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小西 公麿 院長の独自取材記事

小西醫院

(目黒区/学芸大学駅)

最終更新日:2021/10/12

小西公麿院長 小西醫院 main

東急東横線・学芸大学前から徒歩15分。目黒本町図書館から南西に入った住宅街の一角に立つ「小西醫院」。院長の小西公麿先生は、日本産科婦人科学会産婦人科専門医で、内科、小児科も得意とするベテランドクターだ。コミュニケーションを大切にしながら患者と向き合うスタンスは、無医村で患者のために奮闘していた尊敬する父の姿が手本となっている。昨年から続く新型コロナウイルス流行の影響でさまざまな制約がある中でも、これまでどおり患者一人ひとりに丁寧に向き合い続ける小西院長に、診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2021年8月27日)

どんな状況でも患者とのコミュニケーションを大切に

前回の取材から4年ほどたちますが、最近の患者さんの傾向など何か変化はありましたか?

小西公麿院長 小西醫院1

実は、去年あたりから全体的に患者さんが減っているんです。これは新型コロナウイルスの感染拡大が影響していて、今まで気軽に来ていた患者さんも受診を控える傾向が強くなっています。でも、そのおかげというと変ですけど、患者さんが減ったことで、一人あたりにかける診療時間が長くなりました。今までもできる限りしっかり話を聞くことを大切にしていましたが、今はいつも以上に時間をかけて話を聞くことができて、食事管理とか運動指導のアドバイスなどもより丁寧にできるんです。特に、産婦人科を受診する妊婦さんに対しては、今まで以上にしっかり向き合って、一人ひとりに合った寄り添いができることはうれしいですね。

妊娠中の方が多く通っているということで、感染症対策にも気を使うことが多いのではないですか?

そうですね。妊婦さんは新型コロナウイルスに感染してしまうと受け入れ先がなかなか見つからないので、なんとしても安全を守らなくてはいけません。ですから、当院では現在、熱のある患者さんは外で診療を行っていますし、新型コロナウイルスに感染した可能性が高い患者さんについては、診察をお断りしてほかのクリニックをご紹介しています。心苦しい思いもありますが、妊婦さんとおなかの赤ちゃんの安全を守るためには仕方がないことだと思っています。その代わり、院外では診療の合間にワクチンの集団接種会場で手伝いをするなど、できる範囲で協力しているという感じです。

先生が診療の際に大切にしていることは何ですか?

小西公麿院長 小西醫院2

患者さんとのコミュニケーションをしっかりと取る、ということですね。きちんと話を聞くことや情報をお伝えすることが大切だと考えています。薬や病名のこともそうなんですが、食事の取り方や生活に関しては特にしっかり話を聞くようにしています。ほかのクリニックで話を聞いてもらえなかったという患者さんが、来院することもありますね。ありがたいことに、当院にいらっしゃる患者さんは自分から話をたくさんしてくれる方が多いので助かっています。それから、妊婦の患者さんに対しては、時間を問わずいつでもできるだけ電話がつながるようにしています。妊娠中はちょっとしたことで不安になってしまう方もいますから、連絡がつくことでそうした不安が解消できればと思っています。

妊娠期間を思い出に残すため4D超音波を早くから導入

こちらのクリニックでは、早くから4D超音波検査を導入されていたそうですね。

小西公麿院長 小西醫院3

4D超音波検査というのは、従来の超音波検査と同じようにプローブをおなかに当てて行う検査なんですが、胎児の様子がリアルタイムの動画で見ることができるんです。赤ちゃんの顔やしぐさがとても鮮明に映るので、30週目近くなると笑ったりしている表情までわかるんですよ。当院は土日も診療をしているので、平日休みを取れないご主人も一緒に来院でき、喜んでいただいています。とはいえ、診察のときに胎児が後ろや下を向いていた場合には、後頭部や後ろ姿しか見られないこともあるんです。4D超音波検査を楽しみにしていらっしゃる気持ちはよくわかりますので、その場合には時間の許す限り、赤ちゃんの向きが変わるのを待ってしまうこともありますね(笑)。

この4Dの超音波検査を導入した理由をお聞かせいただけますか?

胎児の様子をビデオに録画して、出産する時に妊婦さんに差し上げたい、という気持ちが大学時代からありました。勤務医時代にも4D超音波検査を使っていたんですが、当時の大学病院では胎児のサイズを測ったり、障害などがないかどうかを調べたりするためだけに利用していたので、物足りないと感じていました。私はおなかの中の赤ちゃんの様子を見ることが大好きなんですよ。すべての妊婦さんの赤ちゃんを見たいぐらい(笑)。そういう思いがより強くなったのは、自分も子どもを持つようになってからですね。4D超音波検査のテープは、出産まで撮りためると、60分くらいになるんですが、これは絶対に良い思い出になると思いました。よりきれいに赤ちゃんの様子をお見せしたいと思っているので、4D超音波検査の機械は5年ごとに新しいものと交換をしているんですよ。今は撮ったデータをUSBに入れることもできるので、とても喜んでいただいています。

ところで、先生が医師をめざしたきっかけや開業の経緯についても教えていただけますか?

小西公麿院長 小西醫院4

戦後の医師不足の時代に、富山の無医村で内科の医師として患者のために奮闘していた父親の姿を小さな頃から見ていて、わたしも医師をめざすようになりました。産科の道に進もうと決めたのは大学を卒業する頃ですね。新しく誕生する命に対してとても興味があったので、お産を扱える医師になりたいと思っていました。大学卒業後は日本医科大学産婦人科で勤務医として働き、その後、父親がいる富山の医院を手伝うようになったんです。その時に患者さんとの距離の違いを強く実感しましたね。医学的な説明と薬の処方をするだけの勤務医時代とは違って、富山では患者さん一人ひとりとじっくり向き合って診療することができたんです。その後、父親が亡くなったのをきっかけに、高校時代から暮らしていた現在の場所で開業をすることに決めました。ここは、以前勤務していた日本医科大学がある武蔵小杉にも近いので、何かあったときの医療連携も取りやすいんですよ。

一人ひとりに丁寧に寄り添い、正しい情報を伝えていく

お忙しい毎日だと思いますが、お休みの日はどのようにして過ごされていますか?

小西公麿院長 小西醫院5

10年ほど前から趣味で乗馬をしています。今はそんなに回数が行けなくなってしまったんですが、乗馬は姿勢が良くなって、疲れも取れるのでいいんですよ。今年はオリンピックが東京で開催されたので私もボランティアに参加をしましたが、やはり注目は馬術でしたね。猛暑の中、選手も馬も大変そうでしたが、観戦していてとても楽しかったです。オリンピックは良い思い出になりました。

今後の展望についてお聞かせください。

新型コロナウイルスが流行している今、なかなか新しいことを始めるということは難しいので、とにかく現状をしっかりと維持していきたいと考えています。これまでどおり患者さんの話にしっかりと耳を傾けて、それぞれに合った対応をしていくということを大切にしていきたいですね。今は新型コロナウイルスの影響で大きな病院に通うことも難しくなっていますから、最初から大きな病院へ行くのではなく、まずは当院のような町のクリニックに相談をしていただくのが良いかと思います。もちろん、必要と判断すれば専門の病院をきちんとご紹介しますが、患者さんが気軽に相談できる存在であるということが、当院のような町のクリニックの役割だと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小西公麿院長 小西醫院6

産婦人科というとなんとなく敷居が高く感じて受診を迷ってしまう方も多いと思いますが、当院は内科も標榜していますので、気楽に相談に来やすいのではと思います。私自身も診療の際に、お話をしっかり伺うことで、患者さん自身が見逃してしまっているような不調を見つけていきたいですね。また、今はさまざまな情報が手軽に得られる便利な時代である一方で、間違った情報に翻弄されてしまっている方も少なくありません。特に最近では、ワクチン関連の誤った情報を信じてしまっている方も多く、そのような場合には、一つ一つ丁寧にそうではないということを伝えながら説明をして、誤解を解消していきます。患者さんには、情報を100%信じてしまうのではなく、参考にする程度にとどめ、心配なことがあれば気軽に相談していただきたいと思います。

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