕事も社会の役に立っていますが、自分の手で直接人を救うという意味で、わかりやすく社会貢献できる仕事だなあと思ったんです。小児科の医師になったのは人の体を全部診られるジェネラリストでありたいと思ったからです。小児科の医師は呼吸器・循環器・消化器といった内科的な部分はもちろん、頭の先から足の先まですべて診療できることを要求されます。私の研修医時代の恩師は、まさにあるべきジェネラリストで、そういった先輩たちを見習いながら研鑚を積んできました。その後、さまざまな場所での勤務を経て専門性を磨き高めながらも、やっぱり「幅広く診たい、診なければ」という想いは強く、初心に戻ってこちらで開業したんです。

感染症や免疫アレルギー分野を主に質の高い医療を追求

先生は感染症や免疫の専門家として、アメリカでも研鑚を積まれていますね。

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック3

大学院修了後アメリカ食品医薬品局(FDA)に留学していました。日本でいえば、厚生労働省の医薬品、食品管理部門といった感じです。このFDAに付属する研究機関でウイルスや免疫について研究していました。貴重な経験を得て日本に戻り、その後、あいち小児保健医療総合センターでは、感染免疫科として子どもの感染症やリウマチなどの膠原病を専門として診療していました。

アレルギー疾患にも力を入れて診療しているとお聞きしました。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど、アレルギーに苦しむお子さんは少なくないですね。昨今では親の意識もかつてないほど高まっていて、何とかしてあげたいと来院する方も多いです。アトピー性皮膚炎についてですが、最近では積極的にステロイドを活用して治療を進めていく傾向にあります。一度しっかりと症状を治めてしまい、それから薬を減らしていくやり方です。そのほうがトータルで見るとステロイド使用量が少なくなります。特定の食べ物を食べた後、じんま疹等を発症する食物アレルギーも、実は肌のケアが重要なんです。

ケアについて具体的に教えてください。

乳児期の湿疹やアトピー性皮膚炎で肌荒れを起こした部分に食べ物がつくと、それが皮膚から吸収されます。体は皮膚から吸収されたものを異物とみなします。この異物がその後、口から入った時に起こる過剰反応が食物アレルギーを引き起こすといわれています。ですから乳幼児期には肌を清潔にして保湿し、角質きれいに保つことが食物アレルギーの発症予防につながります。乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの発症をトータルで考える必要があり、その意味でこの分野での小児科の医師の役割がより重要になっています。

喘息もアレルギーの一種と聞きました。

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック4

喘息はダニやハウスダスト等に対する呼吸器のアレルギー反応といえます。今の親世代が子どもの頃は、突然の激しい喘息発作に悩まされている子どもも多かったと思います。しかし、昨今は薬がどんどん進歩して普段の喘息コントロールが良好になったことから、ひどい発作を起こすことが少なくなっています。発作を起こしてからではなく、発作を起こさないように内服や吸入で予防的にしっかりコントロールしていくことが重要です。

親しみやすさを大切に、子どもにしっかり向かい合う

お忙しい毎日かと思いますが、先生のご趣味は何ですか?

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック5

趣味というほどではありませんが、時間を見つけて運動するように心がけています。実は勤務医時代は、その時間もなかったのでほとんど運動せず、座りっぱなしでした。それで足腰が弱ってしまって……。これでは駄目だと、開業後は時間をつくっては体を動かすようにしています。

クリニックのスタッフはどんな方々ですか?

看護師さんにはずっと長い間働いてもらっています。この辺りは道路や駅ができるたびに拓けていったので、その街の成長を一緒に見守ってきた仲間です。今や何も指示しなくても、きちんと患者さんに気を配ってくれますし、私の考えていることもしっかり先回りして動いてくれるので、頼もしくありがたいです。例えば、患者さん本人以外にご兄弟も一緒に連れられて来院することがあります。そうした時には、看護師さんが気をきかせてその子たちと遊んでいてくれるので、こちらは診察に集中することができます。皆さんベテランで、子どもにも慕われる看護師さんばかりです。本当に安心して任せています。

最後に先生のモットーを教えてください。

安藤嘉浩院長 あんどうこどもクリニック6

患者さんが診察室に入ってきた瞬間に感じるその子の第一印象って大事だと思うんです。「何かおかしい、何かある」と感じることがあって、そういうときは大きな病気が隠れていることがあります。だからこそ、患者さんをよく診て観察して、そうした違和感を見落とさないよう注意を傾けています。お母さんたちの直感も同じようなものだと思います。毎日子どもを見ているので、むしろもっと直感が強いかもしれません。そこに敬意を払い、気を抜かずに診察するようにしています。それから、子どもたちが怖がらないように、白衣は着用していません。小児科の医師なので、普通の服のほうが親しみやすいのではないでしょうか。もちろん衛生面には気を使っていますが、長年このスタイルでやってきました。小児に関することは何でも気になることがあれば、ぜひ相談に来てください。スタッフ一同お待ちしています。

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