伊藤 織恵 院長、伊藤 誠 副院長の独自取材記事
こどもの歯科
(目黒区/祐天寺駅)
最終更新日:2026/01/16
祐天寺駅から徒歩1分、虹が描かれたかわいらしい看板が目印の「こどもの歯科」。小児歯科を専門に20年以上のキャリアを持つ伊藤織恵(おりえ)院長と、夫で一般歯科を担当する伊藤誠副院長が、地域に住む家族の健康な口腔環境づくりを親身にサポート。親子同時に行う「ファミリー受診」を推奨する他、産まれてくる子どもの健やかな成長のために、妊娠前や妊娠中から行う口腔ケアの重要性も発信している。院内は水族館がモチーフの明るい診療室、絵本に出てくる森をイメージしたというかわいらしい待合室など、子どもがわくわくする仕掛けがいっぱい。温かなまなざしで地域の親子を見守り続ける2人に、同院が取り組む「マイナス2歳からのお口育て」や、足や姿勢など全身の状態を考慮する診療スタイルなどについて話を聞いた。
(取材日2025年9月1日)
他職種と連携し、地域の親子の健康を包括的にケア
こちらは親子そろって受診する患者さんが多いそうですね。

【織恵院長】「こどもの歯科」と名乗っているので、その名のとおり小児歯科専門の歯科医院だと思われがちなのですが、当院では親子一緒に診る「ファミリー受診」をお勧めしていて、お子さんは小児歯科専門の私が、お父さんお母さんの治療は一般歯科が専門の副院長がそれぞれ担当します。お子さんと保護者の方に隣同士のユニットに座っていただき、同時に診察します。お子さんだけでなく親御さんのお口の中も見せていただくことで、ご家族の嗜好品や歯磨きの癖などを知ることができますし、親御さんの歯並び、歯数、歯の質、過去の治療や矯正の既往、アレルギー既往などを踏まえることで、将来お子さんに起こり得るトラブルを予測し、予防につなげることもできます。
中には、妊婦の方も多くいらっしゃるのだとか。
【織恵院長】お子さんの成長や健康には、胎児期の栄養状態や乳幼児期の過ごし方が大きく関わっています。特に、妊娠してからの1000日間が重要だと言われていて、当院では「マイナス2歳からのお口育て」に力を入れています。具体的には、これから妊娠を望まれる方や妊娠中の方を対象に、お口の検診の他、ミネラルやビタミン、鉄、カルシウムなどの栄養状態をチェックし、必要に応じて管理栄養士がアドバイスを行っています。妊娠中に鉄やカルシウムが不足していると、生まれたお子さんが将来的に虫歯になりやすいといわれています。また、各種ビタミンもお子さんのお顔の形成に影響してくるとされているため、調べておくことが大切です。妊娠後期や出産後は忙しく、どうしても歯科医院に通うのが難しくなりますから、妊娠前や妊娠初期の段階でご相談いただけるのが理想ですね。
出産後も、さまざまな形でサポートされていると聞きました。

【織恵院長】お子さんの顎の成長は生後すぐに始まり、急速に進んでいきます。しっかりとした顎を育てることは、将来的に整った歯並びにつながりますので、歯の有無にかかわらず、早い段階で受診していただきたいです。産まれてすぐのお子さんとお母さんには、助産師と連携しながらお口のマッサージのアドバイスや授乳支援などに取り組んでいます。当院の2階にあるセミナー室では、これまで歯に関することはもちろん、子どもの発育全般や子育てに関するセミナーも開催してきました。管理栄養士や助産師など他職種と連携し、お子さんの成長を包括的に見守りながら、お母さん達が気軽に相談いただける場所づくりにも努めています。
姿勢や足の使い方、態癖にも着目し、改善を促す
口の中だけでなく、足の指の使い方や姿勢など全身を把握するアプローチで診察されるそうですね。

【織恵院長】体の姿勢が悪いと、歯並びや噛み合わせにも悪影響が出やすいのですが、正しい姿勢でいるために大きな役割を果たしているのが足です。私は最近の子どもは転倒しやすいなと感じていて、理学療法士とともに全身を把握するということに取り組んできました。子どもの時に足の5本の指をしっかり使って足の働きを整えないと、骨がずれ込んで体のバランスが失われて転倒しやすくなるとされ、その結果として歯のけがにつながることも考えられます。また、まっすぐな姿勢で立てないと筋肉のバランスが崩れ、全身の歪みが歯並びにまで影響することも。ちまたでよくいわれる指しゃぶりや頬づえ、爪噛みなど、生活の中で無意識にやっている癖も歯並びや噛み合わせを悪化させる要因になり得ます。当院ではその他、舌の位置や鼻呼吸ができているかなどを細かくチェックして、改善のためのアドバイスをさせていただいています。
無意識の癖を直すのは、子どもにとってはなかなか難しそうです。
【織恵院長】当院では、こうした無意識の生活習慣「態癖」についてのアドバイスに開業当初から注力してきました。2020年には、私の長年の夢でもあった態癖をテーマにした子ども向けの絵本を発行することができました。うつぶせ寝をする猫や爪を噛むパンダなど、かわいらしい動物たちの姿を通して好ましくない態癖によって歯並びや噛み合わせ、顔立ちにどのような影響が現れるのか、子どもが怖がらないようなソフトな表現でお伝えする内容です。絵本に登場する動物たちと同じ癖がなかなかやめられずにいる子にとっては、読みながらちょっとドキドキしてしまう場面もあるかもしれませんが、親子で楽しく読んで、態癖を意識するきっかけにしてもらえたらいいですね。
開業から15年、院内の設備も充実していますね。

【誠副院長】精密な診療ができるよう、歯科用CTや口腔内3Dスキャナーなどの大型機材、さらに感染対策として、世界でも厳しいとされるヨーロッパの滅菌基準をクリアする滅菌器も導入しました。中でも口腔内3Dスキャナーは、「マイナス2歳からのお口育て」に取り組む上で、赤ちゃんの口腔内の撮影や型取りにとても役立っています。また、子どもたちに対する診療中の説明にも3D画像を導入しましたので、より真剣に話を聞いてくれたらと思います。口の中の現状に興味を持つことを通じて、子どもはもちろんご家族全員の歯の健康に対するモチベーションが高まっていくのではないでしょうか。
四季とともに歯科への通院習慣を定着させてほしい
成人の診療を行うにあたって、特に意識していることは何ですか?

【誠副院長】妊産婦さんを診療する機会が多くあるのですが、出産や育児についてなど、それぞれに何らかの不安を抱えていらっしゃると思います。ですから、治療中は少しでもストレスを感じさせないように気をつけているつもりです。この地域はもともと歯の健康に対して意識の高い方が多いのですが、どちらかというとお子さんの歯並びなどの治療を優先したいというお気持ちが強く、ご自身の噛み合わせなど気になることがあっても積極的な治療は見合わせがち。せっかく歯科医院に来ているわけですし、成人矯正など近頃は治療の選択肢も増えていますから、気軽に相談していただきたいですね。
お二人にも3人のお子さんがいらっしゃるそうですね。
【織恵院長】はい。そのため患者さんとの会話の中で、発育や習い事に関することなど、ちょっとした子育て相談のようになることもあります。私自身の経験も踏まえて、気軽に相談していいんだよという雰囲気を大切にしています。お母さんたちは毎日本当に忙しいですから、歯科医師に指摘されたことをつい忘れてしまうことだってあると思います。「お父さんお母さんが何度でも相談できる歯科医院」で今後もあり続けたいですね。ちなみに、そんな両親の姿を見てか、長男は今、非常勤の歯科衛生士として診療を手伝ってくれているんですよ。次男も昭和医科大学で勉強に励んでいるところで、将来一緒に働けるのを楽しみにしています。
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

【織恵院長】小さい時から家族で歯科医院に通う習慣があれば、その子どもたちがやがて親になった時、自分の子どもにも同じような形で通院習慣を定着させていくことができるのではないかと期待しています。大人が、忙しい中でも通院して自分の歯をきちんとケアしている姿を子どもに見せることで、親御さんから予防の姿勢を伝えていってもらいたいというのが私たちの願いです。
【誠副院長】当院ではハロウィーンやクリスマスなど季節感を意識した飾りつけをしていますが、そこには家族の何げない会話で四季を感じる中で、「そろそろまた歯医者さんに行かなくちゃね」といった具合に、通院習慣を定着させていきたいという思いも込められています。「四季とともに歯科がある」そんなライフスタイルが広まっていってほしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツマウスガード作成/8800円~、成人矯正/82万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

