肉眼の約20倍の大きさで確認できるマイクロスコープ。口腔内の「見える化」で、患者の納得感にもつなげる

Qマイクロスコープはどのような時に使うのですか？

A

▲精密な検査、治療に注力する高田院長

当院ではまず初めに、患者さんのお口の状態を確認するためにマイクロスコープを活用しています。その他にも必要に応じて、口腔内写真撮影、エックス線検査、歯周組織検査、唾液検査、口腔機能検査などを行って資料を作成。その結果を総合的に見て治療計画を立てていきます。保険診療・自由診療のどちらの提案もいたしますが、治療でマイクロスコープを使用するのは原則として自由診療の場合のみです。当院で導入しているマイクロスコープは、肉眼の約20倍の大きさで患部を確認できるもの。明るいライトで見やすい環境のもと、精密な治療が可能となります。

Q自由診療での治療は、保険診療とどのように違うのですか？

A

▲治療イメージなどの説明には大きなモニターを使用

保険診療と自由診療では、使用する材料や治療の作業工程に違いがあります。細かな工程で行う自由診療は保険診療よりも時間をかけて行うことが多く、一つ一つの作業が緻密です。材料の選択肢が増えたり費用面も変わってきますから、それらを理解していただくためにも、必然的に事前の説明も細かく行うことになりますね。一人の患者さんに向き合う時間が保険診療よりも長いです。このように保険診療と自由診療で差は生じますが、患者さんが求めるものは人それぞれ。保険診療も自由診療も選択肢の一つと捉え、納得して治療を受けてほしいと思います。

Qマイクロスコープを使う具体的なメリットを教えてください。

A

▲根管治療をする上で非常に有用な歯科用マイクロスコープ

例えば虫歯ですと、削る量をしっかりと把握できることで削りすぎてしまうリスクの大幅軽減につながります。これは感染した歯髄を取り除くための根管治療でも同様です。また歯周ポケットが一定以上の深さになってしまうと、場合によっては歯茎をめくるような外科処置が必要です。大がかりな治療になってしまうのですが、マイクロスコープで細部まで確認できれば、そのような外科処置をしなくても汚れの除去を図れる可能性があります。当院では2017年にマイクロスコープを導入したのですが、それまでは「患部が見えにくい」ことで不便を感じたこともありました。マイクロスコープの導入で、妥協のない治療ができるようになったと感じています。

Q視認性の向上の他に、マイクロスコープの特徴はありますか？

A

▲ユニットにはマイクロスコープを備える

撮影や録画ができることです。この機能は患者さんへの説明の際に大いに役立っています。先ほど、治療前検査のマイクロスコープの活用について挙げましたが、口腔内の状態を患者さん自身に見ていただければ「なぜその治療が必要なのか」を納得していただけるでしょう。同じように、治療の様子を撮影したり、治療前後の比較を見ていただいたりすることも患者さんの納得感につながると思っています。治療中、患者さんは何をされているのか不安でしょうし、歯の奥の状態をご自身で見ることは難しいですからね。撮影された写真や動画を見てその状態に驚いて、治療へのモチベーションにつなげていただけたらうれしいですね。

Q診療の際に、先生が心がけていることをお聞かせください。

A

▲技術の研鑽を欠かさず、質の高い治療を提供するよう心がけている

カウンセリングに十分な時間をかけて、患者さんのご希望に沿った治療内容を、丁寧に時間をかけて行っています。これはマイクロスコープを使った治療に限ったことではありませんが、マイクロスコープを使うような精密な治療ならばなおさらのことです。患者さんがどのような治療を選んでも対応できるよう、マイクロスコープの操作についても深く学んできました。また治療を終えてもそれで終わりにせず、患者さん一人ひとりの症状に合わせたメンテナンスを提供し、治療後の良い状態を保てるよう、歯科衛生士とともにサポートしています。