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青戸 一伯 院長の独自取材記事

ふくいちクリニック

(米子市/岸本駅)

最終更新日:2022/05/18

青戸一伯院長 ふくいちクリニック main

米子市郊外の町、福市の国道181号線沿いにある「ふくいちクリニック」。院長の青戸一伯(かずのり)先生は脳神経外科を専門とし、母校の島根大学医学部附属病院をはじめ、いくつかの病院で救急医療に携わってきた。2002年に地元の鳥取県で開業。内科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科を標榜する。エックス線やCT、リハビリスペースなど設備や施設を充実させ、検査、治療からリハビリテーションまで対応できるよう体制を整えている。穏やかな雰囲気で「小さな不安や不調でも相談してほしい」と話す青戸先生に、脳神経外科を専門に選んだいきさつ、脳神経外科が対応できるさまざまな症状について、また頭痛や認知症の不安を持つ人へのアドバイスなどを聞いた。

(取材日2022年4月22日)

脳神経外科の専門性と一般診療の両面で地域医療に貢献

この米子市で開業されたいきさつをお聞かせください。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック1

もともと私は隣町の伯耆町出身なんですよ。私が専門性を磨いてきたのは主に救急で、頭部に外傷を負った方や脳卒中で搬送されてくる方たちの脳の緊急手術に携わっていましたから、当初、この専門性を生かした医療は個人クリニックには向いていないと思っていました。けれども患者さんと向き合っていくうちに、脳の医療は手術だけではなく術後の管理も大切だと気づいたのです。脳疾患で倒れる方は高血圧や高脂血症、糖尿病など他にも病気を抱えていることが多くあります。それらの病気も考えながら治療を進め、全身管理をしていかないと脳疾患が再発するケースもあるのです。そういった経験から内科の勉強もするようになりました。そんな時に縁あって、こちらで開業しないかという話をいただきましたので専門の脳神経外科や勉強してきた内科にも対応する地域のクリニックを作っていきたいと考え、2002年に当院を開業しました。

患者さんの年齢層やよくある主訴を伺いたいです。

この地域でも少子高齢化が進んでいることもあり、高齢の患者さんが主流です。そのため高血圧や糖尿病などの生活習慣病のコントロールのために通院されている方が多いですね。また、開業当初からリハビリテーションの設備を充実させていたので、腰や肩、膝に痛みのある方も通っていらっしゃいます。救急医療を担当していた頃は整形外科領域の診察もしていましたので、その経験を役立てていきたいですね。また、新型コロナウイルス感染症が流行してからは別棟を発熱患者さん専用の診察室に改造して、動線を分け、診療や検査に対応しています。それから風邪やおなかが痛いといった一般的な内科の症状も診察していますので、何でも相談していただきたいです。

医師をめざしたきっかけや脳神経外科を専門に選んだ理由をお教えください。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック2

きっかけは中学時代に新聞で、大けがをした方の難しい手術が成功したという記事を読んだり、天才的な医師が主人公の漫画を読んだりして「かっこいい職業だな」という、子どもらしい発想だったと思います。脳神経外科を専門にしようと決めたのは、医学部に入学して尊敬できる脳外科の教授に出会ったことでした。私が「救急医療に携わりたいと思っています」と話したところ「救急車が到着したら、まず呼ばれるのは脳外科だよ」と言われたんです。事故や脳卒中で意識障害を起こしている患者さんを最初に診るのは脳外科の医師だという意味でした。難しい分野だけれど、やりがいがありそうだと思いました。そのきっかけをつくってくれた恩師の写真を今もデスクに置いているんですよ。

つらい片頭痛、めまい、肩こりも相談してほしい

どんな症状がある時に脳神経外科や脳外科を受診したらいいのでしょうか。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック3

頭に関する症状なら幅広く対応していますので、頭痛、めまい、肩こりなど何でも相談していただきたいです。ありふれた症状だと思われがちな頭痛や、頭とは関係のなさそうな手足のしびれも脳疾患が原因の場合があります。手足のしびれで整形外科を受診した方が、実は脳梗塞やくも膜下出血を発症していたり、脳腫瘍が見つかることもある話なんですよ。ですから不安があれば「こんなことで脳外科に行ってもいいだろうか」などと思わずに受診してください。診察の結果、脳に異常がなく、整形外科領域の痛みやしびれだとわかっても、当院でそのままリハビリテーションを受けていただくこともできますよ。

頭痛を市販薬でしのいる人は多いと思います。

頭痛で仕事や学校を休めない時に市販薬を上手に活用するのは構わないのですが、市販薬に頼り過ぎて頭痛が慢性化してしまうケースがあります。そういう患者さんには正しい市販薬の飲み方をアドバイスしています。また、近年はパソコンやスマートフォンを長時間、同じ姿勢で見続けているのが原因と思われる頭痛を訴える方が増えています。頭や肩の筋肉の緊張状態が続いて、筋肉が神経を締めつけるために痛みを感じるもので、緊張型頭痛と言います。これが後頭部の筋肉に起きると後頭神経痛といって、ビリビリと電気が走るような痛みを引き起こすことがありますので、パソコンやスマートフォンを使う方は時々、休憩をとって筋肉の緊張をほぐすようにしていただきたいですね。

片頭痛と一般的な頭痛はどう違うのでしょうか。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック4

片頭痛はこめかみのあたりが脈を打つように強く痛み、吐き気をもよおす方もいらっしゃいます。痛みの前兆があることが多く、典型的なものは閃輝暗点(せきしょうあんてん)と言って、強い光が見えた後に視界が暗くなる現象です。また、頭痛が始まると光や音に敏感になる傾向があり、窓やカーテンを閉め切った部屋の中で寝ている方もいます。このように患者さんにとって、つらく、日常生活に支障を来すことの多い頭痛なのです。頭痛に悩む患者さんが受診された時は片頭痛なのか、先ほどお話しした緊張型頭痛や後頭神経痛なのかを見極めて治療にあたることが大切です。ご自分の頭痛がどのタイプなのかを知れば、薬や生活習慣の改善である程度、コントロールしていけるようなケースもあります。「頭痛持ちだから仕方がない」と思わず、まずは医師に相談しましょう。

認知症の不安、頭部外傷の診察にも対応

高齢化が進んでいますので、認知症の不安を持つ人が多いのではないでしょうか。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック5

そうですね、相談は多いです。ご自身で「私は認知症ではないでしょうか」と来院される方もいらっしゃいますが、ご家族が異変に気づいて付き添って受診されることもあります。今のところ認知症の根本的な治療法は確立していませんので、できるだけ進行を遅らせていけるように、ケアを受けていただくことになります。その一つがデイケアやデイサービスに通ってレクリエーションやリハビリテーションに参加することです。家の中に閉じこもらず、出かけて刺激を受けることをお勧めしたいです。デイケアやデイサービスを利用するには要支援認定や要介護認定を受けて役所に申請する必要がありますので、診察の結果、認知症と診断した場合は申請に必要な「主治医の意見書」を作成しています。認知症は急に進行するケースは少ないですから、ご家族が認知症ではないかと感じることがあった段階で、アドバイスを受けていくのがいいでしょう。

頭部のけがにも対応してもらえるのでしょうか。

はい、頭部の外傷や打撲にも対応しています。よくあるのは、お子さんが転んだり、高いところから落ちたりして頭を打ったと親御さんが連れていらっしゃるケースです。不安だと思いますが、お子さんが痛がって泣いている時は心配要らないことが多いので落ち着いてくださいね。ただし一時的にでも意識を失うことがあれば脳がダメージを受けている場合がありますのですぐに受診していただきたいです。また、頭を打った後、何か様子がおかしいと感じる時も早めに相談してください。これらはお子さんに限らず、どの年代の方も同じです。

患者さんや読者へのメッセージをいただけますか。

青戸一伯院長 ふくいちクリニック6

患者さんの悩みによく耳を傾け、安心し、納得していただけるように努めています。スタッフは10年以上勤めてくれているベテランばかりなので、私の考えを理解して同じ気持ちで患者さんに接してくれているようです。また、2週間に1度、外部から消化器内科の医師が出勤しておりますし、必要だと診断した方には適切な医療機関を紹介していますので内科の症状も気軽に相談していただきたいです。高齢や病気のために通院できない患者さんの往診もしています。ご本人やご家族から「最期は自宅で過ごしたい」と希望されて看取らせていただくこともあります。地域のクリニックとして、皆さんが安心して暮らせるように貢献したいと考えています。

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