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水野 淑子 院長の独自取材記事

たかくら小児クリニック

(刈谷市/逢妻駅)

最終更新日:2022/02/24

水野淑子院長 たかくら小児クリニック main

JR東海道本線の逢妻駅より徒歩10分の住宅街。15台分の駐車場を有する広い敷地に立つのが「たかくら小児クリニック」だ。地元出身の水野淑子(としこ)院長が2005年に開院した、小児科・アレルギー科を標榜するクリニック。待合室には、子どもの体に合わせた低いベンチが並び、カラフルな色合いに統一された楽しい雰囲気となっている。診療では白衣を着用しないという水野院長は、患者本人の治癒力に着目し、点滴や注射、投薬を過剰に行わないことをモットーとする。また一時期は専業主婦として子育てに専念した経験から、診療の合間に保護者の子育て相談にも応じることもあるという。医師でありながら、気さくな“先輩ママ”の雰囲気も漂う、明るく話好きな水野院長に、育児への熱い思いと小児科診療で大切にしていることなどを聞いた。

(取材日2022年1月14日)

患者を適した医療につなげるための道しるべに

先生はいつも白衣を着ていらっしゃらないそうですね。

水野淑子院長 たかくら小児クリニック1

はい。子どもに緊張感を与えないように、2005年の開院以来、ずっとこのスタイルです。院内の待合室も楽しくなるよう、室内の色調や窓のデザインも私が選びました。温かみのある木の椅子や、地元のお年寄りが作った木のおもちゃ、患者さんがプレゼントしてくださった玩具もあります。知多に本社のある大手家具メーカーのものもありますよ。残念ながら現在は感染予防のために一時的に撤去していますが、新型コロナウイルスの流行が収まったら、また院内に置いて大切に使わせていただこうと思っています。私は近所に実家があり、この地で生まれ育ちました。今でも地元愛が強くて、この地に開院しましたし、外食もショッピングも近くで済ませるくらいなんです(笑)。

どのようなお子さんを診察されているのですか?

かかりつけ医として、どんな症状でも困ったことは何でも相談に来ていただいています。風邪や皮膚のトラブル、ケガや脱臼など、こちらで可能なことは対処し、手に負えない場合は基幹病院や近くの専門クリニックをご紹介しています。地域のクリニックの役割は、患者さんに最も適した医療を受けてもらうための道しるべになることだと思っているので、院内で抱え込まないようにしています。また、子どもは病状を詳しく話すことが難しいので、診察室に入ってきたときの様子や表情で軽症か重症かの察しをつけ、そこを足がかりに詳しく診ていきます。水曜日の午前中は完全予約制にして、予防接種と乳児健診の時間に。働いている親御さんのために、診察開始前と後の時間の診療にも対応しています。

近頃は、感染症予防を気にされている親御さんも多いと思いますが、いかがですか。

水野淑子院長 たかくら小児クリニック2

皆さん、手洗いやマスク着用をして気をつけているので、風邪などの感染症患者は減ってきています。でも、新型コロナウイルス感染症の流行もあり、やはり受診される際は心配ですよね。患者さんがそれほど過密になることはありませんが、玄関周りを中心に換気に気をつけています。また発熱患者さんのために、相談室と隔離室の個室を用意しています。診療や薬の受け取りまでの時間は自動車で待機していただいたり、場合によっては車内での診察にも対応しています。お子さんに熱がある時は、直接来院せずに、事前に一度お電話をいただけますとスムーズに対応できます。

過剰診療をせずに、本人の治癒力を生かす

医師として大切にされていることを教えていただけますか?

水野淑子院長 たかくら小児クリニック3

お子さんへの診察や治療を行うだけではなく、親御さんの心理面をフォローすることも大切にしています。私は勤務医時代に、子育てに専念するために10年近く医療現場から離れて専業主婦をしていました。その経験から、お母さんたちが悩んでおられること、例えば、子育ての不安、ママ友達との付き合いなどを実感として理解できます。今は近くに相談できる人がいないことが多いので、「子どもの機嫌が悪い」「他の子と比べて成長が遅い」などの話を聞いてあげると、涙をこぼされる方もいますね。私は大した人間じゃありませんが、いろいろな経験を一通りしてきたので、「私はこうだった」というお話をすることはできます。そこは女性医師の特権とも言えますよね。そうして親御さんの気持ちが安定すると、子どもにも安心感が生まれると思います。

他に診療で心がけられていることはありますか?

難しい言葉は使わず、構えずに自分らしく話すようにしています。そして、お子さんには、自分で言えることはしっかり話してもらうように心がけています。「診察を受けている時はきちんと向き合ってお話ししたい」という思いを込めて、お子さんにもできるかぎりお声がけをするようにしていますね。また、重い症状のお子さんを持つ親御さんには、事実を誠実にお伝えし、気休めの言葉をかけるというより、どのような治療をすればよいのか、道筋を立てて不安材料を取り除くことを大切にしています。あとは過剰な点滴や投薬はしないように。特別な病気を除いて、一般的な風邪や腸炎などは、本人の治癒力が備わっているので、脱水症状などにならないよう気をつけていれば、自然に回復へ向かうことが多いんです。

印象に残る患者さんのエピソードがあれば教えてください。

水野淑子院長 たかくら小児クリニック4

当院に3年ほど通院していた子が引っ越した後に、あいさつに来てくれたことがありました。「とても好きなクリニックだった」と言ってもらい、たいへんうれしかったですね。また、患者さんから感謝の言葉が聞けた時は、「ああ、医師をしていて良かった」と思いました。患者さんの中には「将来、お医者さんになりたい」と言ってくれた子どもさんもいて、うれしく思いました。自分の若き日を思い出して、エールを送りたい気持ちです。思い返すと、さまざまな患者さんとの出会いがありましたが、中には重大な病気が潜んでいる場合もあるので、見落とすことがないように丁寧な診療を続けていかなければと身が引き締まります。

意外と短い子育て期間をともに頑張っていきたい

なぜ、小児科の医師になられたのですか?

水野淑子院長 たかくら小児クリニック5

最初は医学部をめざしていたわけではなかったのですが、大学受験時、予備校で知り合った方が「医師は社会のためになる職業だから」とお話ししているのを見て、医師に惹かれ、医学部を受験することを決めました。その後、愛知医科大学医学部に進み、研修医となってからは県内の心身障害者コロニーの新生児科を診て回り、半年間、小さな子どもとたくさん接したことが転機となりました。その後もいろいろな病院で研鑽を重ね、アレルギーを専門に研究されている先生に出会い、勉強させていただきました。現在、開業している私にとって、ここ刈谷市の医師会は診療科を超えたつながりがあり、かけがえのないものです。先生方を地域医療をともに支える同士のように感じ、心強く思います。

最近の状況はいかがでしょうか。

以前は、近くの温泉に出かけてのんびりしたり、コンサートや歌舞伎鑑賞などに出かけたりしていましたね。今もじっとしているのが苦手で、オン・オフともに忙しくしている状況です。最近ですと、新型コロナウイルスの感染拡大がありましたが、刈谷市で新型コロナウイルスワクチンを接種できる医療機関が少なく、高齢の方も含め多く受け入れさせていただきました。通常の診療に加えての対応なので、ピークの時期は本当に忙しかったですが、地域の皆さまのためにという思いで一心不乱に対応しましたね。また、ステイホームの時間も昔から読みたかった児童文学を読んでみたり、家庭菜園に精を出したりしていました。常に何か行動をして忙しくしていると、活力が湧いてくるタイプですね。

お子さんとの接し方について、読者にアドバイスをお願いします。

水野淑子院長 たかくら小児クリニック6

共働きなどライフスタイルも変わりつつあるので、子どもと接する時間がたとえ短くても濃度を大切に、スキンシップをするなど、しっかりかわいがってあげることが大切だと思います。そして、子どもの個性をよく見て、人前では叱らずに、褒めてあげること。さらに言えば、口を出さずに気長に「待つ」ということでしょうか。子どもに勉強させたかったら、自分も一緒に勉強して、環境をつくりながら「待つ」。親だって成長過程なので、内容が間違っていても、愛情を持って接すれば、子どもも理解してくれます。子どもと近い距離で接し、手をかけてあげられる期間もほんの数年のこと。当院を駆け込み寺にしてもらっても構いませんので、長いようで短い子育ての時間を一緒に楽しみましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

予防接種/3500円~

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