女性医師の保護者に寄り添った診療
子どもの便秘や夜尿症の相談も
三輪こどもクリニック
(岐阜市/名鉄岐阜駅)
最終更新日:2023/03/13
- 保険診療
咳や発熱をはじめ「小学生になったのにおねしょが続く」「これって食物アレルギー?」「言葉が他の子より遅いのでは?」など、育児に関する悩みは尽きないもの。そんな困った時に頼れるのが小児科の専門家である。予防接種や診療を通じて、長きにわたり子どものさまざまな病気に向き合ってきた「三輪こどもクリニック」の三輪由香院長。親はもちろん子どもにもわかりやすい説明を心がけ、優しさあふれるその人柄もあって診療室には子どもたちからの手紙がずらりと並ぶ。「毎日お忙しいのに、お薬を飲ませたり、病院に連れていったりと親御さんは本当に大変」と親目線で語る三輪院長に子どもに多い病気について話を聞いた。
(取材日2023年2月15日)
目次
体だけの問題を心の問題にこじらせないよう早めの受診が大切
- Qこちらでは親御さんのさまざまな相談に対応しているそうですね。
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A
風邪をはじめ、アレルギーやアトピー、便秘やおねしょ(夜尿症)のご相談が多いですね。数年前まで食物アレルギーの治療は原因となる食べ物であるアレルゲンを摂取しないように進めていましたが、現在は食べられる量を確認しながら治療するのが主流となっています。とはいえ、自己判断で食べると、強い症状が出ることもありますので、まずはご相談ください。また、肩凝りによる頭痛も増えています。肩凝りを抱えている親御さんも多いので、子どもさんと一緒に頭痛体操をしてもらい、正しい姿勢を指導します。どの症状も私ができる限り診療させていただきますが、より専門的な治療が必要であると判断した場合には大学病院などをご紹介します。
- Q子どもの発達が気になる場合の相談にも応じてくださいますか?
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A
周りと比べて「言葉の発達が遅い」「かんしゃくを起こしやすい」などと親御さんが気にされて来院される方が多いですね。SNSなどで調べ、ご自身で診断されてから来る方がほとんどですが、「では、どうすればいいの?」という不安や疑問を整理するのが私の役目でもあると思っています。「今すべきこと」「長い目で見て、どんな行動を起こせば良いのか」などアドバイスさせていただきます。私は大学病院に勤務していた頃、発達の問題や心の問題を担当していましたが、私一人だけでできることは少ないと感じています。当院が窓口となり親御さんのお話をしっかりお聞きして、療育や相談センターなど適切な場所におつなぎできるように努めています。
- Q夜尿症の相談も多いそうですね。
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A
背が早く伸びたり、ゆっくり伸びても最終的に身長が高くなる子どもがいるように、おねしょがなくなるタイミングにも個人差があります。例えば5歳になったらなくなるというものでありません。心配なのは身体的な問題だったものが心の問題になり自信を失い、落ち込んでしまうこと。そのような場合は「あなたのせいでも、親御さんのせいでも、誰のせいでもない」と伝え、自己肯定感を下げないことが大切。生活を少し変えるだけで改善につながることもあります。夜の尿は夕食で食べたものから作られますので、夜は「軽めに、早めに」を心がけ、寝るまでの水分補給はコップ1杯程度に抑える。その分、朝食をしっかり食べるようにすると良いでしょう。
- Q子どもが便秘の時はどうすれば良いですか?
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A
集団生活が始まると便秘になる子どもが多いですね。幼稚園や保育園で排便したくないという子どもも多く、我慢して腹痛や痔になるケースもあります。ひいては少しずつ便が出てしまう「遺糞症」になることも。こうなってしまうと夜尿症と同じように本人の自尊心が傷つき、長く続くと親も子も精神的につらい状況に陥ってしまいます。便秘は適切なお薬を使えば排便できるようになることが望めます。心の問題にこじらせないように早めに相談してください。また朝は、準備をしてから朝食を食べるのではなく、朝食を食べてから準備するなど、順番を少し変えるだけで朝排便できるようになることも珍しくはありません。
- Q感染症についても気になります。
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A
子どもの感染症では、風邪やインフルエンザ、RSウイルス感染症、ノロウイルスなどがありますね。新型コロナウイルス感染症の流行下で学校が休校になった頃、「あれだけすぐ風邪をひいていた娘が、ひかなくなった」という方がいましたが、その言葉どおり集団生活をしなくなると感染症への罹患は少なくなります。しかし、感染症が怖いからといって、人との関りを持たずに成長するのは子どもの人生にとってマイナスです。皆さんなら新型コロナウイルス感染症の流行を経験し、その流行下でしかできない子どもの素晴らしい体験をサポートしていけると思います。また感染症を恐れて受診を控えるのではなく、何か困った時はご相談にいらしてください。