隅田 実希 院長、隅田 能英 総院長の独自取材記事
あさひ矯正歯科医院
(厚木市/本厚木駅)
最終更新日:2025/09/22

小田急線本厚木駅東口から徒歩5分の「あさひ矯正歯科医院」。隅田能英総院長が1987年に開院したクリニックで、2011年に現在の地にリニューアル移転。2023年から娘の隅田実希先生が院長として、矯正歯科を専門に幅広い年齢層を対象とした診療を行っている。裏側矯正のエキスパートであり気さくな語り口の能英総院長と、健康寿命にもつながる矯正について情報発信にも力を入れたいと意欲的な実希院長。高い専門性と豊富な経験に裏打ちされた診療に努めて、患者一人ひとりに寄り添い、矯正を通じて心と体の健康をめざす2人に、同院の特徴や力を入れる小児矯正、マウスピース型装置を用いた矯正などについて聞いた。
(取材日2025年3月12日)
専門性を生かしマウスピース型装置を用いた矯正に注力
こちらのクリニックの成り立ちについて教えてください。

【実希院長】父である総院長が開院した矯正専門の歯科クリニックで、2023年から私が院長を務めています。総院長と私のほかに矯正を専門とする歯科医師が5人在籍して、総勢7人の矯正歯科医がワイヤーを使った表側矯正、裏側矯正、マウスピース型装置を用いた矯正など多様な矯正に対応しています。複数の歯科医師が症例を多角的に捉え、意見交換し、より良い矯正治療計画を立てています。
【能英総院長】「常に前を向いた診療」を目標に、診療技術とともに設備の向上にも取り組み、3Dスキャナーや3Dプリンター、歯科用CTを導入し、より専門性の高い矯正を提供できるよう努めてきました。診査診断や画像診断は主に私が担当しています。患者さんの成長発育や機能的な面については、私の長年の経験や知識を生かして適切な診断に努め、矯正結果の安定性につなげたいと思っています。
診療面はどのような特徴があるのでしょうか。
【実希院長】患者さんの状態や生活環境に合わせて、多様な選択肢の中から、その方に一番適した矯正を行うことですね。例えば、マウスピース型装置を用いた矯正では、患者さんの口腔に合わせてマウスピースの長さなどを調整したい場合は、矯正計画のためのソフトウェアや3Dプリンターを駆使して、オリジナルの装置を作ることもあります。また、矯正が終わっても長期のフォローが必要ですから、矯正後の定期的なメンテナンスを重視しているのも特徴だと思います。
小児矯正にも力を入れているそうですね。

【能英総院長】お子さんについては、すべてのお子さんで初診からすぐに矯正を始めるのではなく、発育・成長の状態を考慮しながら適切と思われる時期にスタートします。まだ矯正に適さない時期に始めると、矯正期間だけが長くなってしまいますから。実際の矯正に関しては、なるべく歯を抜かずに噛み合わせや歯並び、骨格を整えていくことをめざしています。
【実希院長】小児矯正は永久歯を守り、将来的に健康寿命の延伸にも結びつくと考えています。また当院では、やわらかい子どもの顎を広げ骨格を整えることを図り、免疫機能にも関わる呼吸の改善をめざしています。子どものうちから顔貌に対するコンプレックスを生じにくくしておくことで、心の豊かな成長も期待できると思います。
子どもも大人も、その先の健康につながる矯正をめざす
小児のマウスピース型装置を用いた矯正について教えてください。

【実希院長】私は、永久歯が生えそろう前の小学校低学年から使用できる小児用マウスピース型装置を用いた矯正を手がけてきました。装置が目立ちにくく取り扱いやすいこと、虫歯リスクや痛みの軽減が期待できること、装置を飲み込んだり壊れたりというトラブルが起こりにくく、また通院回数が少ないなど、小児矯正としてのメリットが多いので、ご本人にも保護者の方にも安心して取り組んでいただけるのではないかと思います。
さまざまなメリットがあるのですね。
【実希院長】矯正計画の幅が広がることも利点の1つで、結果として抜歯の頻度が少なくなったり、仕上がりによりこだわることができたりするなど、全体としての矯正のレベルアップにもつながると考えています。ただ、マウスピース型装置を用いた矯正に固執してしまうと動かしきれない歯が出てくるケースもありますので、場合によってはワイヤーを使うこともあります。患者さんごとに適切な矯正方法は異なりますので、専門性を生かし、ご提供できる矯正方法を多く持ち、いろいろな装置を駆使して良い結果に結びつけたいと考えています。
診療方針について聞かせてください。

【能英総院長】患者さんの要望にできるだけ沿い、専門家として適切な治療方針を立ててお示しすることに加え、患者さんによく理解していただけるように、わかりやすく説明することを心がけています。例えば、矯正法の選択肢をご提示するときは、歯並びや顔つきの変化をシミュレーションした画像を使うなどして、ご本人や保護者の方がより具体的に矯正のゴールをイメージできるよう配慮しています。 また、感染症予防策を強化し、安心して診療を受けていただける環境整備も重視してきました。
実希院長はいかがですか。
【実希院長】子どもも大人の場合も、矯正を通じて歯だけでなく体の健康、将来の健康寿命につながる施術を行いたいと考えながら、患者さんと向き合っています。場合によっては、顎に小さなねじを植立することで、通常では困難とされる領域まで歯の移動をめざす方法も行っています。審美面だけでなく、口腔内の健康を守り、ひいては健康寿命延伸にもつなげることを考えた矯正を行いたいと思っています。お子さんの場合も、大人になり、やがて高齢になっても健康が守れるような、そんな矯正をめざしたいと考えています。
健康寿命につながる矯正を広める、情報発信にも注力
矯正歯科医を志した理由を教えてください。

【能英総院長】父と2人の兄が歯科医師だったので、私も自然と歯学部をめざしました。矯正歯科を選んだのは歯学生の頃、臨床現場を見学に行った際に興味を持ったことがきっかけで、矯正歯科の仕事がどんどん面白くなっていったのです。
【実希院長】初めは強く意識しないで矯正歯科を選んだのですが、学んでいくうちに矯正歯科の素晴らしさや魅力を感じるようになりました。今では、矯正治療にやりがいを感じ、矯正歯科の分野を選んで本当に良かったと思っています。
専門家の立場から気になることはありますか。
【実希院長】小児矯正の場合、期待できるメリットが大きい反面、永久歯の萌出が完了し、噛み合わせが安定するまで5~10年ほどかかりますし、成長・発達は個人差が大きいので、それだけ経験や専門的な知識も必要になります。さらに矯正装置の改良も日々行われていますので、知識のブラッシュアップも必要です。専門的な研鑽を積んだ矯正歯科医師は、矯正のゴールを高く設定して、将来までを考えた治療を行いますから、ある程度の期間や費用は必要となることを理解していただきたいと思います。また最近、「小児矯正だけで矯正治療を終えることができると聞いた」というように初診相談で話されることが増えていることも気になります。小児矯正だけで矯正治療を終わらせる方は、一部の方を除き困難ですので、信頼性の高い専門家のもとで矯正治療を受けていただくことが良いと考えています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【能英総院長】矯正治療は結果だけでなく治療後の安定性まで考えることが必要です。熟練した専門家による矯正は、ゴールや安定性の高さに期待できることを広く知っていただきたいと考えています。最近は安かろう悪かろうの矯正が多いので、一人でもそのようなことから患者さんを守ることができたらと思いますね。また、厚木市は子育てしやすい街といわれ、若い子育て世代が増えていると実感しますので、矯正を通じて多くの皆さんのお役に立てればと思います。
実希院長もお願いします。
【実希院長】患者さんに対する真摯な気持ちを忘れずに診療に取り組むとともに、矯正の素晴らしさをもっと広く伝え、多くの方が専門家による適切な矯正を受けられるように、積極的に情報発信していきたいと思っています。「矯正=審美性の獲得」ではなく、「矯正=健康寿命にプラス」という認知をもっと広めていきたいですね。そして、矯正により健康で長生きできる人を増やすことにより、社会に貢献していきたいと考えています。歯は、時に命に関わることもあるものと考えています。矯正を受けるときには、自分の歯を預けられる、信頼できる歯科医師にかかっていただきたいと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(上下顎全体)/91万3000円〜、表側矯正/83万6000円〜、舌側矯正(上顎)/121万円~、小児のマウスピース型装置を用いた矯正(1期)/60万5000円~、小児のワイヤー矯正/56万1000円~、アンカースクリューを用いた矯正/1本1万1000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。