働く子育て世代の強い味方
子どもの急病時は病児保育の利用を
橋野こどもクリニック
(佐賀市/佐賀駅)
最終更新日:2026/06/15
- 保険診療
共働き世帯が増える中、働く子育て世代にとって、子どもが病気になった際の預け先は切実な問題だ。病児・病後児を預かる体制整備に取り組む自治体もあり、運営は医療機関や保育所、社会福祉法人などに委託されるケースが少なくない。中でも「医療併設型」は、地域の病院やクリニックに設けられるため、保護者にとって安心感が大きいだろう。「橋野こどもクリニック」に併設された「ぞうさん保育室」もその一つ。感染症の子どもとそうでない子の入り口を分け、隔離室を設けるなど工夫が施された施設だが、その存在が十分に周知されていない現状がある。「働かれているご家族だけでなく、子育てするすべてのご家族に頼ってもらいたい」と思いを語る橋野かの子院長に、病児・病後児保育室について詳しく聞いた。
(取材日2026年5月29日)
目次
働く子育て世代をサポートする「医療機関併設型」の病児・病後児保健室
- Q病児・病後児保育室とはどのような施設ですか?
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A
▲クリニックの2階に病児・病後児保育室がある
お子さんが病気で、保育園や幼稚園で預かってもらえない時、小学校へ通学させることができない時に利用していただく施設です。共働きで、ご両親が仕事に行かなくてはいけない場合はもちろんですが、ご兄弟・姉妹の行事や役所に行く用事がある場合も預けていただけます。よくあるのは、上の子が病院を受診する予約がある時に、下の子が発熱したというケースです。ご家族が体調不良で、病気のお子さんを抱えるのが難しい場合でも、「使っていいんだよ」とお話ししました。「家族のサポートができたら」という思いがあるので、育児をされている方自身が子育てで疲れている時や予定していた用事を済ませたい時なども利用していただければと思います。
- Qなぜ病児・病後児保育室の運営を始めたのでしょう?
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A
▲連日の預かりや外科疾患にも対応している
当院が開業したのは約20年前になりますが、それよりも以前、開業前に勤務していた北九州の病院で、病児・病後児を預かる施設の設置が検討されていました。当時はまだ病児保育の体制が十分に整っておらず、そうした取り組みは先進的なものだったと思います。「病児保育は究極の子育て支援だ」と言われていたことや実現に向けた取り組みが強く印象に残り「将来、やってみたい」と考えるようになりました。開業の際、佐賀市で病児・病後児を預かる施設を探していたこともあり、開業と同時に「ぞうさん保育室」を設けました。象は母系家族で、年長のメス象が群れを率いて、水場へと導きます。そういう象の家族のイメージが、保育室名の由来です。
- Q「ぞうさん保育室」の特徴について教えてください。
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A
▲アットホームな雰囲気の「ぞうさん保育室」
当院の保育室は「医療併設型」です。以前は急性期が終わり、2~3日後には幼稚園や保育園に行ける病後児しか預かれませんでしたが、現在は発熱初日の急性期から預かることができます。お子さんのお世話をするのはの保育士で、座薬や投薬は看護師が対応し、鼻汁吸引や呼吸状態が悪い時には医師が保育室やクリニックで処置を行います。クリニック内の病児保育は、必要な医療行為に対応できる点が大きな特徴です。また、症状が変化した際に迅速な判断ができることも大きな安心につながります。当院ではお弁当と飲み物を持参していただくため、手間に感じる方もいるかもしれませんが、アレルギーの観点では安心していただけるのではないでしょうか。
- Q病気の子どもを預けることを躊躇するご家族もいるのでは?
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A
▲佐賀市では生後2ヵ月から小学校6年生までの子どもを預けられる
佐賀では祖父母と同居されていたり、近隣に住まわれていたりするご家庭も多いので、お子さんをよく知る人に預けたり、病気の時くらい側にいてあげなければと思われることもあるでしょう。しかし、病児保育では安心して利用していただけるよう、事前登録の際にお子さんの体調や基礎疾患の有無などを確認しています。例えば、熱性けいれんの既往がある場合、けいれん止めを積極的に使うのか、少し様子を見るのかなど、ご家族ごとの対応方針も事前に確認します。当院に通院されている方の中にも、病児保育施設があることを知らなかったという方は少なくありません。必要な時の選択肢の一つとして、もっと気軽に活用していただければと思います。
- Q実際に子どもたちが過ごす環境について教えてください。
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A
▲感染症対策のため、隔離して過ごせる部屋も備えている
開業の際は、施設のガイドラインを参考につくりました。新型コロナウイルス感染症の流行前は大部屋の中に2つの隔離室を設けていましたが、大部屋を通らなければ入れなかったため、現在は改築して隔離室へ直接入れるようにしています。また、隔離室にはそれぞれトイレを併設し、排泄物からの感染を防いでいます。2026年の4月から生後2ヵ月から小学校6年生まで預かることができるようになり、大きい子たちが静かに過ごせる専用スペースを用意。連日のお預かりや外科疾患にも対応しており、骨折したお子さんを長期にわたってお預かりすることも可能です。それぞれのお子さんに適した保育に努めています。

