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上田 信行 院長の独自取材記事

医療法人 上田内科クリニック

(大阪市天王寺区/桃谷駅)

最終更新日:2020/04/27

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大阪環状線・桃谷駅から徒歩2分。交差点角地に建つビルの2階に「上田内科クリニック」はある。開業以来14年、この地で糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者をサポートし続けている。優しい笑顔を絶やさない上田信行院長だが、糖尿病をなんとかしたいと、熱い思いで日々の診療に、講演会や学会の発表にと忙しい毎日を送っている。上田院長は「糖尿病治療は医者と患者さんの共同作業」と話す。患者が治療の必要性に納得したうえで治療を続けていくのが大切で、その患者の納得を得るために、診療では検査データを示すとともに、熱く治療の重要性を語る。どう話せば納得してもらえるか、一人ひとりに合わせた対応を模索しているという。優しくも熱い思いを持つ上田院長に、糖尿病への取り組みを中心に話を聞いた。
(取材日2017年5月31日)

糖尿病治療は共同作業。医師と患者が協力して進める

開院までの経緯を教えてください。

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私は大阪大学医学部を卒業してから大阪大学医学部付属病院を経て、15年間、大阪警察病院に勤務してきました。私は新聞も数紙読みますし、各企業の産業医も経験してきています。診療を通して世界を相手に最前線で働いている人たちと知り合って話を聞くと、経済観念がしっかりしていることをすごく感じました。とても良い影響をもらいましたね。そして、そういった企業の考えを応用して、病院の運営の仕方や診療に生かしていけば、効率化できることは多いと考えるようになりました。そんな思いでいたところに、この場所にあった銀行が閉鎖したんですね。ここなら患者さんが通院するにも便利だと思い、2003年にここに自分のクリニックを開院することになったんです。

どんな患者さんが来院しますか?

当院では糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を中心に皆さまの健康をサポートしています。私は日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医ですから、糖尿病の患者さんが多く来院されます。近隣にお住まいの方はもちろん、電車で通院される方もいます。患者さんの年齢層は、後期高齢者の方は2割程度で、この地域の企業にお勤めの現役ビジネスマンの方が8割くらいです。この地域にはいくつもの基幹病院があります。患者さんの病態に応じて、必要であれば当院から適切な病院に紹介しています。逆に基幹病院のほうから当院へ紹介されて来院する患者さんも多いですよ。

診療で心がけていることは何ですか?

きちんと納得してもらうことを大切にしています。患者さんの職業や家庭環境や性格をしっかり把握しておいて、一人ひとりに適したアドバイスをしています。必ず翌日に来院される患者さんのカルテに目を通し、説明のしかたや治療方針をあらかじめ考えておくようにしています。糖尿病は予防医学で、症状が何もない内から薬を出したり、食事指導や運動指導などをあれこれ言うわけですから、患者さんはなかなか聞いてくれません。そこをどう納得して治療をしてもらうか、そのためにデータをきちんと示して一生懸命、説得します。いくらいい薬を出しても、患者さん本人が食べ過ぎ、運動不足、浴びるほどお酒飲んでいてはだめなんです。糖尿病の治療は共同作業です。医者と患者さんが一緒になって治療していかないとコントロールできないのです。

とにかく糖尿病を何とかしたいと、啓発活動に尽力

糖尿病の患者さんに、具体的にどんなアドバイスをしますか?

一番、大事なのが食事です。奥さんにも来院してもらって、糖尿病での食事について、管理栄養士の指導を受けてもらっています。困るのが単身赴任や独身の患者さんです。全部、外食で味が濃い。なるべく味の濃いのとか、衣がついているのは避けるようアドバイスしています。大阪だと半チャンラーメンとか食べる人が多いんですが、ああいうのは糖質×糖質でだめです。それは避けてくださいって言いますが、ついつい皆、そういうものを食べちゃうんですよね。血糖値のデータを見せて、これはまずいので、食事のしかたや体の動かし方をもっと改善していきましょうと、毎回、一生懸命話します。患者さんには自分自身が主治医だという意識を持ってほしいですね。

講演会や学会の発表など啓発活動に尽力していますね。

私は自分のことを「糖尿病の伝道師」だと思っています。糖尿病のことを広く知ってもらうことが天から与えられた使命、私のミッションなんです。糖尿病というのは、今まで人類を生きながらえさせてきたさまざまな体のシステムが、現代の飽食の時代の環境に合わなくなってきた結果です。人類は長らく飢餓との戦いの歴史の中で生き残ってきました。糖分も脂肪もなかなか手に入らなかったから、人類の体は少量の糖分や脂肪を吸収しやすいようにできているんです。だから、血糖値を上げるホルモンはたくさんあるけれど、下げるホルモンはインシュリンだけなんです。現代人は、糖尿病のことをよく理解して、しっかり対策を取らなければいけません。糖尿病は遺伝要素が強いので、気になる人は定期的に特定健診を受け、異常があったらなるべく早く医者にかかることが大切です。

ドクターに向けての講演も多いと聞きました。

なにしろ糖尿病の患者数が多いですからね。成人の4人に1人は糖尿病といわれていますから、糖尿病の専門医だけではカバーできないんです。全部のドクターのレベルアップをしていく必要があります。しかも飲み薬もインシュリンも種類がたくさんありますから、どう使い分ければいいか迷う医師が多いんですね。糖尿病の病態により、こういう患者さんにはこういう薬を、患者さんの病態を見極めるためには検査でこういうところを注意して、一口に糖尿病といっても人によりさまざまなタイプがあるんだから、といったことを話して、的確に糖尿病の治療ができる医師が増えるようにと活動しています。とにかく糖尿病をなんとかしなければ! という思いで一生懸命です。

基幹病院とクリニック、病診連携をさらに緊密に

がんを発見することもあるそうですね。

糖尿病患者の一番の死因はがんです。糖尿病の人ってがんになりやすいのです。だから、常にエコーなどで定期的に検査しておかないといけません。私は糖尿病の患者さんを診ていても、がんがないか常に注意しています。血糖値をみるだけではなく、肝臓や腎臓の数値も見ているんです。肝臓の数値が急に上がったらおかしいと思ってエコーで確認してみると胆管が腫れていて、初期の胆管がんを発見することがあります。また、がんが見つかったときにはもうかなり進行してしまっていることが多いすい臓がんでは、初期症状で糖尿がある場合があります。すい臓がんが疑わしい患者さんには、必ずすい臓をみるようにしています。こうして、これまでさまざまながんを早期発見しました。発見したがんがうまく完治したときにはやりがいを感じます。

医師をめざしたきっかけと、日々のリフレッシュ方法を教えてください。

もともと大阪大学の基礎工学部で物を相手に研究をしていたんですが、自分は物よりも人を相手にする職業の方が向いていると思い、医学の道を志しました。大学在学中には、循環器や眼科なども考えていたんですが、6年生のときにたまたま糖尿病グループの募集があって話を聞きに行ったら、知らない内に入局することになってしまっていて。そんな形で糖尿病の専門医になったのですが、今では良かったと思っています。週2回のペースで通っているテニススクールと、模型を造るのが日々のリフレッシュに役立っています。内科の治療は終わりがないですが、模型は出来上がったときに達成感が得られるのがいいですね。講演会や学会での発表準備をしたり他の方の講演会に出かけるのも、いい気分転換になっています。

今後の展望をお話しください。

病診連携をさらに緊密にしていきたいと考えています。近くには大きな基幹病院がいくつもありますが、大きな病院は待ち時間も長いし、気軽に行きにくいですよね。そんなとき、当院に来院された患者さんを診察して、これは大きな病院で診てもらった方がいいと私が判断したら紹介するわけです。だから、当院のような一般のクリニックというのは、基幹病院の駅前営業所のような役割を担っているわけです。当院と、大阪警察病院、NTT西日本大阪病院、大阪赤十字病院、四天王寺病院などとは緊密な連携を取っています。こちらから紹介するだけでなく、基幹病院の方から当院に紹介されて来る患者さんもいます。患者さんのやり取りはすごく活発にできていますが、今後、より力を入れて取り組んでいきたいですね。

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