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山崎 哲夫 院長の独自取材記事

山崎皮フ科

(目黒区/学芸大学駅)

最終更新日:2021/10/12

山崎哲夫院長 山崎皮フ科 main

学芸大学の町に根づいて約30年。院長は陽気な笑顔と快活な雰囲気で、多くの患者から信頼されているのが「山崎皮フ科」の山崎哲夫院長だ。「僕が笑うとエネルギーをもらえるとおっしゃる患者さんもいるんですよ。医者にしては随分明るいでしょう?」と豪快に笑う、人間味あふれたキャラクターが持ち味。治療面でもこれまでさまざまな診療経験を積んできており、同院にはクチコミや紹介で多くの患者が来院している。中には遠方からはるばる通う患者もいるという。長年多くの患者と向き合ってきた山崎院長に、人生の示唆にあふれる興味深い話を聞いた。

(取材日2010年10月13日)

開院して約30年。ひたすら基本に忠実な診療を追求

まずは先生のプロフィールからお聞かせください。

山崎哲夫院長 山崎皮フ科1

東京医科大学を卒業し、その後は自衛隊中央病院の皮膚科に5年間勤務しました。その後当院を開業。気がついたらあっという間に30年以上たってました。実は僕の父も医師で、戦争中は軍医をしてました。若い方はご存知ないだろうけど、戦争中に軍医が治療していたのは、おなかに銃弾が当たり大きな傷を負った兵隊さんや、マラリアで倒れた兵隊さんたち。想像を絶する大変な仕事だったと思います。現在のように専門分野に分かれた治療などできるわけなく、一人の軍医がありとあらゆる治療をしていたと思います。戦後になって、医師がそれぞれの専門分野を標榜するようになり、僕は皮膚科を選びました。皮膚科は比較的若い年齢でも開業できましたからね。僕はできるだけ早く自分のクリニックを持って一人前のドクターになりたかった。父を安心させたかったんですよ。

30年間、たくさんの人々を治療してこられたわけですが、何か変化を感じることはありますか?

昔と比べてアトピー性皮膚炎の患者さんがとても増えました。30年前もアトピー性皮膚炎の患者さんはおられました。けれど最近のアトピー性皮膚炎は治りにくくなったのが問題です。本当にひどい状態で悩んでおられる患者さんが増えています。寄生皮膚病に悩む人も多いですね。皆さんがよくご存知のイボは、大抵ヒトパピローマウイルス感染によってできる腫瘤のことで、ウイルスが引き起こす皮膚疾患です。今までは液体窒素で対処できていましたが、最近は液体窒素が効かないタイプも出てきました。この30年間、新しいことも発見され医学も進歩してきましたが、同時にウイルスも進化してきたんですね。このような新種の症状やウイルスが出てくるたびに、医師はそれに対する治療法を考えていかなければならない。とにかく勉強しないとね。

どのような年齢層、どのような症状の患者さんが来られていますか?

山崎哲夫院長 山崎皮フ科2

小さい赤ちゃんからお年寄りまで老若男女が来られます。結構僕は人気者でね(笑)、実は今日も、はるばる東海地方から紹介で来られた患者さんを診療してました。その方は、これまで治療を受けてきたけれどなかなか症状が治まらないとのことでした。僕が患者さんに言いたいのは、医師の診断はいつも必ずしもパーフェクトとは限らないということ。なのでもし、なかなか治らず諦めかけている人がいたら、ほかの医師の診断を仰ぐことをお勧めします。当院は特に最新鋭の機器を置いてるわけでもありません。一般皮膚科を中心に、基本に忠実に診療しているだけですが、ぜひ1回僕に診せてもらいたいです。ここに来ればすぐに治るとは言えないけれど、症状によっては、時間をかけて通っていただくことで改善に向かうことだってあるのです。もちろん診断の結果、この症状は僕よりもあの先生のほうがいいと思ったら、速やかにその先生に紹介するようにしています。

医師として病気を治すだけでなく、心も元気に

先生はいつもこのように明るく診療なさってるんですか?

山崎哲夫院長 山崎皮フ科3

医師にしては随分明るいでしょう(笑)。みんなそう言うんですよ。もちろん診療に関しては真剣そのものですがね。患者さんの中には「ここに来て、気持ちが明るくなりました」とおっしゃる方や、僕が笑うとエネルギーをもらえるっていう人もおられます。医師としての年月を重ねてくると、若い頃には気づかなかったいろんなことが見えてきます。

経験を重ね、診療に対する考え方も変わってきた、ということでしょうか。

例えば、今の時代は僕みたいなタイプの医師は少なくて、多くの人は「いかにもお医者さん」というような先生にかかっておられると思います。でも医師は、病気だけを診ているだけでは不十分ではないのかな。心の面も見て元気にしてあげないと、本当の意味での治療はできない、僕はそう思うんです。だからでしょうか、僕のところには皮膚の疾患に悩む患者さんもたくさん来られますが、患者さんやドクターからの人生相談も多いんですよ。

患者さんとのエピソードも豊富なんでしょうね。

山崎哲夫院長 山崎皮フ科4

ある女性の患者さんがいました。難しいお仕事に就いているとても優秀な才媛でね。その女性は目の周りに湿疹があって、いろんな病院に行ったそうですが10年間治らなかったそうです。そこで僕が診断したところ、水虫のような真菌(カビ)があることがわかり、その湿疹を治療したんです。ある男の赤ちゃんのケースでは、陰茎や陰嚢に水イボが広がっていました。これはすごく難しい治療で、一つ一つをピンセットできれいに取り除かなければなりません。大学病院への紹介も考えたのですが、その子のお母さんが僕を信頼してくれ、ぜひ先生に取ってほしいと言われました。かなりの時間と集中力が必要でしたが、無事に治療を終えました。ほかにも、皮膚病で通院していたある女の子が、お尻にかなり大きなおできができて、それを切除したこともありましたね。

診療は、医師と患者の大切な出会いの機会

ところで、先生はどんな子ども時代を過ごされたのでしょう。

山崎哲夫院長 山崎皮フ科5

僕は千葉県我孫子市の出身で、近くに手賀沼という大きな湖沼がありました。そこでよくボート遊びをしてました。とにかく自然にいっぱい親しんで成長しました。学生時代は野球や陸上など、スポーツで体も随分と鍛えました。そのおかげなのかどうか、ハキハキと大きな声で喋るんです。度胸もついたかもしれないなあ。以前、開発に携った化粧品を紹介するDVDを作ったのですが、その中に僕も登場しています。開発の経緯や製品のポイントなどを説明したのですが、DVDの製作者が言うには、普通はどんな人でも5、6回は撮り直しをするそうです。でも僕は一発OKだった(笑)。どうやらよく通る声らしいです。

休日はどのように過ごしてますか?

僕の周りには読書家の友人が多くて、その影響で僕自身もいろんな本を読んでます。政治経済などの本も読むし、小説も好きですよ。このように本をたくさん読むことがストレス解消になっているのかもしれません。でも、ストレスというものは、考えれば考えるほど何なんだろうなって思います。僕はストレスがあるようでないのかもしれないね。どんな人も、自分の人生を振り返って「あの時、ああしてれば良かった」と考えるでしょう? でもそれって後悔に結びつくものが多いし、ストレスの原因になっているのかもしれない。だから僕はそういうことは深刻に考えないようにしてます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

山崎哲夫院長 山崎皮フ科6

人生の中で、いつどんな人と巡り会うかわからない。でもできるだけいい人と出会いたい。そのためには人間としての自分のレベルを良くしないとね。僕もまだまだ勉強しなくてはならないことがたくさんあると思っています。そのために一生懸命努力してます。出会いという意味では、クリニックでの診療も、医師と患者さんと大切な出会いの一つです。だからこそ患者さんには良い治療を提供したい。時には診断について僕ではわからないことも出てきます。そういう時、僕はちゃんとわからないと正直にお伝えしています。プロなんですから、わからないことはわからないと言うべきです。そして信頼できるドクターを紹介しています。それが医師の倫理だと思います。逆にこちらに紹介される患者さんも多いですしね。ご自身の皮膚の症状について治りにくいと悩んでいる人がいたら、ぜひ気軽に相談にお越しください。

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