全国のドクター9,008人の想いを取材
クリニック・病院 161,455件の情報を掲載(2020年2月25日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 半田市
  4. 住吉町駅
  5. ひいらぎこどもクリニック
  6. 植田 昭仁 院長

植田 昭仁 院長の独自取材記事

ひいらぎこどもクリニック

(半田市/住吉町駅)

最終更新日:2019/08/28

143326

愛知県半田市、幹線道路を1本入った住宅地に三角屋根が特徴の「ひいらぎこどもクリニック」がある。院内はおもちゃやぬいぐるみが少なく、小児科としては落ち着いた雰囲気。これには、「子どもの病気を治す病院として、責任感のある雰囲気にしたかった」という植田昭仁院長の思いが込められている。先生自身も子どもの頃にアレルギーや喘息で苦しんだ経験があり、同じ症状で苦しむ子どもたちを温かく支えてくれる。初めて担当した患者との思い出を話すときには、思わず涙ぐむほど患者思いの植田先生。注射や子どもたちへの対応の仕方も工夫している。そんな植田先生に、印象に残っている患者とのエピソードや、診療時に心がけていることを聞いた。
(取材日2017年1月26日)

担当した子どもとの出会いが小児科への道を決定づける

先生が医師をめざしたのはどうしてですか?

1

人に「ありがとう」と言われる仕事がしたいと思っていたからです。でも、実は高校1年生までは、医師には絶対にならないと決めていました。というのも、僕の父は医師で、いつも忙しい生活を送っていたからです。僕が小さい頃、休みの日に遊びに連れて行ってもらっても、父は途中で病院から呼び出されていました。遊んでもらえない寂しさがあったんでしょうね。こんな大変な仕事はしたくないと親にも宣言してたんです。でも、高校2年生で進路を考える時期、真剣に将来について考えていると、人に感謝される仕事がしたいと思うようになりました。そこで思い浮かんだのが医師、もしくは教師でした。そして、子どもの頃から身近な存在だった医師をめざすことに決めました。

小児科を選んだのはどんな理由からですか?

実習のときに受け持った子との出会いが大きいですね。僕が学生だった頃、5年目の途中から病院で実習を受けるようになりました。各診療科を順番に回っていくんですが、最初の時期に回ったのが小児科で、1人の難病の子どもを担当したんです。普通は実習が終わると次の科に行くんですが、僕は病院の許可をもらって、その後も週に数回この子の様子を見に行っていました。やがて卒業し、研修医になったときも、僕はそのまま小児科を選びました。そして、医師としてこの子の担当医になったんです。でも、その頃には症状が進行しており、コミュニケーションもできず寝たきり状態でした。受け持って10日ほどで亡くなりました。このとき、お母さんに「この子は先生に担当してもらうのを待っていたんじゃないか」と言われたのを20年たった今でも覚えています。つらい思い出ですが、この子との出会いが小児科一筋で歩んできた僕の原点ですね。

貴院の設計でこだわった部分はありますか?

2

当院は三角屋根が特徴で、外観はインパクトがあるかもしれません。でも、ぬいぐるみやおもちゃはあまり置いていないですし、小児科にしては全体的に落ち着いた雰囲気ではないでしょうか。これには、命を預かる病院としての責任感を表したいという僕の思いが込められています。当院にやってくる子どもやお母さんは、病気を治したいと願っています。そのために訪れる場所なので、見た目も落ち着きがあって信頼できる雰囲気が良いかなと思ったんです。そうした思いがあるので、僕はいつも診察時には白衣を着ています。もちろん、白衣を着ていると、子どもたちは緊張するかもしれません。でも、顔の表情や治療の方法で、子どもたちの緊張をほぐすよう努めています。

病気と付き合ってきたからこそ患者の気持ちがわかる

子どもたちは治療を怖がりませんか?

3

そうですね、特に注射で泣いてしまう子が多いです。こればかりは、白衣を着ていなくても、ぬいぐるみがあっても一緒です。泣く子は何をしても泣いてしまいます。でも、診察前から泣いている子は別として、注射のやり方次第では泣かないようにすることができるんです。たとえば、小学校に入る前に打つ予防接種があるんですが、そのときには「今度から小学校だよね。どこの小学校に行くの?」と聞いてみます。そして、「○○小学校」と答えている間に注射します。すると、構えていないからなのか、打ったあともあまり泣きません。こういうテクニックは、多くの患者さんを担当してきた中で覚えたんですよ。

診察時に心がけていることは何ですか?

最も重要なのは、病気を見逃さないことです。そのために、まずはお母さんの話をしっかりと聞きます。子どもは自分で症状を説明できないので、お母さんから状況を聞かないと把握できません。その後、聴診器で胸の音を確認します。お母さんも気づいていない症状が隠れている場合がありますので、皮膚科疾患で来院した場合を除き必ず確認しています。聴診器なら、普通は聞き取れないような音の違いがわかるので、病気の早期発見につながります。子どもと接するときは、腰を低くして、目線が子どもの頭くらいになるよう心がけています。そうすると子どもたちも話しやすいようです。また、お母さんに子どもの症状を説明するときは、できるだけ専門用語を避け、必ず覚えてもらいたいことを優先して伝えます。

どんな症状で通う子どもたちが多いですか?

4

冬の時期はインフルエンザが多いですが、全体的にはアトピー性皮膚炎や喘息が多いです。実は、僕自身アトピー性皮膚炎や喘息に悩まされていた経験があるんです。自分自身が苦労したことなので、卒業後に勤めていた病院でも多くの患者さんを診て経験を積んできました。当院では、アトピー性皮膚炎に関して特別な治療を行っているわけではありません。というのも、まずは塗り薬や飲み薬といった基本的な治療が大事だからです。いきなり強い薬を使うのではなく、肌を実際に触って表面の状態を確認したり、赤みをチェックしたりして適切な薬を処方します。僕自身が病気と付き合ってきた経験があるので、同じ悩みを持つ人の気持ちがよくわかります。これは僕の強みですね。

子どもの健康を願う親を助けるために医師がいる

スタッフにお願いしていることはありますか?

5

当院のスタッフは勤務歴が長い人が多く、開業から9年間一緒にやっているスタッフもいます。経験豊富で患者さん思いのスタッフばかりですので、私から何も言わなくても、率先して動いてくれます。たとえば、以前は診療室のモニターで待合室の様子を見て、症状が思わしくない子どもがいたら、先に処置室で休んでもらうようにしていました。しかし、最近では受付スタッフが子どもの異変に気づき、看護師に連絡してくれます。そこで看護師が症状を確認して、必要があれば処置室で安静にできるように手配します。万が一症状が悪化した場合は僕に連絡してくれます。当院には毎日多くの患者さんが来院されますが、これだけの人数に対応できるのは、スタッフたちのおかげですね。感謝の気持ちでいっぱいです。

今後の展望をお聞かせください。

ゆっくりと診察することと、患者さんの待ち時間を短くすることのバランスを取るのが、永遠の課題ですね。当院は予約システムを導入しているので、ある程度時間を考えながら来院していただくことが可能です。でも、本当は、一人ひとりともっとゆっくり話がしたいですね。治療で長く通われる人には、話す内容を分けるようにしています。たとえば、最初は病気のことについて説明し、2回目は薬の使い方や付加的な情報などを説明するといった具合です。お母さんに病気の正しい情報を知ってもらわないと、治療の必要性を理解できない場合があります。なので、初診時の説明には力を入れています。

最後に、子どもを持つ親御さんへのメッセージをお願いします。

6

子どもたちの病気には、軽いものから重いものまでいっぱいあるので、お母さんたちが心配するのは当然のことです。それでインターネットで調べることもあるかと思います。でも、お母さんたちだけでは正しい情報に行き着くことができないことも多いです。医師はそんな親御さんの手助けをするために働いています。近くの小児科に遠慮なく助けを求めてください。親御さんの中には、こんなこと質問したら怒られるのではないかと不安を感じる人も多いと聞きます。でも、初めての子育ての場合、知らなくて当たり前です。特に小児科では、何かの質問をして怒られるということはないので、どんなことでも気軽に質問してください。

Access