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永田 一彦 院長の独自取材記事

ながた内科クリニック

(北九州市若松区/折尾駅)

最終更新日:2022/01/06

永田一彦院長 ながた内科クリニック main

JR折尾駅から車で10分の場所にある「ながた内科クリニック」。風邪などの軽い症状から生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群などまで幅広く対応している同院を束ねるのは、さまざまな疾患に対応してきた永田一彦院長だ。「血液内科、内分泌内科などでは難しい症状も診てきました。患者さんと接することが好きなのだと感じ、開業したんです」と優しい口調で話す院長。先輩医師から言われた「患者さんの言葉を信じること」という言葉を胸に日々診療にあたっている。訪問診療にも対応しており、今後は病院やケアマネジャー、調剤薬局、訪問看護ステーションとの連携をさらに密にしていく必要があると考える院長に、診療の際に大切にしていること、同院の特色などを聞いた。

(取材日2021年11月16日)

地域患者の「医療の相談窓口」という役割を担う

先生が医師をめざしたきっかけや、どんなことを学ばれたのかなどお聞かせください。

永田一彦院長 ながた内科クリニック1

予防接種に行くのが苦手じゃない子どもだったんです。「なんで他の子は泣いているんだろう?」と思っていて、それに加えて先生たちの白衣や聴診器への憧れもあったんだと思います。なので小学校高学年の頃には医師になると決めていました。産業医科大学に進学し、卒業後は第一内科に入りました。第一内科は、内分泌内科や膠原病、血液内科、腎臓病など幅広く診る科。創設した先生ご自身も総合診療を体現しているような方で、何を質問しても答えてくれるような知識もおありでした。その薫陶を受けたこともあり、私自身も自然と総合診療を志していきました。特に血液内科で診る白血病や悪性リンパ腫は、進行すると心臓、腎臓、肝臓、肺にも影響が出てきますから、その必要性を感じたのです。

本当に幅広く診て来られたんですね。

開業を決めたのは、研究ももちろん素晴らしいけれど、自分が好きなのは患者さんと接することだと感じたからです。「ながた内科に行けば何か教えてくれる」という場所にしたいと今も思いながら日々診療にあたっています。例えるなら「医療の相談窓口」でしょうか。もちろん当院でやれる範囲内であれば対応しますが、「心臓であればこの先生がいいだろう」と大きな病院で検査が必要になったとしても、どの病院に行くかは患者さんと決めます。懇意にしている紹介先は多いのですが、それを提示した上で「ご自身のお住まいに近いほうが土地勘があるのであれば、こちらの医院がいいと思います」など、利便性を踏まえた上で、患者さんに選んでいただくようにしています。患者さんがどうすればいいのかの道筋を整えるのも、かかりつけ医の役割だと考えています。

患者さんの層はどうでしょうか?

永田一彦院長 ながた内科クリニック2

周辺は住宅地であり、市営住宅や県営住宅もあり、若い方から年配の方までさまざまです。やはり高齢の方は多めで、それに伴って高血圧や糖尿病、高コレステロール血症などの相談も多いですね。開業して15年以上たち、開業前に勤めていた病院時代からの患者さんもいますから、日々気をつけているのは「新しい目で診る」ということです。「この方はいつもこうだから大丈夫」と診察してしまうと、重大な見落としをしてしまう恐れもあります。これは初診であっても同様です。先輩医師に言われ、今でも大切にしているのは、「患者さんの言葉は必ず受け止め、信じなさい」という言葉。医師にとっては突拍子もない内容であっても、本人がそう感じているのであればそれは事実です。もし医師が否定してしまうと患者さんはクリニック、病院に足を運ばなくなり、いずれ大きな病気を見落とすことにもなってしまいますから。

調剤薬局などと連携し、患者の生活をしっかり診ていく

そういった点も踏まえ、紹介などを行っていくのですね。

永田一彦院長 ながた内科クリニック3

どなたでも「もし何か大きな病気があったら怖い」と思うものです。しかし心配しすぎて精神的にまいってしまうよりも、検査をして何もないことがわかる、もしくは何かあったとしても早いうちの対処法がわかれば、結果的に心もすっきりし、QOL(生活の質)も上がるものだと考えます。だからこそ、何でも相談しやすい雰囲気にしたいと常々思っています。例えばですが、患者さんに漢方薬を処方したとして、それが合っているかどうかを尋ねると、患者さんは遠慮されるのか「飲んでいます」と答えてくださることが多いものなのです。しかし調剤薬局の方からのご連絡など、ちょっとしたきっかけで、実はあるお薬だけが余っているのがわかるというケースもあるんです。

そういった場合、どのような理由が考えられるのですか?

飲んでも変化がないと言い出せずに保管だけしているケースや、中には認知症があることで飲み忘れが生じているケースも考えられます。例えばお一人暮らしのお母さまの家に毎日、娘さんが夕食を作りに行けば、そのまま夜の分はきちんと服用できる。しかし朝はお一人なので飲み忘れ、朝の分だけ余り続ける、ということもあるんです。しかしそうとわかれば処方の仕方を変え、飲みやすい環境に整えていくことができるでしょう。調剤薬局での服薬指導には、こういった役割もあるんですよ。今後の地域医療は、クリニック、調剤薬局、病院、ケアマネジャー、訪問看護ステーションなど、あらゆる職種の方と連携していく必要があると強く感じています。

さまざまな視点から患者さんを守っていく必要があるのですね。

永田一彦院長 ながた内科クリニック4

近くの調剤薬局に申し送りをしておくと、調剤薬局におられる管理栄養士さんが食事指導をしてくださいます。特に糖尿病などはお薬だけでは十分ではありません。禁煙、運動、食事のコントロールなどを取り入れて体重をしっかり減らしていくことが大事なんです。そういった点でも、診察ではどのようなライフスタイルなのか、仕事はどうなのかを聞き出していく必要性もありますし、同時に調剤薬局や管理栄養士さんなどを含めた多角的なアプローチが必要になってきます。当院では開業当初から禁煙や睡眠時無呼吸症候群の相談にも対応しています。今はお薬の欠品が続いていて禁煙の診察はお休みしているのですが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんもかなり多いです。

リハビリテーションなどにも幅広く対応していく

花粉症の舌下免疫療法や、訪問診療にも対応しておられるとか。

永田一彦院長 ながた内科クリニック5

舌下免疫療法は5年ほど前に導入しました。訪問診療は、実は私個人は開業すれば当然やるものだと考えていたんです。とはいえ外来をやりながら、という体制なので、あまり数を増やせないのが現状です。そこで必要なのが、先ほどもお話しした各所との連携です。外来、在宅医療、施設入所などを選択するのは患者さんとそのご家族。そのためにも社会的要件や経済的要件など、患者さんとご家族にとってのベストが何なのかを多職種で話し合っていく必要があります。今後在宅医療などを充実させていくために地域の連携が必須であることは、どの先生方も感じておられることでしょう。

とはいえ、やはりベースにあるのは「相談窓口である」という点ですね。

はい。外来・往診など診察のかたちはあるにしろ、地域の皆さんの最初の医療の窓口、何でも相談できる場所として地域に貢献していきたいというスタンスは変わりません。当院にはごく基本的なけん引や温熱療法などのリハビリ機器を備えており、鍼灸師も常駐しています。今ではリハビリをメインの目的に通う方もおられるんですよ。でも、それでいいのだと思っています。そういう方に「ちょっと風邪っぽいから、ついでに診察もしていこうかな?」と思ってもらえれば、後回しにして肺炎にまでこじらせる、ということもなくなるかもしれませんしね。

良い意味での“気軽さ”が、治療には大事なのですね。

永田一彦院長 ながた内科クリニック6

第一に考えるのは、やはり患者さんに良い人生を送っていただきたいということです。これこそが医師の務めだとも思っています。そのためには地域の中での当院の立ち位置をよくよく考え、各所との連携を密にしていくことが、やはり大事なのですよね。でもやっぱり、患者さんに来ていただかないことには何もできないのが私たちです。まれに「なぜこんなに何ヵ月も我慢されたんだろう」と思う方もおられます。でもそれが怖さからだということも、私たちも理解しています。だからこそ心配なことがあれば、どうぞ当院の門を叩いてほしいのです。患者さんとお気持ちを共有しながら診察を行っていきます。あなたは一人ではありません。どうぞ気軽に、当院にご相談くださいね。

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