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磯貝 光治 院長の独自取材記事

やぶたこどもクリニック

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2024/02/02

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック main

岐阜県庁から少し南、広い駐車場に囲まれた場所に「やぶたこどもクリニック」はある。院内へは靴を脱いで入るスタイルで、院内の一部には床暖房が整備され、子どもが座って遊べる自由な空間が用意されている。磯貝光治院長は、大学病院勤務時代子どもの救急患者を受け入れる医療機関が少ないと感じ、2005年に大学の同期である田下秀明副院長と同院を立ち上げた。2人が交替しながら診ることでクリニックを開けている時間を長くし、地域の働く子育て世代を支えている。磯貝院長は「少子化の今、周りに子どもも少なく、自分の子どもが正しく成長しているのか気にされる親御さんが多くなりましたね」と話す。保護者の小さな不安もなくしたいと語る磯貝院長に、同院の特徴や診療で大事にしていることなど話を聞いた。

(取材日2024年1月11日)

医師2人の交代制で長い診療時間をカバー

開業までの経緯を聞かせてください。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック1

大学を卒業してからずっと、大学病院で勤務しておりまして。大学病院ですから、基本的には重症患者さんが多いのですが、その中で、やはり救急患者も受け入れるんですね。当時、一次救急といわれる軽症の救急患者の受け入れ施設が、岐阜市はあまり整っていませんでした。大学病院の救急に風邪のお子さんが運ばれてきたり、休診の多いお正月などは切れ目なく軽症の患者さんがやってきたりして、当直業務が回らなくなってきてたんです。そうしたことが続いて、やはり一次救急といわれるところは開業医が担うべきではないかなと思うようになりまして。長い時間診療できるクリニックをつくろうと、同級生の田下先生に話をしたら、「ぜひ一緒にやりましょう」と賛同してくれて、2人で開業することになりました。

医師2人が交代制で診療している点が、大きな特徴ですね。

そうですね。開業が2005年ですので、もう19年、医師2人の交代制で診療を行っています。一般的に共働きの家庭が増えましたし、特にこの辺りは共働きの方が多い地域でもありますので、夜や朝早めの時間帯しかクリニックに来られないという方もいらっしゃるんですね。そういう方々に対応したいと考えましたが、1人ではちょっと難しいだろうと思って、田下先生に声をかけたわけです。僕と彼は、性格は全然違うんですよ。彼のほうがこつこつまじめにやるタイプで、僕は外に出ていきたいタイプ。そういう2人だから逆にいいのかもしれないですね。

交代制はどんなメリットがありますか。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック2

医師が交代で勤務して、長い時間帯、クリニックを開けておくことができるところです。平日は8時から12時と16時半から20時半まで開けています。その間の時間帯には、予防接種と乳児健診の時間をつくっています。一般診療の時間と分けることで、院内感染の予防につなげているのです。乳児健診は完全予約制で行っています。岐阜市は1歳半と5歳健診が公費で行えるので、そういった方がいらっしゃいますね。交代制のもう一つのメリットは、1人ではどうしても迷ってしまうような症例に対して、医師同士で相談できることです。1人では判断しきれないものが、相談することによって、「こういう考え方もあるんだな」と別の見方を知ることができます。そこは医師が複数いることの大きなメリットだと思います。

小児がんを専門に経験を積んだ大学病院時代

設備には何か特徴はありますか。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック3

診察室は4つあります。原則は医師1人で診ており交代制としていますが、患者さんが多いときは2部屋を使って二診制にします。3番目、4番目の部屋は、感染症の患者さんの隔離用。例えば水ぼうそうの患者さんがいる場合など、院内感染しないように、こちらの部屋を使用します。それと、院内は土足厳禁で、お子さんが直に座って遊べるように、床暖房にしています。また、駐車場は1台分の枠を広めにとっています。最近大きな車が多いので、ドアをバンと開けても隣の車とぶつからないようにするためです。当院は県庁のそばにあり、主要道路がちょうど重なるところにありますので、車で通院しやすい場所だと思いますよ。それから、設備ではないのですが、クリニックのロゴにブタのイラストを使っているのも特徴といえるかもしれません。これは副院長が考案したんですよ。院名の「やぶた」は地名から来ているのですけれどね。

医師をめざしたきっかけと、小児科選んだ理由を教えてください。

僕も副院長も、家族や親戚に医師はいないんですよ。高校2年生ぐらいの時、社会貢献するには何を仕事にしたらいいかと考え、医師を選びました。たぶん僕は文系脳なので、法学部に行こうかなと考えることもあったんですけれども。当時はちょうどバブルのピークの頃で経済学部や法学部などの文系出身者が驚くような好待遇を受けていた時代でしたからね。でもそれはいっときのものだし、それよりも医師のほうが社会貢献できるのでは、と思ったんですね。「社会貢献」が僕の通っていた高校の校訓でもあったのです。田下先生も同じ思いだったと思います。専門を選ぶに際し、外科は向いてないと思っていました。内科系で考えたときに、小児科は治って当たり前とみられがちな、ある意味厳しい世界だと感じ、そういうところに身をおきたいと思いました。子ども1人の命を助け、その後60年、70年と続く人生を送れるようにサポートできればとの思いがあります。

どういったご経験を重ねてこられたのでしょう。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック4

もともとの専門は血液腫瘍です。僕が大学に入った翌年に、岐阜大学で骨髄移植を行うことになりまして。そのスタッフとなり、非常に貴重な手術を経験しました。その数年後、血液腫の小児患者さんの担当となり、いろいろな小児がんの患者さんを僕と1~2年目の若い医師とで診ていました。当時は、大学を出てまだ数年の僕が先頭に立たないといけないという時代でした。同じ専門の先輩がいないので、ほかの大学の先生に電話で「こういう患者さんはどうしたらいいですか」と聞きながら、勉強会にも行って、たくさんのことを学んだ時期でした。また、大学病院勤務時代に、ドナーを検討する患者さんの相談に応じる活動も始め、現在もその活動は続けています。

些細なことでも小児科へ気軽に相談を

心がけていることは何ですか。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック5

お子さん、親御さんの不安を取り除くことでしょうか。お子さんの日常の小さなことが気になるという方もいますので、そういった皆さんに安心してもらい笑顔で帰っていただくことが一番大事だと思います。よくいわれる「病気には厳しく、人には優しく」というのを念頭に置きながら、例えば治療中、注射などで泣いてしまうお子さんに対しても、顔を見て声をかけながら診療するように心がけています。

最近のお子さん、親御さんについて、感じることなどお聞かせください。

クリニックには、以前はお母さんが連れて来られるのが当たり前でしたが、最近は忙しいお母さんに代わってお父さんが連れてくるケースも多いんです。そうすると、「いつから熱がありますか?」と聞いても、「さあ、よくわかりません」と言われて、診断に困る場合もあるんですね。やはり、お子さんのご様子については家族間で共有して来ていただけるとありがたいです。それと、ここ最近の傾向で、親子でスマートフォンを使われていることが多く、待合室などでも2歳、3歳のお子さんにスマートフォンで動画を見せているんです。家でもそうされているのかなと思いますが、動画共有サービスなどの映像は、どうしても画面展開が早いですよね。それは子どもにはあまり良くないのではと僕は思いますので、節度を守って見せていただければと思います。

患者さんや読者へ、メッセージをお願いします。

磯貝光治院長 やぶたこどもクリニック6

時代が変わっても、子育てというのはやっぱり変わらないと思います。ただ、今の時代は周りに子どもが少なくなってきている。それで、少ない子どもに目が行くようになってきて、些細なことでも気になる方が多いのだと思います。小児科というのは、そういう悩みの一番身近な相談場所ですので、「こんな小さなこと」と思わずに、遠慮なく来てもらえればと思います。また、子育ては親育てという言葉があるように、子どもと一緒にいる時間を大事にしてほしいですね。子どもは子どもで、大人は大人でそれぞれスマートフォンを見ているという光景があまりに多いような気がします。10代後半になると当然子どもは親から離れてしまうので、それまでの十何年間、子どもと一緒に何をしたか? と振り返ったとき、スマートフォンを見ていただけではあまりにも残念です。なので、お子さんと一緒に遊んであげてください。今しかできないことですから。

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