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西村 百合香 院長の独自取材記事

ゆうてんじ皮ふ科

(目黒区/祐天寺駅)

最終更新日:2021/10/12

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科 main

祐天寺駅から徒歩1分の「ゆうてんじ皮ふ科」。子どもたちの安全を考慮したキッズスペースを備える同院は、地域の子どもやその母親たちが足を運ぶ。自身の子育て経験を生かして診療を行うのは西村百合香院長。医院のロゴマークも、保育園に通っていたわが子がチューリップ組だったことに由来しているそう。「子どもを預けながら働いていた時の感謝の気持ちを忘れたくなくて」とほほ笑む西村院長は、毎日昼休みに自転車で往診に向かうパワフルな医師でもある。今年7月には院外からでも混雑状況がわかる受付システムを取り入れ、院内での待ち時間を短縮できるように工夫。患者が利用しやすい環境整備に余念がない。地域密着の診療を手がける西村院長にクリニックの診療について詳しく聞いた。

(取材日2018年9月21日)

地域に根差し、小さな子どもから高齢者まで診療

開業して10年以上がたちましたが、現状を教えてください。

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科1

今年で開業12年目を迎え、地域に根差したクリニックとなりました。開業当初に診ていた小さなお子さんが高校生になるなど、いろんな方々の人生を見守ってきたなと実感しています。当院の患者さんの4割はお子さんですが、皮膚疾患は季節によって傾向があるのが特徴です。夏はアトピー性皮膚炎や水イボ、冬は乾燥肌や皮膚炎寸前の肌のトラブルが増えます。しかし、同じ疾患でも、まったく同じ症状ではありません。一人ひとりの生活も違いますので、それぞれに合った治療を選択しています。患者さんや親御さんの負担をなくすために、何度も通院しなくてよいような診療にも努めています。

待合室の一角がキッズスペースになっているのですね。

そうなんです。少しでも子どもが診療を楽しめるように、シールやおもちゃなどで工夫をしています。ちなみに、子どもが乗りこめるサイズのおもちゃの車は一番人気。診察前に車で遊んでいた子が、診察後「もう一回乗る!」ってなかなか帰りたがらないこともあるんですよ。実はこの車のおもちゃ、私の子どもたちが小さい頃に遊んでいたものなんです。開業以来、たくさんの子どもたちを笑顔にしてくれていますね。

最近、ご高齢の患者さんも増えてきたとお聞きしました。

はい。ご高齢の患者さんでいえば、乾燥性の湿疹にお悩みの方などがよく来られます。中には悪性腫瘍などを患っていることもありますので、必要な場合は近隣の基幹病院などへの紹介もしています。勤務医時代に多くの悪性腫瘍を診てきましたので、ほかの病院と連携しつつ、自分で治療できるものか、紹介すべきものかを見極めていきたいです。

新しい取り組みなどはありますか?

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科2

今年7月からは待ち時間のわかるシステムを導入しました。来院前から待ち時間が確認できるようになっていますので、ぜひご活用いただきたいです。当院は駅も近いですし、受付後にカフェなどで時間をつぶしていただくこともできます。また少し前になりますが、しみ取りのためにレーザー機器も導入しました。お子さんの通院に合わせて来られているお母さんにもぜひ利用していただけたらと思っています。

一人ひとりに合ったニキビケアを提案

ニキビケアにも力を入れていると聞いています。

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科3

今、ニキビに悩む20〜30代の女性の患者さんがすごく多いんです。軽い吹き出物から重症なニキビまでさまざまですが、同じ女性としてつらいお気持ちはよくわかります。そのため、女性が気軽に美容のために来院できるクリニックでもありたいなと思っているんですよ。当院にはお化粧直しができるパウダールームやくつろげる雰囲気のピーリングルームなどもありますので、緊張せずいらしてください。なかなか良くならないニキビの方、抗生物質の薬に抵抗がある方、ニキビ痕や毛穴の開き、脂性肌が気になる方、男性でニキビに悩まれたり、肌にコンプレックスを抱えておられる方もぜひご相談ください。一人ひとりに合った生活の中でできる工夫などもお話しさせていただきます。

ニキビで悩む患者さんにはどんなことを勧めていますか?

例えば、よく睡眠を取ることですね。きちんと睡眠できているかそうでないかは顔に出ます。理想は夜12時には寝て、6〜7時間睡眠を取ること。あとは洗顔でよく泡立てて、肌をこすらずに洗うのも大切です。また、肌に疾患がある方は無添加や低刺激の石鹸を選びがちですが、すべての症状に適しているというわけではありません。洗浄力が弱過ぎてきちんと汚れが落とせていないこともありますので、気をつけてください。ちなみに当院では私が良いと思った石鹸や基礎化粧品もご紹介しています。

先生が皮膚科の医師をめざされたきっかけは何でしょう?

幼稚園の頃から人間の体に興味があったんです。当時、足がしもやけになったことがあったのですが、自分の足はどうなっているんだろうと不思議に思ったことを覚えています。輪切りにしてみたらどうなっているんだろうとか(笑)。あと外科のドクターが主人公の漫画も好きで読んでいたので、その影響もあるかもしれませんね。医療が身近にあったわけではありませんが、医師になりたいという思いはずっと変わらず、医学部へ進学しました。でも、最初から皮膚科一筋というわけではなく、実は小児科志望だったんです。実際に研修をしていくうちに、子どもも多く診ることができて、検査に頼らずに自分の目で見て診察できる皮膚科に魅力を感じるようになりました。通っていた大学がアトピー性皮膚炎治療の研究に力を入れていたので、特にアトピー性皮膚炎については専門的に学びましたね。

開業に至った経緯を教えてください。

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科4

開業前は金沢文庫病院の皮膚科に勤務していたのですが、ご高齢の患者さんがとても多い病院でした。患者さんたちが病院に通う大変さを目の当たりにしましたね。また、長期入院で床ずれになってしまった患者さんなどもよく診ていました。そんな経験を積み重ねていくうちに、寝たきりの方や外出が困難な高齢者のために、これまでの知識と経験を生かして在宅診療をしていきたいなと考えるようになり、開業を決意しました。

地域全体で患者を診ていくことを大切に

在宅診療ではどのようなことを診療されていますか?

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科5

床ずれや巻き爪、爪切り、真菌症、おむつかぶれなどです。緊急性が高いものではありませんが、生活の質を上げるために欠かせない分野ですね。昼休みを長めに設定していますので、この時間帯で毎日往診をしています。訪問エリアは電動自転車で15分程度の範囲です。患者さんはご高齢者や外出が困難な方々が多く、他科の先生やケアマネジャーさんからご紹介いただくことも。また、往診の際には患者さんが生活する空間で、テレビの向きや寝ている体勢なども見た上で、日常生活へのアドバイスも行っています。皮膚科の疾患は目に見えるものですが、原因がつかみにくいことが多々ありますので、これまでの経験や知識を生かして適切な薬を選び、病気の再発防止に努めたいです。

先生の診療方針を教えてください。

皮膚科の医師になり、20年以上が経過しました。皮膚科は治療薬の種類は多くありませんが、どのような症状にどの薬を使うのが良いかなどについては、やはり専門家だという自負はありますね。特に、外用剤の使い方は得意分野です。また、これまでの診療では、患者さんがなんでも気軽に話せるような雰囲気づくりを心がけてきました。ただ、中にはあまり話したくないという方もいらっしゃいますので、一人ひとりに合わせた診療を行うようにしています。アトピー性皮膚炎など長引く疾患の場合、何度か診察をしていく中で徐々に打ち解けていければいいなと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

西村百合香院長 ゆうてんじ皮ふ科6

他科の先生や患者さんに関わる他職種の方たちとも連携しながら、地域全体で患者さんを見守っていきたいです。また、私が元気な限り、往診も頑張っていきたいですね。当院の患者さんに対しては、小さなお子さんがいるお母さん方に向けた治療や施術なども周知していきたいと考えています。私自身も母親という立場ですので、働いているお母さんの大変さなどがよくわかります。限られた時間や家計のやりくりの中で、気軽に来ていただいて、きれいになっていただけたらうれしいです。また、皮膚疾患の原因の判断には、生活環境を知ることがとても重要なので、遠慮なく生活のことを話していただけると参考になります。お困りのことがあったら気軽にご相談ください。

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