早速 邦博 院長の独自取材記事
下総中山クリニックファーム歯科
(船橋市/下総中山駅)
最終更新日:2025/10/10
下総中山駅北口そばに立つ商業ビルの4階フロアの医療モール。中央のロビーにはベンチや本が置かれ、小さな図書館のような雰囲気だ。その一角にあるのが「下総中山クリニックファーム歯科」。院長の早速邦博(はやみ・くにひろ)先生は、神奈川歯科大学卒業後、今後の歯科医療では予防が重要になると考え、予防歯科を重視するクリニックで研鑽を積んできた。同クリニックでも予防歯科に注力するとともに、歯を残すための精密治療を実践している。患者が通いやすく、小さな変化にも気づけるよう、定期メンテナンスは担当歯科衛生士制を取り、1回1時間かけて丁寧に対応しているという。歯科医療への思いや診療の特徴などについて早速院長に話を聞いた。
(2025年4月16日)
幅広い患者に対応する地域のかかりつけ医として
クリニックの診療方針を教えてください。

生涯にわたってご自身の歯で食べていただけるよう、必要な歯科医療を提供すること。そして、患者さんに長く通っていただけるようにすることです。歯を長く持たせるために患者さんがどのような治療を要望しているのか、患者さんとの話し合いの中から適切な方法を考えていきます。理想の治療はあると思いますが、体力的、時間的、経済的な問題も考慮しながら、なるべく理想に近づけられるよう努めています。歯を残すためにやはり重要なのは予防です。それが患者さんにとっても一番無理のないことだと思いますね。治療後の良い状態をご自身で保つことはなかなか難しいので、クリニックで定期的にチェックすることが必要です。また、長く診ていきますと、最初はわからなかったその方の口の癖なども見えてきますので、それに適したアドバイスも行えるようになります。
どんな患者さんが多く来られていますか?
1、2歳の乳児から90代の方まで幅広い年齢の方に来ていただいています。時間帯によって、年齢層も異なりますね。午後はお子さんやご高齢の方が多く、夕方からは会社勤めの方が多く来られています。来院のきっかけはホームぺージを見た方や患者さんの紹介で来られる方が半々くらい。患者さんとは長くお付き合いしていきたいと考えているので、幼い頃から通ってくださるお子さんの患者さんがいることはうれしいですね。健康への興味はあまり持たれていない方から、きちんと歯を磨けている非常に健康意識の高い方などそれぞれですが、当院での受診がきっかけで、少しでも予防を意識してもらえればと考えています。
訪問診療も行っているそうですね。

高齢で通院が難しくなった方の行き場がなくなることのないよう、訪問診療を専門にしている歯科医師が在籍し、訪問診療を行っています。基本的には歯科医師1人で訪問していますが、必要であれば歯科衛生士も同行し、必要なケアを行っています。また、矯正歯科は矯正を専門とする歯科医師に月に1回来てもらい診療しています。
天然歯を残すための精密な根管治療や虫歯治療を実施
歯科医師をめざされたのはどんなきっかけがあったのでしょう。

父も祖父も歯科医師で、1969年に丸の内に新東京ビルがオープンした時に祖父がクリニックを開業し、父がそこを継ぎました。そんな祖父と父の姿を見ながら育ってきていますので、将来自分も歯科医師になるのだろうと小さい頃から思っていました。大学の進路相談の時は建築の道も選択肢として考えたのですが、結果的には歯科医師をめざしました。大学卒業後は、これからの歯科医療は予防が重要になると考え、予防歯科に長年取り組まれている山形の日吉歯科診療所の理念をくむ2つのクリニックに勤務し、予防についてさまざまな観点から勉強させていただきました。その時の経験や考え方は、現在の診療にも生きていると感じています。
力を入れている治療はありますか。
治療の基本は、天然歯を残すことです。そのために、根管治療の精度を上げ、虫歯治療であれば神経をできるだけ残す治療をするよう努めています。神経を取ると歯が弱くなりますので、どうしても取る必要があれば最小限に抑えています。また、根管治療では、マイクロスコープを用いて、再発しないよう精密な治療を行っています。マイクロスコープは、複雑な根管の形や細菌で汚染されている箇所を目視で確認しながら治療を進められるのが大きな利点で、より緻密な治療が可能になります。また、口の中や唾液にはさまざまな細菌が存在していますので、根管治療の際はラバーダムを使用し、それらの細菌感染を防いでいます。
日々、診療で心がけていることは何ですか?

患者さんが緊張したり、「怖い」「暗い」というイメージを抱いたりしないよう、こちらもリラックスしてお話ししやすい雰囲気をつくるよう心がけています。会話の中から患者さんのパーソナリティーをつかみ、なれなれしくならないほど良い距離感でコミュニケーションしています。同時に生活習慣やご家族関係も伺うことで、治療やセルフケアに役立てています。もともときれいにキープできていた方でも、環境の変化で歯の状態が崩れることもあるので、様子を見ながら柔軟に対応するように意識しています。
定期的なメンテナンスが何よりも大切
予防歯科にはどのような体制で取り組んでいるのですか?

痛みや歯茎の腫れなど、症状が出た時には虫歯も歯周病も進行しているので、そうなる前にチェックとメンテナンスを行うことが大切です。治療が終わって口の中の状態が改善につながっても、半年後、1年後と定期的に状態を確認することで健康を維持することができます。患者さんが通いやすいよう、当院では担当歯科衛生士制を取っています。毎回同じ歯科衛生士が担当するので小さな変化にも気づきやすく、早期に対応することで治療の時間も費用も抑えられます。メンテナンスには1回1時間ほどをかけ、じっくり様子を観察しています。治療データの記録も蓄積しているので、計画的な対処方法を考えることもできます。
自分の口の中がどうなっているのか、よく知ることが大切なのですね。
そうですね。まず気づくこと、知ることが重要です。歯には頑固な細菌の塊であるバイオフィルムが付着しています。バイオフィルムはフィルム状のバリアで覆われているため、細菌にとって住みやすく、放置するとますます細菌が増え続けます。歯磨きなどでは取れませんから、専門的なケアであるPMTCによって破壊することで細菌感染のリスクを減らすことが見込めます。入れ歯の裏にも歯垢や汚れがついていますので、快適な生活のためにも定期的にメンテナンスをお勧めしています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

歯科クリニックに通う理由は、年代ごとに異なります。虫歯ができやすい乳幼児や小学生、中学生くらいまでのお子さんは、学校での歯科健診を受け親御さんに連れられて来院されるのであまり心配はしていません。高校生になると勉強や部活で忙しくなり、足が遠のく方が多くなるのですが、スポーツドリンクを飲む習慣があると虫歯のリスクが高まりますから、引き続き通っていただきたいところです。大学生、社会人になるとさらにライフスタイルが変わり、忙しくて歯のメンテナンスが後回しになってしまいがちです。そして高齢になって思うように手を動かせなくなると、歯磨きも行き届きにくくなります。入れ歯の方は長期間使用しているとすり減ってきて噛み合わせも変わってきます。どの年代の方とっても予防歯科は大切です。美容室に髪を切りに行くのと同じような感覚で、理想としては年4回程度、症状がなくても定期的に通っていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/約77万円~、舌側矯正/110万円~(別途毎月の調整料がかかります)

