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藤吉 理夫 理事長の独自取材記事

なんば南藤吉医院

(大阪市浪速区/大国町駅)

最終更新日:2021/10/12

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地下鉄御堂筋線・大国町近辺は「えべっさん」で有名な今宮戎神社や難波木津市場を擁する古くから栄えた由緒ある地域。そんな歴史あるエリアに位置する「なんば南藤吉医院」は、1918年の開業以来、親子3代にわたり地域医療に貢献してきた。理事長の藤吉理夫先生は祖父から父に受け継がれた「かかりつけ医として信頼してもらえる医療」をめざし、外来・在宅の双方から地元住民の健康を支えている。大型総合病院と開業医の中間的役割を担えるよう、循環器や糖尿病の専門の外来を実施。動脈硬化を悪化させる生活習慣病の予防に尽力するなど、包括的な医療を展開する同院の歴史的な背景や、自身の思いなど、さまざまな話を藤吉理事長に語ってもらった。

(取材日2017年11月27日)

大型総合病院と開業医の中間的役割を担うクリニック

循環器や糖尿病など、専門の外来も幅広く実施されていますね。

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大学病院に行こうと思うと、どうしても時間や手間がかかりますよね。ですので、大きな病院に行く一歩前にかかりつけ医で専門的な外来診療が受けられれば、患者さんにとって便利ではないかと思い、循環器と糖尿病は15年ほど前からスタート。その後、乳腺専門の外来や栄養相談と枠を増やし、動脈硬化や超音波の検査も当院でできるようにしました。近年、増加を続ける生活習慣病をはじめ、ちょっとした健康不安がある場合は気軽に受診してもらえて、仮に深刻なトラブルが見つかれば、総合病院への橋渡しをする。大規模病院と開業医の中間的役割を当院で担っていければいいなと思っています。

糖尿病治療に特に力を入れておられるとか。

糖尿病はしっかりと糖質制限をするなど生活習慣の改善と投薬でコントロールしていくことが可能な疾患です。ただ、放置すれば脳卒中や心筋梗塞を引き起こす原因になるケースもあり、当院では以前から治療に力を入れてきました。この間も、ヘモグロビンA1c値が正常値の倍ほどあった50代の男性の方が、約半年で数値を正常に戻すことに成功されました。これは本人の努力はもちろん、奥さまと栄養相談に来られるなど、家族ぐるみで生活習慣の改善をした成果だと考えています。医師として私たちができることは、患者さんにとって最善の指導を行うことですが、ご本人の意志がなければ、なかなか回復には向かいません。通院にあまり熱心ではない患者さんに対しては、できるだけご納得いただけるよう、相手に合わせた話し方で説明するよう心がけています。

医師として心がけておられることはありますか?

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まずは、患者さんのお話をゆっくりと聞くことです。患者さんの症状を正確に把握するためには、今抱えている不快感や痛み以外にも、どんな環境でどんな生活をしているかなど、その背景を知る必要性もあるからです。自分の症状を正確に説明できる方は滅多におられず、注意深く耳を傾けていないと、重要なヒントを聞き逃しかねません。また、こちらからのインフォームドコンセントにおいても、相手の性格に合わせた説明の仕方をすることが大切です。患者さんに安心して診療を受けてもらうためには、何より信頼関係の構築が第一。できる限り時間をかけて、丁寧なコミュニケーションをとるように心がけています。

「外来」「在宅」両方できることが地域医療の要

親子3代にわたって、地域医療に貢献されていると聞きました。

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実は、以前私が校医をしている大阪市立敷津小学校の古い資料を見る機会があったんですが、祖父が同校の初代校医だったことを初めて知りました。父も大阪市立大国小学校、大阪市立木津中学の校医を務めていたので、3代にわたり地域医療に携わらせていただいています。私は休みの日や夜間に往診に出かける父を見て育ったので、大変な仕事だなと思う一方、いつ何時でも患者さんの診療に尽力する父を心から尊敬していました。「かかりつけ医として信頼していただける医療」をめざすのも、祖父から父へ、父から私へと受け継がれた志、地域の皆さまに健やかな生活を送ってもらいたいという思いを大切にしているからです。

訪問診療を続けておられる理由は何ですか?

1918年、祖父が旧南区木津鴎町で開業した時から、当院では訪問診療を続けています。私の代になってからも30年以上の歳月がたち、長年通われている患者さんの中には、通院が難しい高齢の方も増えています。そんな方々にも住み慣れた地域で安心して診療を受けてもらいたい。かかりつけ医としての責務を全うしたいという思いが強いんですね。介護保険の適用もスムーズに行えるよう、担当ケアマネジャーと綿密な連携をとるなど、長年の経験を生かした在宅療養支援に取り組んでいます。浪速区では2016年11月よりAケアカードという医療と介護の連携システムを開始しており、在宅支援の強いツールとなっています。ご本人やご家族のご要望があれば、ターミナル期の在宅での看取りサポートも当院でできますので、気軽に相談してください。

院長の西平香代先生とご一緒に運営されるメリットは何ですか?

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以前は本院の在宅クリニックが別の場所にあったので、なんば南藤吉医院は、西平院長にお任せしていました。現在は、外来・在宅の両方を統合することで、情報共有を密にしています。日本内科学会総合内科専門医である西平院長と、お互いの見方について意見交換をするなど、より広い視野で診断ができることが大きなメリットだと感じています。当院には糖尿病・循環器を担当する私以外に、乳腺・更年期・漢方を担当する女性医師と、管理栄養士・あん摩マッサージ指圧師がいます。専門的な治療を提供し、連携してチーム医療を行うことが医院でありながら複数科に対応できる理由です。

外科医師としての経験を生かしたスピーディーな判断

勤務医時代の外科医師としての経験は、現在も生かされていますか?

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研修医時代は大阪大学の第一外科で消化器外科を、その後、紀南総合病院で心臓血管外科を専門にしていました。その経験を今、内科の医師として生かしているとすれば、緊急性が高いかどうかの判断が早いということではないでしょうか。というのも、外科時代は手術で日々、人の臓器に直接触れるわけです。例えば、腹痛を訴える患者さんでも、服薬だけで大丈夫なケース、虫垂炎など緊急手術が必要なケースなどさまざま。以前も腸閉塞の患者さんがおられ、すぐに緊急手術の手配をしたんですが、触診で瞬間的に判断ができるのは、外科医師としての経験があるからかもしれません。医師としては貴重な経験が積めたと思っています。

話は変わりますが、先生の趣味は何ですか?

大学時代からロックバンドでベースとボーカルを担当しています。「ギターより簡単かな?」と思い、ベースをやり始めたのですが、非常に奥深い楽器です。この年齢になっても楽しくて、唯一の趣味であり、音楽を通して皆が集まれる場になるのも喜びの一つです。この間も還暦記念ライブをやったんですが、約300人のお客さんに集まってもらえて、盛況のうちに終えることができました。ただ、20曲を通しでやったので、疲れてしまって……(笑)。実は私自身も数年前から塩分・糖質を意識する食生活を始めたのですが、今後も健康に気を配って、いつまでもバンド活動が続けられるようにしたいですね。

最後に、先生が考える「地域のかかりつけ医」についてお聞きします。

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まず、先ほどもお話ししたとおり、外来も在宅も両方きっちりできることです。そのためにも、患者さんと信頼関係を築き、長く通ってもらうことが大切です。長年診せてもらえれば、患者さんの健康に関するデータを当院で一元管理することができます。例えば、他府県に引っ越す、大きな病院に入院するなど、他の医療施設を利用される場合でも、当院で蓄積したデータが大いに役立つはずです。診療を通じ、患者さんが健康で人生を豊かに心地よく過ごせるようサポートすることが、かかりつけ医としてのミッションだと思います。今後も大規模病院では相談が難しい些細な不安にも気軽にお応えできるよう、患者さん一人ひとりに対するきめ細かな対応をワンチームで提供していきます。

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