面谷 博紀 院長の独自取材記事
面谷内科・循環器内科クリニック
(米子市/米子駅)
最終更新日:2024/08/30
米子駅からほど近く、米子環状線沿いに立つ「面谷内科・循環器内科クリニック」。花と緑に囲まれた英国式洋館のような外観が印象的だ。「患者さんが来院しやすいクリニックにしたいと思い、設計しました」と院長を務める面谷博紀先生は優しく語る。大学病院や地域の中核病院で、長年にわたり循環器疾患を中心に、数多くの症例を診てきた面谷院長。同院ではその豊富な経験を生かし、内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科を掲げ、内科疾患全般の診療に幅広く対応する。診療においては、血糖値や血圧などの数値をグラフ化して患者に見せながらわかりやすく説明するなど、丁寧な対応を心がける面谷院長。明るく気さくな人柄が魅力的な面谷院長に、医師をめざしたきっかけから今後の展望まで幅広く聞いた。
(取材日2023年6月13日)
豊富な経験を生かし、地域の患者にしっかり向き合う
まずは医師をめざしたきっかけをお聞かせください。
父が外科医という家庭環境で育ちましたので、幼い頃から医師という職業を身近に感じていました。私が小学3年生の時に父がクリニックを開業。入院施設も備えたクリニックで、手術も行うなど一生懸命患者さんのために働く父の姿を間近に見て、「自分も人の役に立つ医師になりたい」と思うようになったんです。父と違い内科の医師になる道を選んだのは、幅広い患者さんを診ることができると思ったから。それで鳥取大学医学部を卒業後は、同大学の第一内科に入局。当時の教授が幅広い診療に対応できることを重視していたこともあり、循環器内科を中心に、内科疾患全般も幅広く勉強させていただきました。
内科の中でも循環器内科を専門とされているのですね。
循環器というと、心臓をイメージされる方が多いと思います。心臓は生命に直結するとても大切な臓器。循環器内科では、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病、動脈硬化が進んで発症する狭心症や心筋梗塞など、心臓や血管に関わる病気の診療を行っていることから、「多くの人の命を助けたい」という思いで専門に選びました。勤務医時代は大学病院や地域の中核病院に勤務し、救急医療にも携わって数多くの症例を経験。心臓カテーテル検査や冠動脈ステント治療などの分野でも経験を積みました。現在、地域のかかりつけ医としてさまざまな患者さんを診療する上で、勤務医時代の経験がとても役に立っていると感じています。
開業の経緯について教えていただけますか?
勤務医時代は外来や病棟の患者さんを診ることに加え、複数の会議にも参加しなければなりませんでした。忙しい日々を送る中、「もっと患者さんにしっかりと向き合いたい」という思いが強くなり、開業を決意したんです。開業当初は、「ご高齢の患者さんが多いだろう」と予想していましたが、若い働き世代の方にも多く来ていただいています。最近は、健康診断で高血圧や脂質異常などを指摘されて再検査にいらっしゃる方が増えているようにも感じますね。受診勧奨の取り組みとして、企業が従業員に積極的に再検査や精密検査を促しているのでしょう。また、「自宅で血圧を測ったら高かった」ということで来院される方も多いですね。
苦痛に配慮するとともに、わかりやすい説明を心がける
クリニックの特徴を教えてください。
内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科を掲げ、腹痛なども含め内科疾患全般に幅広く対応しています。中でも循環器疾患を専門としていますので、胸痛や動悸、息切れなどの症状でお悩みの方はぜひご相談ください。設備面では、適切な診断を行うために、エックス線検査や心電図検査、超音波検査、動脈硬化検査を行える設備を整えています。胸部レントゲンではAI読影を導入し、私とAIのダブルチェックで診断をしています。ほか、同じ日に来院された複数の患者さんに対応できるよう、24時間の心電図を記録するホルター心電図も複数台そろえているんです。また睡眠時無呼吸症候群の簡易検査も行えますし、口から内視鏡を入れるのを不安に感じられる方のために、経鼻胃内視鏡も導入しています。鼻から挿入するため、患者さんの負担が少ないのが特徴。患者さんの苦痛や不安に配慮することは常に意識していますね。
診療の際にはどんなことを心がけていますか?
わかりやすく説明するよう心がけています。血糖値やコレステロール値、血圧、体重などの推移をグラフにし、電子カルテのモニターでお見せしながら説明するようにしています。数値だけ伝えてもわかりにくいもの。グラフ化するなど、視覚的にわかりやすく、患者さんも経過を実感しやすいと思うのです。治療目標を明確化するのにも役立ちますね。ほか、不安を抱えて来院される患者さんのために、速やかに診断を行うようにも努めています。必要に応じてすぐに検査できるよう、超音波検査装置を診察室に設置。またホルター心電図も院内で解析を行っているため、迅速に結果をお伝えすることが可能です。検査の結果、異常がなければ、患者さんも安心されると思いますし、何かあった場合も速やかに治療につなげることができます。
病診連携も大切にされているようですね。
大きな病院との病診連携や地域のクリニック同士で行う診診連携はとても大切だと思っています。自覚症状は軽くても、当院で検査を行った結果、重い疾患が見つかるケースも考えられます。そうした場合、患者さんとご相談の上、速やかに大きな病院へとご紹介させていただきます。スムーズな病診連携のためにも、必要に応じて適切な検査を行うとともに、患者さんの訴えをよくお聞きし、検査に現れない小さなサインも見逃さないよう、常に緊張感を持って診療にあたっています。加えて現在、医師会活動の一環として、病院やクリニックなどが情報を共有し、心不全や心筋梗塞、糖尿病などを患う患者さんをお支えする「地域連携パス」という取り組みにも携わっています。
不安や緊張が和らぐ、温かな環境づくりを大切に
クリニックの建物やお庭もすてきですね。
「患者さんが来院しやすいクリニックにしたい」と思い、年中花や緑が絶えない、豊かな庭に囲まれた空間をめざしました。クリニック周りの庭の手入れは、妻がこまめに行ってくれています。もともと妻が花好きだったこともあり、10年前にこの場所に移転した際、「花に囲まれたクリニックにしよう」と考え、建物や庭を設計。院内のすべての部屋から、患者さんやスタッフが花を眺められる造りにしたんです。バラの季節には、つるバラのアーチをくぐって喜んでくださる患者さんや、「クリニックに来ると元気が出ます」とお声をかけてくださる患者さんもいらっしゃって。道行く方々にも、四季の移り変わりを感じていただければうれしいですね。
今後、先生が取り組んでいきたいことをお聞かせください。
早めの受診や健康診断の大切さについて広く皆さんに知っていただきたいですね。例えば、高血圧症は自覚症状があまりないことから、「サイレントキラー」とも呼ばれています。高血圧が続くと、将来的に脳卒中や狭心症、心筋梗塞、腎臓病などを引き起こすリスクが高まります。家庭で測って135/85mmHg以上あれば、高血圧。血圧計を備えてこまめにチェックし、異常があれば速やかに受診していただければ幸いです。また、不整脈の中でもよくみられる心房細動についても注意が必要です。加齢とともに発症率が高くなるのが特徴で、脳梗塞などを引き起こす可能性も。動悸などの症状があるなら、どうぞお早めにご相談ください。健康診断で心房細動が見つかる方もいますので、定期的に受けられることをお勧めします。
読者へメッセージをお願いします。
狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患は命に関わる病気。早期発見・早期治療のためにも、定期的に健康診断を受けるとともに、何か症状があれば早めに受診していただければと思います。健康診断で再検査が必要と指摘された場合、病院を受診することに不安を感じる方もいるかもしれません。このようなクリニックにしたのも、患者さんの不安や緊張を少しでも和らげ、来院しやすいクリニックにしたいと思ったからです。院内に飾っている絵にも同じ思いを込めています。来院して初めて、診断も治療も行うことができますから。地域のかかりつけ医として幅広い診療に対応していますので、気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。