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竹澤 博人 院長の独自取材記事

たけざわ循環器内科クリニック

(名古屋市昭和区/八事日赤駅)

最終更新日:2023/05/15

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック main

「たけざわ循環器内科クリニック」は名古屋市営地下鉄名城線八事日赤駅1番出口からすぐ、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院と向き合う場所に立つビル3階にある。竹澤博人院長は、長年日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院に勤務し、急性・重症な心疾患の治療に数多く対応してきた。現在は、病院での急性期治療を終えた患者のフォローをはじめ、生活習慣病や風邪など一般内科診療にも対応している。「かかりつけ医であるとともに、循環器内科という専門性を生かし、病院の外来と同レベルの治療を提供していきたい」と竹澤院長。穏やかに話をする中で自然に何度も出てきた「患者さんのために」という言葉から、その真摯な思いが伝わってきた。

(取材日2023年4月14日)

救急の経験を生かした循環器内科をメインに一般内科も

2005年、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の真向かいのビルに開業されたのですね。

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック1

はい。大学卒業後、複数の病院に勤務しましたが、通算すると日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院が一番長いです。開業するきっかけは、当時、病院とクリニックの機能分化ということが言われるようになってきたこと。それ以前は、急性期治療を終えて状態が安定した患者さんも病院の外来で引き続き診ていましたが、病院は救急や高度な医療を重点的に、クリニックは症状が落ち着いた方の診療を中心に、という流れができはじめ、それなら病院勤務の長い自分が開業すれば、患者さんを中心とした病診連携がうまくできるのではないかと考えました。「日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院の外来部門になる」という思いもあり近くに場所を探した次第です。ちなみに下の階の内科クリニックは糖尿病が専門で、医師は私の同級生。糖尿病と心臓病は密接に関連することが多いので互いに協力しています。

どのような患者さんが来られていますか?

開業当初は日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院からの紹介が多かったのですが、今は他の病院や近隣のクリニックからの紹介、またクチコミやインターネットで検索して来られる方も多いです。専門である循環器内科をメインにしたいと考えて院名に「循環器」と入れたので、初診では動悸や息切れ、胸痛、不整脈の相談や健診で心電図が引っかかったという方が多いでしょうか。一方、「循環器」が「心臓」のこととはあまり認識されていなかったこともあり、過去には「皮膚の血の循環が悪い」と悩んで来られる方もおられました。そのように自分の専門でない疾患の場合は、まずお話を伺った上で適した専門の医療機関にご紹介します。

心臓疾患はもちろん、幅広く対応してくださるのですね。

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック2

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院では、救急の現場で狭心症や心筋梗塞の急性・重症なケースに数多く対応してきましたので、循環器に関してはその経験を生かし、病院の外来と同じレベルの診療を行うことができると自負しています。しかし循環器以外は診ないということではなく、町の開業医として患者さんを広く受け入れ適切な医療機関につなぐ「ハブ」の役目も果たしたいと思っていますので、来られた方にはすべて対応しご相談に乗っています。そもそも高齢になると心臓の病気だけではなく複数の病気を持っている方が多いので、患者さんを全人的に診るという視点を大事にしています。

不安払拭のために丁寧な説明を心がける

診察で気をつけておられることはありますか?

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック3

循環器内科の病気は、患者さんが感じる症状と、病気の危険度や重要性があまりリンクしていないことがあるのです。例えば「脈が飛ぶ」などは多くの場合、心配ないといえる状態です。とはいえ、心臓の病気は命に関わるというイメージが強く、患者さんは大きな不安を抱えておられますので、診察ではその不安を払拭し安心していただけるように、なぜ心配ないのかを丁寧に説明するようにしています。中には「もう年だから」とか「先は長くないのでは」などとネガティブになっている方もおられますが、とにかく今は生きている。それに目を向けて、「今、何をするべきか、今できることを大切にしていきましょう」というふうにお話ししています。

逆に、心配な症状というのも気になります。

こういう症状と言いきるのは難しいのですが、不整脈で危ないのは気を失うことです。今はAEDが普及していますが、心室細動といって心停止状態ですぐ電気ショックが必要な場合は非常にリスクが高いと思います。クリニックでそうした症例に遭遇するのは少ないですが、これまでに気を失ったことがあるという方にはお話を掘り下げて聞き、ホルター心電図をつけてもらうなどして病気を分類していきます。その結果、アブレーション治療やペースメーカー治療が必要となったり、てんかんの可能性がある場合は神経内科に紹介したりします。心筋梗塞の一歩手前でもある不安定狭心症は心電図ではわからないことも多く、生活背景を細かくお聞きしていく中で必要となれば、問診からの判断ですぐ病院へ、と紹介もします。対話はとても大事で、普段の生活のことまで患者さんから率先して話されることはないので、こちらからお話を引き出すように心がけています。

まさに循環器内科専門のクリニックならではと感じます。

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック4

循環器疾患は生命を左右するようなこともあるため、しっかり判断し、迅速に必要な治療に結びつけることが求められます。自分の診断に基づいて患者さんを治療するところにこの仕事のやりがいがありますね。ゆっくり調べていけばいいのか、緊急性を要するのか、そうした難しさもあるので、開業医として何でも診るという中でも専門性は軸にしていきたいです。診断して患者さんを病院に紹介する際は、病院では患者さんが多くて外来にそれほど時間をかけられないかもしれないことも考え、治療内容や術後についてできるだけ詳しくお伝えするようにしています。

専門性と先進の知識に基づいた治療の提供をめざす

こちらの診療理念はどのようなことですか?

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック5

開業時より「プロフェッショナリズム」「サービス」「ホスピタリティー」の3つを柱としています。患者さんにとって「頼れるお医者さん」とはどのような医師かを考えたとき、「優しくて何でも話を聞いてくれる」というのは大事なことですが、やはり医療を行う以上、専門的な知識と技術を持ち病気をしっかり診断できることが最も重要なことは間違いないと思うのです。それが「プロフェッショナリズム」ですね。そのため自身の専門性を高めていくことと責任を持つことを常に心にとめています。「サービス」「ホスピタリティー」は日本語にすると同じような意味になるのですが、患者さんへのケアと、病気の治療以上のおもてなし、つまり患者さんが何を望まれているのかお気持ちをくみ取り、それに応える対応をクリニック一丸となってめざしているということです。

スタッフの方々についても教えてください。

当院は15年以上、同じ顔ぶれでベテランがそろっています。受付2人に看護師1人、そして心電図や超音波検査など生理検査を担当する臨床検査技師が2人います。年齢は30~50代で私が一番年上になるのですが、お子さんが私の子どもと同い年というスタッフが複数いるのです。それで子どもが小さい頃はみんなで家族そろって集まり遊んだこともありました。仕事の場ではそれぞれの職務をしっかりこなしていてチームワークも良く、誰かが休んだときは、他のスタッフがその分を自然にカバーしてくれています。みんな穏やかな人なので、新しいスタッフが入ったとしてもなじみやすいと思いますよ。

読者へのメッセージをお願いたします。

竹澤博人院長 たけざわ循環器内科クリニック6

心臓の病気は、高血圧や糖尿病、動脈硬化など生活習慣病の段階から絶えず経過観察していくことが重要になります。食事や運動の指導があっても健診で引っかかっても放置する、といったことが続くと後に大きな病気につながることも考えられますので、適当にせず、早めに相談していただきたいと思います。高齢になると「年だから治療はもういい」という方もおられますが、年齢関係なく治療を頑張っていただきたいですね。心臓の病気の治療法は、すごい勢いといって良いほどのスピードで進歩しています。今は難しい症例でももしかしたら10年後は治療可能になっているかもしれません。ですから自分も勉強を続けてアップデートに努めていますし、患者さんにも先進の治療を享受していただきたいと思っています。

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