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高橋 佳文 院長の独自取材記事

たかはし耳鼻咽喉科クリニック

(豊中市/少路駅)

最終更新日:2019/08/28

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「たかはし耳鼻咽喉科クリニック」へは大阪モノレール線の少路駅から北へ徒歩約3分。1階にドラッグストアが入った医療ビルの2階にある。院長の高橋佳文先生は、出身高校の理念に掲げられている「Men for others, with others(他者のために生きる人間、他者とともにある人間)」を大切にして、より良い地域医療に貢献することをモットーとしている。また、受診頻度が高い耳鼻咽喉科への通院負担を軽減するため、時間予約システムを採用。患者同士が長時間接することがなく、院内感染の予防にも役立つという。医師としてのこだわりや地域医療にかける思いについて、高橋先生に話を聞いた。
(取材日2019年2月28日)

臨床と基礎研究で研鑽を重ねる

まずは先生の生い立ちについて伺います。

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現在は東広島市と呼ばれている地域で生まれました。広島の中でも内陸のほうで、子どもの頃周りは田んぼばかりでした。父は教師で農家を兼業していましたので、家族や周りから医師を勧められたことはありませんでした。高校生の時は理系の進路として、医学部にするか、工学部にするか悩んだのですが、最終的に人と関わることがしたいと思って医学部へ進みました。

耳鼻科を選ばれたのはなぜですか?

耳鼻科の領域には、手術など外科的な診療も、薬を使った内科的な診療もあり、いろいろなことができるという点に惹かれました。内科や外科のような大きな診療科ではないので、あれこれできるというイメージもありました。同じ理由で耳鼻科を選んだ先生も多いと思います。実際に耳鼻科に入ってみると、イメージしていたとおりで、いろいろなことに対応する診療科でした。

医師になられた後、大学院に進まれたそうですね。

大学在学時代から基礎研究にも取り組みたいという思いがあり、市民病院で2年間の研修を終えた後、母校の大学院に入学しました。研究テーマに選んだのは、脳の中枢について研究をする神経生理学です。動物を使ってめまいに関する中枢神経路の神経伝達物質について研究しました。大学院を修了後は市民病院での臨床を経験し、母校の大学病院に助手として戻るのですが、カリフォルニア工科大学にも留学して、今度は聴覚に関する中枢神経路の解析に関する研究を行いました。この際、研究に使ったのがメンフクロウで、当院のシンボルマークにもこのフクロウを使っています。また、待合室の時計は鳥つながりで昔ながらの鳩時計にしています。鳩が出る時間が近づくと、前で待っている子どももいます。

その後は、大学病院や市民病院で中耳炎の手術などを多く執刀されたと聞きました。

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留学から母校の大学病院に戻った時に、神経生理学を学び聴覚を専門的に研究してきたということで、中耳炎に対する鼓室形成術などに関わることになりました。こうした一連の研究、臨床と平行して、医学部卒業の翌年からずっと途切れることなく関わったのが大学病院の幼児難聴の外来です。0歳児からの難聴を診断し、当時はまだ人工内耳があまり普及していなかったので補聴器のフィッティング、さらに聴覚支援学校に進んだ後もフォローしました。お子さんの耳が聞こえないということを保護者に伝えるのは私の役目で、その事実をすぐには受け入れられないご家族への配慮には心を砕きました。その頃に診た子どもたちは、もう20代後半から30代になっていて、今も何人か通ってきてくれます。

幅広い層のさまざまな症例に対応する

現在の場所に開業された理由を教えてください。

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勤務した大学病院も市民病院も近いというのが理由です。耳をはじめ多くの手術を手がけており、手術を受けた患者さんを術後何年かはフォローする必要があったからです。この周辺で開業できる場所を探し、この医療ビルに空きがあったので決めました。今では周囲にはたくさんのマンションが建っていますが、開業した2006年当初は建物がまだほとんどない状況でした。

どんな患者さんが受診されますか?

開業した頃は小さいお子さんが中心でしたが、時間とともに変化して、お子さんは少しずつ減ってきています。この周囲のマンションや住宅は、賃貸ではなく分譲が中心ですので、年月とともに患者さんの年齢層も上がります。当時赤ちゃんだった子どもたちは中学・高校生なので、もう中耳炎では耳鼻科には通ってくれません。ただし、転勤などで移ってこられる世帯は一定数あるので、今も乳幼児の受診は多数あります。一方、年配の方も遠方からも知人等の紹介で来られることが増えてきて、小さなお子さんからご年配まで幅広い年齢層の方が受診されています。

手術が必要なケースも多いのでしょうか。

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睡眠時無呼吸症候群に対する口蓋扁桃摘出術、声帯ポリープ等に対する喉頭微細手術、副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術、中耳炎に対する鼓室形成術など、ここでは手術はできませんので、病院へ紹介することになります。勤務医時代にはこれらの疾患に対する数多くの手術を経験してきましたので、適切な診断をして、診断結果に見合った病院と速やかに連携することが可能です。術後のケアに通ってこられる患者さんもおられ、必要な処置だけを病院で行った後、定期的に病院に通っていただきながら当クリニックで術後のケアを行うというケースもあります。

受診しやすいよう時間予約システムを導入

検査についてはどのような考えをお持ちですか?

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検査を行わないと的確な診断をして治療を進めることができないと考えており、必要な検査であれば積極的に行います。特に感染症が疑われる場合は、溶連菌、アデノウイルスなどの迅速検査にも力を入れています。専門とする聴覚に関しては、防音性能に優れ、大きく広いので車いすのまま検査も可能な聴力検査室を設け、きちんと看護師または医師が検査を施行します。ファイバースコープも、録画機能を有する電子スコープの他に、乳幼児にも使用できる細径のスコープも用意しています。いずれも、検査を行った際には、その検査の意義を結果とともに説明します。

薬についての先生の考えを聞かせてください。

抗生物質などの抗菌薬は細菌感染した場合に有用な薬ですが、ウイルス感染で起こる風邪症候群には効果が期待できません。しかし、実際には“風邪には抗生物質”という認識が今でも根強く、抗菌薬の使い過ぎによって薬に耐性を持つ細菌の増加が大きな問題となっています。耳鼻咽喉科で扱う疾患でいうと、急性咽喉頭炎、急性扁桃炎は、細菌感染によるものか、ウイルス感染によるものなのか判断が難しく、抗菌薬が必要な症例とそうでない症例を確実に鑑別するために、迅速検査を行います。抗菌薬の適切な使用については患者さんになかなか理解してもらえない部分もありますが、しっかり情報を提供していく必要があると思っています。クリニックのホームページに、これらに関する説明を記しています。

予約システムを採用されていますね。

皆さんもそうだと思いますが、私自身、待つことが嫌いなのです。耳鼻咽喉科の診療は一度で終わるということが少なく、症状に応じた複数回の受診が必要となるケースが大半です。忙しい現代人に受診のたびに長く待ってもらうことはできないので、開院時から時間予約制を導入しています。待合室が混み合わないことで、院内感染の予防にも役立ちます。耳鼻咽喉科は感染症で受診される患者さんが多いので、院内感染の防止が大切です。多くのお子さんが受診するのにキッズコーナーを設けていないのは、接触感染を防ぐためです。

そういった想いから時間予約制を導入していたんですね。最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当初は「耳鼻咽喉科診療で時間予約制なんて無理」という声が大半でした。しかし、季節や感染症の状況、曜日などに合わせて、一定時間に診療する患者さんの人数を調整しています。今では、さまざまな事情で少し待っていただくこともありますが、待ち時間ほぼゼロで進行できる日もあります。もちろん、予約システムを機能させるためには、スタッフにも慣れが必要で、無駄なく動くことも求められます。そして何より、患者さんが時間どおりに来てくださること、ルールを守ってくださることが大切です。これがないと、予約システムも混乱してしまいます。予約制のおかげで待合室が比較的空いているので、飛び込みで来られる方もおられますが、よほど急を要する場合でない限り、予約での診療とさせていただいていることをご理解ください。皆さまに気持ち良くかかっていただくために今後もスタッフ一同、努力していきたいと思います。

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