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三輪 由香 院長の独自取材記事

三輪こどもクリニック

(岐阜市/名鉄岐阜駅)

最終更新日:2023/04/05

三輪由香院長 三輪こどもクリニック main

岐阜市の中心部より車で約20分。住宅街の医療モール内にある「三輪こどもクリニック」。明るく広々とした雰囲気の待合室は、床がフラットな構造でベビーカーでも入りやすい。「病気のことを忘れるくらい、楽しんで生活してほしい」と話すのは、院長の三輪由香先生。穏やかな口調と優しい笑顔で、多くの患者から親しまれているドクターだ。病気になった背景を見逃さないよう、患者の話をしっかり聞くことを心がけているという三輪先生。デリケートな症状である便秘や夜尿症に関しては、生活面のケアにも注力。「その子自身の免疫力を生かしながら、治る過程をサポートするのが私の役目」と語る三輪先生に、開業の経緯や小児科の医師になったきっかけ、診療時の工夫などについて話を聞いた。

(取材日2023年2月15日)

患者に寄り添う診療をめざして開業

開業に至った経緯を教えてください。

三輪由香院長 三輪こどもクリニック1

開業前は大学の短期大学部で、小児保健や小児疾患について保育士の卵を対象に講義をしていました。短期大学部にはさまざまな分野の専門家がいたので、視野が広がり楽しかったですね。一方で、医師としてはより幅広く診たいという思いが強くなり、開業を決意。患者さんやご家族に寄り添い長く診ていきたいという思いもありました。ちなみに開業したのは1999年ですが、新たなスタートを切りたいと、日にちは長女の小学校の入学式の翌日にしたんですよ。「まず1年頑張ろう」「次は2年頑張ろう」と目の前のことに取り組み、5年が10年になり、気づいたら24年たっていました。小児科の医師を長く続けられて幸せですし、この環境に感謝しています。

なぜこの地域を選ばれたのですか?

私は岐阜市で生まれ育ちました。結婚後、子育て中に夫のイギリス留学が決まり家族で移住し、帰国したのは長男が小学校に上がる少し前。夫婦で岐阜大学医学部附属病院に勤務していたので、住居は岐阜市内で探しました。住んでいて気持ちの良い場所ですし、公園もあり子どもたちにとっても過ごしやすい環境で、とても気に入っています。ですので開業を検討していた時、近くに医療モールができることを知り、迷わず決めました。岐阜市内には重篤なケースでも安心して任せられる医療機関が多いと自負していますが、当院もその一つとして地域医療の窓口となり、外部の大学病院や市民病院と連携することで、より地域貢献できると思いました。実際、近くに専門家の先生方がいて、何かあれば相談できるのはありがたいですね。

開業から24年、変化を感じることは?

三輪由香院長 三輪こどもクリニック2

大きく変わったのは、お父さんの育児参加です。お母さんが働くのが当たり前の時代になり、お父さんが付き添って受診されることが増えました。それに、お母さんの伝書鳩のような存在ではなく、お子さんの体調をきちんと把握しているんですよね。診療内容は、新型コロナウイルスに関すること以外は20年前から大きく変わってはいません。若い頃は反省することもよくありましたが、その積み重ねが今につながっているのかなと思います。例えば医師になりたての頃、悪性疾患の疑いのある患者さんが発熱し、解熱後に発疹が出たことがありました。今思えば、突発性発疹という一般的な症状だったのですが、重症の患者さんばかりを診ていたこともあり、必要以上に大げさな対応をしてしまいました。開業後は一人ひとりの患者さんにじっくりと寄り添えるので、治療の見通しがつきやすくなりましたね。とはいえ、今もなお患者さんに教えてもらうことばかりです。

患者の言葉に耳を傾け、改善に向けたヒントを探る

診察の際、心がけていることを教えてください。

三輪由香院長 三輪こどもクリニック3

患者さんやご家族の言葉には病気の背景や治療のヒントが隠れていますので、できる限りお話を聞くようにしています。例えば、年齢によって症状は変わりますし、家族にも下痢の症状がある場合、症状が順番に出ているのか、一斉に出たのかによっても判断や経過の見方が変わるんですよ。だからこそ、患者さんだけでなくきょうだいや周りの症状を聞くことを心がけています。また「○○が出たらお電話ください」など、今後起こり得る症状も具体的にお伝えして対処法を共有します。その上で、親御さんにはご自宅でお子さんの様子を観察してもらい、必要に応じて家で適切な対応ができるようにサポートをしています。

診療時に工夫していることはありますか?

私の診察は実況中継のような雰囲気なんです。どこにどんな症状が出ているか、声に出しながら診察します。例えば、喉をのぞいて「喉がぷつぷつしていますね」とか、胸の音を聞いて「胸がぜいぜいしていますね」といった具合です。患者さんにもご家族にも「体の中で何が起こっているか」をわかってもらいたいという思いからです。最後にまとめて話すと、伝え漏れる可能性がありますし、一気に情報が入ると、患者さんもわからなくなってしまいますよね。そのためにも、一つずつ情報をお渡ししているんです。予防接種の場合も、今から何をどちらの腕に打つのか必ず声に出して伝えます。これは間違いを防ぐためにも大切なこと。電車の運転手さんが指差し確認をするのと同じですね。

スタッフさんについて教えてください。

三輪由香院長 三輪こどもクリニック4

スタッフにはとても恵まれていますね。例えば、こまやかな声かけを通じて患者さんの不安を取り除いたり、注射の際はしっかり押さえてくれたり。小児科はお子さんと接しながら、安全性に配慮した診療を提供する必要があるので、信頼できるスタッフの存在は宝です。急を要する症状の患者さんが来られたときには、受付スタッフや看護師が臨機応変に対応してくれます。コロナ禍における、緊急度や重症度に応じて治療の優先度を決めるトリアージが必要な場合にも、心強かったです。また、みんなきれい好きで整理整頓が得意なので、診察室の中やカルテなどの資料は、いつも気持ち良く整えられています。私が安心して診療できるのは、こうしたスタッフの支えがあってこそだと感じています。

治る過程をサポートするのが、クリニックの役目

最近増えている相談事はありますか?

三輪由香院長 三輪こどもクリニック5

便秘や夜尿症ですね。排泄の問題は親子ともに苦しみますし、悩むことで症状が長引いてしまうこともあります。命に関わらないとはいえ、患者さんやご家族は本当に困っています。便秘になりやすいのは、トイレトレーニングの時期や入園直後が多いですね。というのも、便はリラックスしないと出ないのですが、子どもは遊びたい気持ちからゆっくりしていられないのです。薬を使いたくないという親御さんも多いのですが、症状の改善を図るためには必要だと考えています。そこで、長く続けても癖にならないような薬を選び、その特徴についてもきちんと説明します。上手に薬を使って楽しい生活を送れるようになってほしいですね。本当は朝ごはんの後に、すっきりと出してから登園するのがベスト。そのためにも早起きして、朝ごはんをゆっくりとたくさん食べましょう。

なぜ小児科の医師をめざしたのですか?

両親が医師だったこともあり、自然と医師の道を選びました。小児科を選んだのは岐阜大学医学部を卒業する年です。当時は卒業年度に進む科を決める必要がありました。見学の際、小児科病棟で小さな赤ちゃんを連れたお母さんを見たんです。その赤ちゃんには重篤な疾患があり、これからつらい治療の続く状況でした。それなのにお母さんと赤ちゃんはとても幸せそうだったんです。その笑顔が印象的で、「自分も関われたらどんなに幸せだろう」と強く思いました。それが小児科の医師をめざしたきっかけです。子どもは存在自体が希望ですから、そのすぐそばで仕事できることに幸せを感じています。

読者へメッセージをお願いします。

三輪由香院長 三輪こどもクリニック6

どんなときでも楽しく生活できるように、困っていることがあれば教えてください。私にできることを一緒に考えます。便秘や夜尿症は、対処が遅れると子どもの心の傷になることもあるので、気になったらすぐにご相談ください。症状が患者さん本人のせいではないことをわかりやすくご説明し、対策を考えていきますので、見通しが立つだけでも安心して生活できると思います。子どもは免疫力を持っていますから、時間の経過やご家族の支えによって自然と症状が落ち着くこともあるでしょう。その過程で脱水を防いだり、痛みや刺激などつらい症状の緩和を図ったりしながら、楽しく過ごせるように支えるのが私の役目。なるべく手を加え過ぎないように、手助けの必要なタイミングでサポートできるように心がけていきます。

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