木林 博之 院長の独自取材記事
きばやし歯科医院
(長岡京市/長岡天神駅)
最終更新日:2026/01/15
阪急京都本線・長岡天神駅とJR京都線・長岡京駅の中間地点。アゼリア通りと呼ばれる商店街沿いで、インプラント治療や歯周形成外科といった専門的な治療を幅広く手がける「きばやし歯科医院」。院長の木林博之先生は、歯科技工士から転身して歯科医師となり、歯学博士号も取得したキャリアの持ち主。補綴治療や審美修復を得意としながら、歯の土台となる歯周組織に重点を置き、歯周病などのベーシックな治療から補綴物と歯肉とのマッチングまで、これまでの研鑽や研究成果を生かしたトータルな歯科治療や口腔ケアを実現している。そんな木林院長がめざす目標や診療方針、精力的に取り組む後進育成についてじっくり語ってもらった。
(取材日2023年9月26日/情報更新日2026年1月6日)
最大のテーマは、よく噛めて美しく長持ちする歯
まずはクリニックのコンセプトを教えてください。

私が治療方針として掲げているのは、機能性、審美性、永続性の3つです。つまり、よく噛めて、笑顔に自信が持てて、やり直しの少ない持続的な結果を実現することです。私の専門である審美補綴とは美しい修復だけでなく、患者さん一人ひとりの顔に調和した自然な美しさを求めるものです。歯の色や形だけでなく、質感や歯肉のラインなど細部にも注意を払います。これらを実現するためには、歯を支える土台となる歯周組織を適切に治療することが不可欠です。当院には異なる専門分野を持つ歯科医師が非常勤として勤務しており、経験豊富な歯科衛生士も在籍しています。各メンバーがプロとしての自負心を持ち、共通のコンセプトを共有しながら診療に取り組んでいます。
先生は歯科技工士の経験があるそうですね。
私が歯科技工士になったのは、友人から「手先が器用だから向いているんじゃないか」と勧められたちょっとしたきっかけがありました。それで大阪大学歯学部附属歯科技工士学校に進学し、歯科技工士としての資格を取得しました。しかし、当時の歯科技工士は長時間労働と低賃金が当たり前であり、理想的な補綴物を作製しても、患者さんの治療や口の中の状態が整っていなければ限界があることに気づきました。将来に不安を感じていたところ、兄の同級生で大阪大学に在学中の方が「2、3年勉強し直せば歯科医師もめざせる。頑張ってみないか」と声をかけてくれました。その一言で歯科医師になる決断をしました。その後技工所を退職したのち、2年あまりの受験勉強を経て大阪大学歯学部に進学しました。大学卒業後は大阪市内の歯科クリニックでキャリアを積み、開業しました。開業後、社会人大学院に入学し、歯学博士の学位を取得しました。
診療時、患者さんとどのように向き合っていますか?

診療時には、患者さんとのコミュニケーションに重点を置いています。患者さんのライフステージに合った治療計画を立案し、提案するように心がけています。当院は25年以上の歴史があり、患者さんの平均年齢も上昇傾向にあります。そのため、患者さんのライフステージに適した、負担のかからない治療を提供することが大切だと考えています。治療の選択肢については、患者さんと対話し、その方の生活状況や健康状態を総合的に考慮して決定します。お互いが対等の立場でコミュニケーションを取り、納得いくまで説明を行うことを大切にしています。
精度重視の歯周形成や歯科技工で、より自然な笑顔を
先生は歯周形成外科のスペシャリストだと伺いました。歯周形成外科ではどのような治療を行うのですか?

例えば歯が抜けたところは顎の骨が痩せて歯肉も退縮していますから、そのまま義歯を入れると歯と歯茎の隙間が空き、ブリッジを入れても歯が長くなってしまいます。その対処法として、歯周組織を移植し、歯肉の形を再建する方法があります。歯周形成後は、歯肉のラインの精密さや美しさを確認しながらマイクロスコープを用いて細かく調整。最終的にセラミックスなどの補綴物を入れるのが基本的な方法です。そのやり方を歯科技工士さんと協力してこれまで研究してきました。
歯科技工士がいればこそ実現する技術なのですね。
当院が提携している技工所には、専門的な技術と豊富なキャリアを持つ歯科技工士さんがおり、もう20年来の付き合いでお互いに欠かすことのできない大切な存在です。ただ、最初からあうんの呼吸だったわけではなく、私の考えや希望がしっかり伝わるまでには5年ほどの歳月がかかりました。歯科医師によっては「今回の症例は特別にあの歯科技工士さんに発注した」という話を聞くことがありますが、私は普段付き合いのない技工所にいきなり外注してもベストなパフォーマンスは得にくいと思っています。私も歯科技工士経験がありますからよくわかりますが、互いにプロとしてリスペクトし合い、価値観をともにすることが何より大切だと思いますね。現在は私と歯科技工士さんのペアで、講演をすることもあります。
今も研究や後進の指導に力を注ぐ理由は何ですか?

これまで学び取り組んできたことを後進に伝え、人を育てるということは社会貢献にもつながると考えています。私は今も大阪大学大学院の臨床教授や北海道大学病院の客員臨床教授、歯科技工士学校の非常勤講師を務めています。そこで自分が探究した成果を少しでも後進に伝えていければという思いで取り組んでいます。先ほど紹介した手法も、国内外で論文を発表したところ大きな反響があり、今は年2回のセミナーを大阪で開催し、全国から大勢の先生方に参加してもらっています。ほかに1本単位で行う歯科小矯正のセミナーなど、新たな試みもスタートしています。
開業医向けのセミナーも行っているとか?
はい、熱心な先生方がたくさん参加してくれています。開業医というのは、一人で診療を行うことが多く、孤独に感じることもあります。私が関わったさまざまな症例をセミナーを通じて若手の先生方に共有することで、歯科医療の発展に貢献できることを願っています。特に、患者さんの歯を生かす部分的矯正や、歯の削り方に関する若手向けトレーニングセミナーなどに力を入れています。また、審美のプロフェッショナルとして、私自身の専門性と経験から選び抜いた、歯科医師がよく利用する歯科医療器具セットの監修も行っています。さまざまな角度から、開業医の先生方がより活躍できる環境づくりに尽力しています。
歯科治療のゴール地点になることをめざして
先生は、この長岡京市が地元だそうですね。

私は長岡京で育ち、父と兄がこの地で洋品店を営んでいました。しかし、経営が困難になり、店舗と土地を手放さなければならない状況に直面しました。その際、兄の友人から「ここで歯科医院を開業したらどうだろう?」という提案を受け、開業を決意しました。経済的には最初は苦労もしましたが、地元の商店街での診療を続け、地域社会への貢献も図っています。
休日はどのように過ごされますか?
最近の趣味は、もっぱら冬場に雪山に登って山の中を滑るスキーです。体を絞れるので、シーズンになると体重が5kgほど減ります。最近は雪のない時期に渓流釣りにも挑戦しています。自然の中にいると身も心もリフレッシュできますね。それから、講演などで海外へ行った際にフリーの日をなんとか捻出し、ぶらりと観光して回るのも好きです。海外で知り合う諸外国の歯科医師たちとの交流も楽しく、いろんな刺激をもらっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私が目標とするのは、当院が患者さんにとって生涯付き合える歯科医院であることです。体の健康には目をしっかり向けている人が多いと思いますが、歯は健康の入り口であり、歯あってこそ健康といえます。10年20年と健康なお口を維持するには、歯に関心を持ち、ケアに取り組むなど患者さんの努力も欠かせません。患者さんがご自身のお口により興味を持っていただけますと、一層、その方に合わせたサポートが提供できると考えます。噛み合わせを含めた総合的な治療と、徹底した口腔内の衛生管理が当院の強み。患者さんの口腔内の状態と年齢から、治療後の管理にも目を向けて、個別のライフステージに合った治療を提案します。認知機能や運動機能、寿命にも影響があるといわれる「噛む」機能を維持し、年齢を重ねても生活の質を保てるようサポートしますので、何かあればすぐにご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/49万5000円(術前診断、ガイドサージェリー料含まず)~、セラミック治療/詰め物:8万8000円~、かぶせ物:14万3000円~19万8000円、歯列矯正/88万円~、部分矯正/6万6000円~、歯周形成治療(歯肉移植)/11万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

