今川 直樹 院長の独自取材記事
さくら歯科
(春日井市/神領駅)
最終更新日:2024/11/15

神領駅から車で約10分の場所にある「さくら歯科」はピンク色の外観が特徴。白を基調とした清潔感あふれる院内は、小さな子どもから高齢者までリラックスして過ごすことができそうな温かみのある雰囲気。院長の今川直樹先生は口腔外科を専門とし、一般的な歯科治療に加え、顎や歯などの外科的処置を得意としており、難しい症例にも対応。単に治療をするだけでなく、時代の変化に合わせた歯科医療の質の向上にもこだわっている。さらに「関わるすべての人を幸せにする」「人間の尊厳のために」を理念としており、患者はもちろん、働くスタッフに対しても心配りを忘れない。そんな優しい人柄と親身な姿勢が印象的な今川院長に、同院の特徴や注力している診療について話を聞いた。
(取材日2024年10月4日)
患者の将来を見据え、予防歯科や小児歯科に力を注ぐ
院長になるまでの経緯を教えてください。

以前は病棟やデイケア施設のある医療法人に勤務していましたが、治療の質向上や後輩歯科医師の教育など、私のやりたいことの実現が難しい部分があり、もどかしい思いがありました。開業という選択肢もありましたが、私の理想を実現するイメージがどうしても持てないでいました。そんなとき、当グループの黒瀬基尋理事長を紹介いただき、経営理念や診療方針に強く共感したのです。規模の大きな法人であり、ステージが広く、天井も高い印象を持ち「やりたいことができる!」と確信し、2018年に入職。翌年院長に就任させていただきました。新人歯科医師の教育カリキュラムの立ち上げをはじめ、自分が生かせる環境をうれしく思っています。
注力している診療を教えてください。
「関わるすべての人を幸せにする」という経営理念にも通じる予防歯科ですね。予防は「あらかじめ防ぐ」と書きますので、お口のリスクを発見することを重視しています。基本的に歯科疾患は感染症といえます。感染リスクを知る方法には物理と生物、化学の分野がありますが、従来の診療は掃除や歯磨きなど物理的なアプローチがメインで、生物学的、化学的なアプローチはそこまで重視されていませんでした。そこにアプローチするのが歯周内科です。歯周病は生活習慣病という側面もあります。子どもは食生活や歯磨きの指導で予防が図れますが、大人は口内の細菌叢にも着目する必要があると考えます。予防につなげる歯周内科をもっと広めていきたいです。
小児歯科にも力を入れていますね。

子どもの悪い歯並びは虫歯や歯周病など、さまざまなリスクを高めてしまいがちです。見落とされがちなのが、顎骨の成長や発育の異常。中顔面の成長や発育には、生活習慣などの環境が大きく関わります。お口がポカンと開いた口呼吸、噛まずに早食いすることなどは生活習慣の問題です。つまり、なるべくして悪い歯並びになっているとも考えられるのです。放置しておくと将来的な歯の不調や見た目にも影響します。笑ったときに歯茎が出るガミースマイルや、極端に小さな顎などになりやすい傾向も。成人後の抜歯矯正で、顔に違和感が出ることもあります。これを防ぐためには、マウスピース型装置を用いた矯正やMFT(口腔筋機能療法)が役立ちます。小学校入学前を目安に、一度相談いただくと親御さんも安心できると思います。
歯科医師は患者だけでなく家族の人生にも関わる
歯科医師をめざした理由を教えてください。

小さな頃からドクターの手術姿に憧れていました。高校時代に歯科の中でも口腔外科は手術ができることを知り、その後の人生について考えました。医科は生まれる時は産婦人科、子どもは小児科、大人になると内科など専門分野が分かれています。一方で歯科は患者さんと一生お付き合いができる。患者さんの人生に寄り添えることに魅力を感じ歯科医師の道へ。歯科医師になった当初は、とにかく手術がしたかったので、入院患者さんの多い歯科口腔外科のある病院に勤務しました。しかしその一方で、日々手術ばかりのため、患者さんとの距離が遠いとも感じていました。外来での小さな手術ができるようになれば、患者さんと近い距離で診療できる。それが求めている自分だと思い、一般的な歯科診療を手がけるようになりました。
診療の際に心がけていることは?
「最後は自分が食い止める」です。私が学んだ歯科口腔外科にはがん患者さんもいましたので、最後の砦になりたいという気持ちが芽生えました。もう1つは患者さんやご家族への上手な説明。これも研修医時代に学んだことです。説明が下手だと、事実を伝えて、患者さんを傷つける。上手な説明は、事実を伝えるけれど、患者さんを前向きにして治療へ導く。前向きな気持ちへ導くためには、豊富な知識や良い方向がイメージできるプランが必要です。説明が下手だと、患者さんご本人だけでなくご家族のメンタルにまで影響を与えてしまうことがあります。歯科医師は患者さんのみならず、ご家族の人生にも深く関わっているのです。また、私は時には患者さんの耳に痛いことを言うケースもあります。患者さんの将来のために、言うべきことを言うのも歯科医師の役割だと思っているからです。
痛みへの配慮も徹底されています。

歯科医院に来るのは、誰しも不安で勇気が必要なのではないかと思います。その不安やストレスを軽減できるよう、極力痛みを抑えることに努めています。麻酔注射の前に表面麻酔をする、細い注射針の採用、笑気麻酔の使用などの工夫をしていますが、実は痛みに対する配慮は、その前から始まっているのです。治療の必要性を理解しないと、痛みを乗り越えられない患者さんも多いので、病態の説明と治療内容、そして痛みの必要性を、きちんとご説明しています。理解すると「頑張ろう!」と前向きになり、痛みを乗り越えやすいんです。
子どもの診療も「理解」を大切に
小さな子どもの診療も得意とされているとか。

歯科診療を「嫌がる」にもいろいろなタイプがあります。心底怖がっている子もいれば、涙は出ずに「わーん」と声だけ出している子もいる。まずはチェアに座る練習など、一歩ずつ段階を踏み、恐怖心をなくしてから治療するように心がけています。そして、どんなタイプの子でも、やはり「理解」が大切ですので、歯科素材などを実際に触ってもらうといった工夫も必要です。体験し、治療の必要性を理解すると、頑張れる。私は親御さんが遅れて来ても怒ることはありません。私には小学生の子どもが2人いて、大変な妻の姿を目にしてきました。家事や仕事で忙しい親御さんはいつも大変。そんな中、時間を割いて来てくれているのに、とても怒ることなんてできません(笑)。ママ向けに、子どもさんのお悩みに対応する相談窓口や、管理栄養士による離乳食レシピなどもご用意しています。気軽にご相談くださいね。
今後の展望について教えてください。
医療の質を、より高めていきたいです。当グループにはスタッフが数多くいます。若い歯科医師もいるので新しい歯科医療を吸収しながら、常に良い医療、常に新しい医療を提供していきたいと考えています。特に予防の面からの歯周内科、ママをサポートする離乳食レシピを広めることに注力します。また、「関わるすべての人を幸せに」という理念に沿って、働き方改革も進めていきたい。例えば、勤務時間1つにしても、1日の勤務時間を長くして休みを増やす、早めに出社し早く帰宅するなど、いろいろなパターンが考えられます。仕事もプライベートも充実する、スタッフが働きやすい職場にしていきたい。それが医療の質を高め、患者さんのメリットにつながると信じています。
読者にメッセージをお願いします。

患者さんの中には、心配な患者さんもいます。それは、体を大事にしない方です。「忙しくてなかなか通院できない」などと自分に言い訳をしてしまうんです。意識の高い患者さんは「この日ならなんとか」と時間をつくって来てくれます。私は歯科医師として、体を大事にする人を増やしていけるような啓発活動もしていきたいです。また、親というのは「うちの子どもは歯並びが良い」と思いたいもの。例えば、下唇に歯が乗っていても「かわいい」と問題視しないケースも。一見、問題ないように見えても、実は噛み合わせの問題を抱えている子どもは少なくありません。自己判断せずに一度ご相談に来ていただけるとうれしいですね。子どもさんの診療によって、ご家族の歯科意識が高まることも多いので、小児歯科にも力を注いでいきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、顎顔面矯正/小児 44万円~
歯列矯正/小児矯正 基本料金 49万5000円~、マウスピース型装置を用いた小児矯正/45万円~