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母子の安全性に配慮した
自然分娩にこだわる

たかばたけウィメンズクリニック

(大東市/住道駅)

最終更新日:2021/10/12

たかばたけウィメンズクリニック 母子の安全性に配慮した 自然分娩にこだわる たかばたけウィメンズクリニック 母子の安全性に配慮した 自然分娩にこだわる
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奇跡の連続である「妊娠・出産」。どのような経過をたどっても新しい命の誕生は素晴らしいものであることに変わりはないが、太古の昔から人類が繰り返してきた「自然分娩」をめざして取り組むのが「たかばたけウィメンズクリニック」だ。そこには「お母さん自身が、ご自分の体を大切にしてほしい」という高畠桂子院長の思いが込められている。かつてより安全性に配慮して行えるようになったとはいえ、帝王切開は開腹手術であることには変わりなく、将来的に女性の体に負担をかけかねないものという考えからだ。安全性を第一優先に「ぎりぎりまで待つ」経膣分娩を推奨する高畠院長に、分娩に対する考え方やクリニックの取り組み、産前産後のサポートなど話を聞いた。

(取材日2019年8月21日)

帝王切開による将来の健康リスクへの配慮。ママの体を大切に考えた「自然分娩」を推奨

Q先生の分娩に対する考え方を教えてください。
A
たかばたけウィメンズクリニック 自分の体をしっかり考えて出産に臨んでほしいと話す高畠院長

▲自分の体をしっかり考えて出産に臨んでほしいと話す高畠院長

できることなら自然に生まれたほうがママにも赤ちゃんにも優しいと考え、可能な限り経膣分娩を選択できるような取り組みをしています。まず初産で帝王切開であれば、第2子・第3子と帝王切開になってしまい、同じところを何回も切開することになります。帝王切開後に血栓症といった命に関わる合併症のリスクが指摘されているほか、年を重ねるにつれ月経の経血が傷痕にたまって不正出血が続く、閉経頃になると手術した箇所が引っ張られて痛いといった症状が現れることもあります。「おなかを痛めて産まないと」といった考えではなく、将来的なリスク回避も含めお母さん自身が「自分の体を大切にする」という意味で、自然分娩を推奨しています。

Q貴院では帝王切開率が低いと伺いました。
A
たかばたけウィメンズクリニック 産後は回復室でゆっくり過ごすこともできる

▲産後は回復室でゆっくり過ごすこともできる

当院の帝王切開率は、直近のデータでは全体の9.2%です。妊婦さんの状況を一番に考えつつ、年齢や社会的立場、ご本人の希望などを考慮して行っており、決して無理に経膣分娩を推進しているわけではありません。当院では本日も帝王切開での出産がありました。現在は当直医を置き、私も含めた医師2人体制を敷いており、緊急帝王切開となってもタイムラグなく取りかかれるよう準備をし、ぎりぎりまで自然分娩を待てるようにしていますね。ただしそのせいで妊婦さんを危険にさらすわけにはいきませんから、助産師さんとともにこまめに様子を見に行くなど最大限の注意を払っています。

Q一方で分娩方法への考え方は多様化していますよね。
A
たかばたけウィメンズクリニック 一人ひとりの出産を見極めてサポート

▲一人ひとりの出産を見極めてサポート

実際、初めから帝王切開を希望する妊婦さんは多くはありません。しかし産婦人科医師自体がその選択を促してしまう傾向にあると感じます。「赤ちゃんがつらいかも」と言われれば、お母さんは「すぐに手術してください」となるのは当然でしょう。私もそうならないよう、日々反省しつつ分娩に臨んでいます。また例えば血圧の高い妊婦さんでも、麻酔を利用し血圧をコントロールしながら経膣分娩する方法もあり、当院での分娩にこだわらず周産期センターなどでの適切な処置を選択できるよう提案もしています。現代はがんも内視鏡で手術をする時代。一方で帝王切開は完全な開腹手術であり、それを心配してのことだと多くの方に知ってもらいたいですね。

Q安産のために妊婦さんが行うべきことはありますか。
A
たかばたけウィメンズクリニック 母親たちの悩みにスタッフ全員で寄り添う

▲母親たちの悩みにスタッフ全員で寄り添う

妊娠中は適度な運動とバランスの良い食事に気をつけ、基本的な体力をつけておくことが大切です。運動が早産につながると恐れる方もいますが、診察時に子宮の入り口の状態や早産の兆候がないか確認しており、医師の指導のもと行えば基本的には問題ありません。また食事に関しては、当院では管理栄養士による栄養相談も週4回実施しています。妊婦さんに提出してもらった直近の食事内容のメモをもとに指導していきます。毎年10月に開催するオータムフェアでは、管理栄養士が提案する妊娠中のレシピ「ママごはん」の試食会も実施しています。まずは生活を見直し、自分と赤ちゃんの体を気遣いながら丁寧に暮らすことを心がけてもらいたいですね。

Q産前産後のサポート体制を教えてください。
A
たかばたけウィメンズクリニック 気軽にクリニックに来院できる機会を増やしたいと話す

▲気軽にクリニックに来院できる機会を増やしたいと話す

先ほどお話しした栄養相談ほか、マザークラスやマタニティーヨガなどさまざまな教室を実施しています。また妊娠18週前後と32週前後の健診は、助産師が妊婦さんの個別の事情を含めた相談をお聞きしています。例えば上の子がいて安静にできないという方であれば、一時預かりなど行政のサポートをご紹介することもありますね。出産後であれば、母乳相談、ベビーマッサージやママ&ベビービクス、助産師による絵本の読み聞かせなどがあります。心理的に外出しづらいと感じるお母さんでも、体重測定や育児相談のために病院に行くならご家族にも言いやすいでしょう。お母さんの気晴らしも兼ねて気軽に来ていただきたいですね。

ドクターからのメッセージ

高畠 桂子院長

人間は太古の昔から、お母さんが赤ちゃんを産んで命をつないできました。ですから特別な疾患などは別として、人間には基本的に「産む力」が備わっていると考えています。当院ではそれをうまく引き出せるようにお手伝いさせていただきます。子だくさんだった昔とは違って出産自体が身近ではなく、初めて抱いた赤ちゃんが自分の赤ちゃんという人も多く、不安を感じる方がいても当然です。当院ではマザークラスなど教室を通じて知り合った人たちの出産を見聞きし感じることもできます。子どもを産み育てることにポジティブでいられるよう、当院に家庭のように人が自然と集まって、ファミリーという形になれれば良いなと思っています。

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