できるだけ歯を抜かない処置をめざす
将来の健康を考えた小児矯正
あさひ矯正歯科医院
(厚木市/本厚木駅)
最終更新日:2025/09/12
- 自由診療
近年、食生活や生活習慣の変化から、顎や口腔機能がうまく発達せず、歯並びや噛み合わせに問題のある子どもが目立つといわれる。子どもの歯並びが気になる場合、何歳ぐらいに相談すれば良いのか? 何歳ぐらいから治療を始めるのか? うちの子は矯正装置が着けられるだろうか? そもそも、相談するのは小児歯科か矯正歯科か? さまざまな悩みや不安を抱えている保護者も少なくないのではないだろうか。そこで、小児矯正に注力し、マウスピース型装置を用いた小児矯正にも積極的に対応する「あさひ矯正歯科医院」隅田実希院長に取材した。子どもが成長して大人になり、高齢になった時のことまでを考えて、健康寿命の延伸に役立つ小児矯正を心がけているという隅田先生の診療の実際をぜひ参考にしてほしい。
(取材日2025年3月12日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q子どもの歯列矯正は、いつ頃から始めれば良いのでしょうか。
-
A
受け口の場合は、3歳になったら矯正歯科に相談することをお勧めします。受け口は放置すると成長とともにひどくなる傾向があるので、治療の開始は早いに越したことはありません。ただし、当院ではお子さんの精神的な成長にも配慮して、治療の開始時期を遅らせることもあります。出っ歯やでこぼこがある場合は、上下の前歯の4本が永久歯に生え替わった頃が目安です。個人差がありますが、だいたい小学校の2〜3年生くらいでしょう。また、小児矯正を行う前の準備として、できるだけ歯を抜かずに噛み合わせや歯並び、顎の骨格を整えることをめざすトレーニングなどもあるので、将来的な歯並びが気になる場合は早めに相談したほうが良いでしょう。
- Q幼少期に歯科矯正を行うことのメリットを教えてください。
-
A
成人矯正が歯の位置を修正するのに対して、小児矯正は顎の骨にもアプローチするため、将来的に矯正が必要となった場合でも、抜歯をするような大がかりな矯正を回避する可能性が高くなることが見込めます。また、噛み合わせを整えることで、虫歯や歯周病の予防ができ永久歯を守ることにもつながります。やわらかい子どもの顎を広げて骨格を整えることで、免疫機能にも関わる呼吸の改善が期待できます。加えて、子どものうちから歯並びを改善し、顔貌に対するコンプレックスを生じにくくしておくことで、心の成長にもプラスに影響するのではないかと考えます。このように多くのメリットが期待できるので、当院では小児矯正を推奨しています。
- Q歯科医院選びのポイントや、期間の目安を教えてください。
-
A
子どもの場合、永久歯が生えてから噛み合わせが安定するまで5〜10年ほどかかり、個人差が大きいので歯科医師の経験値はとても重要となります。また見た目だけでなく、口腔機能や呼吸機能にも関わりますから、全身状態を鑑みて計画を立て、責任を持って長期フォローを行える歯科医院を選んでください。費用は、症状の違いや矯正装置期間によっても異なり、使用する専門設備や歯科医師の専門性の高さなども影響します。期間は、乳歯で行う1期矯正が1〜2年半、永久歯になってからの2期矯正が1〜2年が目安となります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1まずはカウンセリング
-
初診のカウンセリングでは、どこを気にしているのか本人や保護者の悩みを聞いた上で歯科医師が診察。3Dスキャナーで口腔内の状態を把握し、矯正を行う場合に予想される方法や期間などの概要を説明する。同院ではその場で治療をするかどうかの決定は求めず、家族でじっくり検討するように勧めている。
- 2歯並びのエックス線撮影など精密検査
-
矯正することに決めたら、歯並びのエックス線撮影、頭部エックス線規格写真(セファログラム)撮影、歯型の採取、虫歯歯周病のチェック、顔貌と口腔内の写真撮影などを行う。同院では、全身のバランスを確認するため全身の写真撮影も行う。
- 3検査結果と治療方針の説明
-
治療後の状態をイメージしやすいように、歯並びがどのように変化していくかをシミュレーションで確認。治療方針が複数考えられる場合は、それぞれのメリット・デメリットを確認して、相談の上決定する。受け口や顎のずれが大きい場合は矯正の前に準備的な治療を行ったり、矯正を始めるのに適したタイミングまで経過観察を行ったりすることもある。虫歯がある場合は、矯正を始める前に虫歯治療を行う。
- 41期矯正の開始
-
生え替わり期の1期矯正を行う。矯正装置には、自宅にいる時や寝る時だけに装着する取り外し式のマウスピース型装置や、歯に固定するワイヤー装置などがあり、歯並びの状態や、患者の希望も考慮して決めていく。矯正期間中は、3〜6週間に1度通院し、装置の調整や経過観察、ブラッシング指導、口周辺の筋肉トレーニングなどを行う。期間は、2年程度が目安。
- 5経過観察と2期矯正へ
-
歯並びが改善した後、良好な状態を維持するために保定装置を装着する。その後、永久歯が生えそろうまで、年に3〜4回通院して経過観察を行う。永久歯が生えそろったら、再検査を行い、2期矯正を行う。体の成長が続く間は顎も成長するので、特に男子の場合は女子よりも長い経過観察を行うことが必要だという。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児のマウスピース型装置を用いた矯正(1期)/60万5000円~、小児のワイヤー矯正/56万1000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

