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前田 成夫 院長の独自取材記事

まえだペインクリニック

(伊丹市/伊丹駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR宝塚線・伊丹駅から徒歩3分。アリオ1の2階医療フロアにある「まえだペインクリニック」は、まだ痛みに特化したクリニックが一般的ではなかったという2005年に開業。院長の前田成夫(まえだ・しげお)先生は、麻酔科医師として30年近くのキャリアを持つベテランでありながら、気取らない人柄のドクター。家族や愛犬の写真、趣味の釣りの写真が飾られた診察室で、長年、患者の声に耳を傾けてきた。治療では、神経やその周りに局所麻酔の注射をする「神経ブロック療法」を中心に取り組むが、漢方薬も取り入れるなどして「すべての治療の選択肢を示す」ことも大切にしている。初診から通院の流れや、痛みに悩んだ自身の経験などを語ってもらった。
(取材日2019年5月20日)

患者の求めるゴールに合わせ、治療を選択

どのような症状で受診される方が多いですか?

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腰痛で来られる方が一番多いですね。首から肩、膝の痛みやヘルペス、頭痛で来られる方もたくさんおられます。整形外科を受診されても治らないということで、来られる方もいらっしゃいます。その場合、必ず紹介状を持ってきてもらうようにしています。かかりつけ医の先生に紹介状を書いてほしいと言い出しにくいという方もいらっしゃいますが、これまでどんな治療をしてきたかというのは重要な情報です。また、当院での治療を終え、再び近くのかかりつけ医に戻るときにも気持ち良く戻れるはずです。

初診からの流れを教えてください。

初診では、話を聞いて、必要であればエックス線写真を撮ったり、治療内容をしっかり説明したりするので、診察に20分から30分はかかります。局所麻酔の注射をする神経ブロック療法を中心にしていますが、患者さんがめざすゴールによって、注射をするのか内服でいいのか、治療は異なります。日頃、横になってテレビを見るような生活レベルで過ごしたいのか、グラウンドゴルフや山登りをしたいのか、どんな仕事をしているのか。どのような状態まで痛みを改善したいのかを話し、治療方針を決めていきます。選択肢はすべて示した上で、「僕の母に勧めるならこの治療です」と言うことはありますが、判断するのは患者さんご自身です。ペインクリニックで扱う症状の多くは、「必ず治療しなければならない」ものではありません。初診は予約を取っておらず、特に午前中は待ち時間も長くなるのが申し訳ないのですが、きちんと話すことが重要だと考えています。

神経ブロック療法はどんなものですか? 治療の進め方を教えてください。

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痛みが続くことによって、患部の血流が悪くなり凝り固まってしまいやすくなります。麻酔をかけて、一度それをリセットすることが目的です。また、ブロック注射は効くか効かないかのどちらかだと考えていて、例えば、週1回のペースで5回やってみましょうと決めて治療を進めたとすると、5回してみて変化がなければ、別の方法を探ります。所要時間としては、注射自体は1分程度で終わりますが、麻酔がかかり血圧が安定しないので、その後ベッドで1時間寝てもらいます。高齢の方や妊婦の方でも使えるように、薬の量を調整しています。終われば、転倒しないように、まず靴をはかずに立ってもらって、問題なければ帰ってもらうようにしています。初診は時間がかかりますが、それ以降は待ち時間のストレスなく治療を受けてもらえるように心がけています。

さまざまな方向から痛みの解消を模索

注射以外にはどんな治療に力を入れていますか?

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問診票で注射をしたくないと書かれている場合、無理に勧めることはありませんので、安心してください。スタンダードな治療方法を踏襲しながら、新しい方法も取り入れています。痛みや冷えに適した漢方薬も積極的に使っています。漢方薬というと変化が出るまで時間がかかるイメージがあり、実は開業当初は僕自身も漢方薬に対して半信半疑でした。ただ実際に患者さんに使ってもらうと、考えていたほど時間がかからないことがわかりました。また、漢方には西洋薬にはない“体を温める”、“体内の必要ない水分を排出し、むくみを取る”などの作用も期待できます。痛み止めと併用することもありますね。患者さんにとって「打つ手がない」と言われることは、見捨てられるようで怖いことですよね。その点、漢方薬は種類も多く「手詰まり」になりにくいという利点もあります。ほかに、体を一気に温めることで痛みの緩和をめざすキセノン光線治療器なども使っています。

診察で心がけていることはどんなことですか?

できるだけ話を聞くということを大切にしています。患者さんを診ていて何かおかしいと思った時、とんでもない病気が隠れていることがあります。以前、首が痛く、紹介されて来られた患者さんがおられました。MRIでは何も異常はないとのことで、ブロック注射をしたり、薬を出しましたが、こちらが想定していた変化はありませんでした。さらに話を聞くと、「だるくて動けない日もある」「風呂に入ると楽になる」ともおっしゃっており、何かおかしいと感じ、精密検査を勧めたところ、全身がんが発覚したというケースがありました。「どうもおかしい」という診察時の違和感は、決して無視しないようにしています。

痛みの原因はわからないこともありますか?

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もちろん痛みの原因が器質的なものだけでなく、精神的なもののこともあります。「ストレスはありませんか」と尋ねると「ない」とおっしゃる方も、話をよく聞くと、実は家庭内のいざこざで睡眠不足であることがわかることもあります。そういう場合も、痛みの原因を「気のせい」では片づけないようにしています。痛みとして訴えている以上、どうにかして解決しようというスタンスで診察にあたっています。こちらに来られる患者さんの多くは、ほかの医療機関でできることがないと言われて来ていることがほとんど。精神的なケアを含め、こちらで「ほかにすることがない」ということがないように、何か解決の道がないか、探っていきます。

自身も痛みに悩んだ経験が原点

ペインクリニックの道を選ばれたのはどうしてですか?

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父が外科医師で、医院と自宅が同じ建物だったため、子ども部屋の隣の部屋で手術をしているという環境で育ちました。小さい頃から「注射が上手なお医者さんになりたい」と思っていましたね。ペインクリニックをやりたいと思うようになったのは、兵庫医科大学の医学部に進んでからのこと。野球部に入っていたのですが肩を痛めてしまい、大会中なのに球を投げられなくなって困っていると、先輩からペインクリニックを紹介され、注射を打ってもらったんです。そうした経験から、「こんなことを自分もしたい」と強く思うようになりました。

先生ご自身の経験が診療につながっているんですね。

そうです。それからもいろいろとペインクリニックで扱う症状を、自分自身で経験しています。実は去年は目の調子が悪く花粉症かなと思い、鏡で確認したところ、顔面神経麻痺を見つけました。すぐに先輩の先生にブロック注射をしてもらいましたが、治療は本当に大変でした。痛みはもちろん、麻痺の影響で食事もできず……患者さんの気持ちがより一層理解できたと思います。脇腹に帯状疱疹ができたこともあるんですよ。患者さんのつらさは、病気をするたびにわかりますし、その気持ちや経験を生かして診療していこうと感じますね。

休みの日はどう過ごされていますか?

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以前は毎週のようにゴルフに行っていましたが、せっかくの休みが一日潰れるのがもったいなくて(笑)。最近は釣りばっかりしています。明石に鯛を釣りに行くことが多いですが、釣った魚を持ち帰って家族でああだこうだと言いながら、太刀魚の梅しそ巻きてんぷらやアコウの紹興酒蒸しなど作っています。大食漢ぞろいなのであっという間になくなってしまいますね。料理をするのが楽しく、包丁を買ったり、研いだりするのも好きです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ヘルペスなど急性の症状が出たら、なるべく早く来てもらいたいです。遅くなればなるほど対処しづらくなります。かかりつけ医がある場合は別ですが、新しく出た痛みでペインクリニックを受診しようと思っている方は早いほうがいいです。ブロック注射は、痛みに対する武器の一つではありますが、必ずしなければならない治療でもありません。治療は相談しながら決めていくので、注射が怖いという人も、気軽に相談しに来てください。

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