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小笹 貴夫 理事長の独自取材記事

おざさ医院

(茅ヶ崎市/辻堂駅)

最終更新日:2020/04/01

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茅ヶ崎市菱沼、新湘南バイパスの高架下に住宅と畑が混在するのどかな地域に、「おざさ医院」はある。聞くと2000年開業からすでに15年以上。2003年から介護保険事業を取り入れ、通所リハビリから小規模多機能型居宅介護など、徐々に事業展開を広げながら地域に根付いてきた。2015年には医院横に「FineVillageげんき村」を新設。健康を支える食事や運動を、ドクター監修のもとで提供しながら、地域のコミュニケーションハブとしての役割も果たしているという。「医療は人の幸せを実現するものでなくてはならない」。そう語る小笹貴夫院長は、実はこの地域の出身ではないという。縁に導かれてこの場所で医院を始めた経緯や茅ヶ崎への思い、今後の展望など、朗らかな小笹院長に話してもらった。
(取材日2016年4月6日)

先端医学の研究者が40歳で開業、地域の介護拠点にも

医院開業の経緯を教えていただけますか?

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実は私、茅ヶ崎の出身でもなければ、もともと医師でもありませんでした。医学部卒業後、研究者の道を志して大学に残り、オックスフォード大学への留学も経験しました。大学病院で先端医療の研究を続けていたのですが、この近くで介護施設を運営していた父から「手伝え」と声をかけられたのが現在に至るきっかけです。四人兄弟の三男で、兄弟全員が医師なのですが、私も40歳を機に自分の人生は自分で決めようと、医院開業を決意したのです。地主さんとのご縁もあり、土地に呼ばれるようにして2000年12月「おざさ医院」を開業、2003年には「医療法人社団オーエフシー おざさ医院」と改称し、介護事業も手がけるようになりました。医院での診療を続ける上で、介護拠点の必要性を強く感じたことが、以降の事業展開の方向性を決めました。

介護拠点の必要性を感じた経緯とは?

長く地域医療に携わっていますと、どうしても患者さんの高齢化が進み、お亡くなりになる方も出てきます。そうした患者さんの「最期」に触れるたび、人生の終幕を理想的な形で迎えることの難しさを実感しました。もともと、開業時から「看取り」まで行える入院施設を作りたいという思いは抱えていましたが、実現は難しい現実も。そこでクリニック2階の自宅を改装して、小規模多機能型居宅介護施設「ファミリーケア菱沼」を開設したのです。デイケアを中心に、ホームヘルパー、ショートステイのサービスを組み合わせた施設は、孤立しがちな高齢者の生活を支えるために重要な拠点となります。その後、縁あって海の近くの大きな庭つき戸建を使えることとなり、「ファミリーケア浜須賀(なごみの家)」も始めました。庭で野菜を育てて調理したり、海まで散歩に出かけたり、ご自宅での生活の延長でサポートを受けながら過ごせる場所となっています。

「おざさ医院」での医療、介護と健康事業は切っても切り離せない関係にあるのですね?

当院が開業した2000年は、まさに介護保険制度がスタートした年。介護保険の枠組みの中で何ができるかを模索することは、私自身、天命のようなものにも感じています。元気なうちから食事や運動指導を提供し、健康寿命延伸をめざす「Fine Villageげんき村 」を始めたのも、一つの新たなチャレンジです。

「FineVillageげんき村」とはどのような施設なのですか?

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いわゆる「未病」のうちからケアして、「病気にならない体をつくる」ための複合施設です。食と運動を大きな柱としていて、体に良い食事を提供する「げんき村食堂総本舗『心』」と、健やかな体をつくる「サーキットトレーニングジム『からだ』」や「パーソナルトレーニングジム『MAKE UP』」などがあります。すべて、「ドクターが本気で取り組んだ」というのがキーワード。医師の監修のもとで指導を受けられるというのがメリットです。その他、地域交流の拠点として「未来の家 ひかり」や生涯大学「きみといつまでも」もオープン。高齢者の仲間づくり、生きがいづくりに貢献しています。近隣住民や利用者さんを巻き込んで、600坪の畑も耕すことになりました。農業実践の場「げんき村農園」として、芽吹きから実りまでを見守りながら、生命の力と自然の素晴らしさを実感し、生きがいと喜びを生み出すプロジェクトとなります。

患者自身が自分なりの健康を手にするサポートが主目的

どのような方がよく通院されますか

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生活習慣に起因する高血圧、脂質異常症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病で通われている方がほとんどと言っても良いほどです。当院の患者さんには90代の方も多くいらっしゃいますから、そうしたご高齢者の元気な姿に奮起して健康をめざすという患者さんも多いようです。何をするにしても環境はとても大事ですよね。80代後半の方でも生活と運動を見直すことで、脂肪を落として筋肉を増やすことは可能です。目標を先に設定して、お手本を見ながら自分なりの生活を組み立てていただくための「場」がここにはあると自負しています。

診療に際して心がけていらっしゃることは?

最新機器による検査結果をもとに、医者は薬さえ処方しておけばよいという時代はもう終わり。コンピューター解析による診断とデータ処理で、医師なくして治療が行える時代も、すぐそこまで来ています。そんな中で、医療は「人を診る」本来の姿に戻りつつあるというのが私の考え方。病気そのものにのみ注目するのではなく、病を生活の一部として捉えて適切な生活に整えるお手伝いをすることが今後の開業医の務めだと思うのです。さらに、患者さん自身が「健康になりたい、健康になれる」という意思と確信を持つことがとても重要。これを支えることこそ、コンピューターにはできない医師の大切な仕事なのです。

健康への意識を促すために取り組んでいらっしゃることは?

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時間に余裕のある方ばかりではありませんので、頻繁に通院することが難しい方も多くいらっしゃいます。病院に来なくても自己管理で健康を維持できる体制を整えることが基本となります。当院では年1〜2回の健康チェックと、血圧手帳での血圧管理をお勧めしています。クリニックはあくまで健康チェックの場、基本的には自分で自分の治療をしていただくというイメージです。もちろん、そのために必要な医療知識は惜しみなく提供しています。地域の松林ケアセンターで無料の医療講演会「元気塾」を開催しているのもそのためです。

自分自身で元気になれる拠点を、全国に、そして世界に

茅ヶ崎のご出身ではないそうですが、この街をどのように捉えていらっしゃいますか?

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海あり、山あり、 豊かな自然に恵まれた街です。私は横浜出身ですから、茅ヶ崎では「ヨソ者」です。茅ヶ崎という場所はとても地元愛の強い方が多く暮らす地域であるという印象ですが、同時に「ヨソ者」を気持ち良く受け入れる懐の広さも併せ持っているなと感じています。スタッフにも恵まれていますし、患者さんもとても良い方が多いです。少し時間がかかってしまっても、嫌な顔一つせずお待ちいただいたり。畑を運営することで、地域の方の方からサポートの申し入れをいただくことも多く、皆さんとても積極的。外来、往診、介護施設運営や地域活性化事業展開と限られた時間の中で一人で多くのことをこなすのはなかなか難しいものがありますが、地元の皆さんの協力もあって、よい形で運営できていると感じています。

今後の目標があれば教えてください。

「FineVillageげんき村」を全国に、世界に広げていけたらいいですね。私自身が運営に関わるのではなく、理念とシステムだけ共有してもらって、フランチャイズのような形で、地域に則した運営をしていただけたら。できたら国を巻き込んで、広がっていければ理想です。紛争や貧困などに悩む世界の地域でも、現地の人々の手で健全で幸せな暮らしを支える「げんき村」が生み出せたら、きっと世界は変わると信じています。もちろん、そのためにはまずここ茅ヶ崎で、「げんき村があってよかった」と言っていただけることが大前提ですが。

読者に向けて、ひと言メッセージをお願いします。

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「健康」を持つということは「幸せ」を実感するための大きな手段です。そして、「健康」を保つためには、自分の体は自分でケアすることが大切。当院ではそれをサポートする医療をめざしています。痛みや不調が生じるたびに、増えてしまいがちな薬も、「いかに減らすか」というのが当院の視点。皆さんの健康を支えるアドバイザー、コーディネイターとして、ぜひご活用ください。

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