中目黒メンタルクリニック

中目黒メンタルクリニック

新 英士 院長

頼れるドクター

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中目黒駅から山手通り沿いに徒歩1分。フジビルの8階にある「中目黒メンタルクリニック」は、新(あたらし)英士院長が「誰でも気軽に訪れることのできる場所にしたい」と開業。そんな思いから、医院の入り口の扉は、診療時間中、いつも外側に向けて開けられている。診療前のインタビューだったにもかかわらず、待合室にはすでに数名の患者の姿があり、予約の電話がひっきりなしに鳴っているほどの人気ぶり。その理由の一つは、新院長の的確な治療に加え、患者の立場に立った情報を提供してくれる点にある。例えば、具合が悪くて働けなくなった人々を対象とした助成制度について、詳しく教えてくれる。「情報がないために十分な医療や支援を受けられていない患者さんがまだまだ多いんです」と残念がる新院長。病気の改善だけでなく、人として生きるためのさまざまな背景にまで心を配る。患者から慕われる新院長の診療へのこだわり、精神科医としての特性についてなど、さまざまなお話を伺った。
(取材日2012年6月19日)

触れていい部分と触れてはいけない部分の見極めが治療の鍵

―開院までの経緯について教えていただけますか?

昭和大学の医学部を卒業し、大学病院や関連病院の精神科に10年あまり勤務していましたが、大きな病院組織のなかでやっていくよりも、自分の裁量で仕事をしていきたいと思うようになり、開業を決意しました。大病院と当院のようなクリニックとでは、まず患者さんの層が違います。病院の患者さんは統合失調症など比較的重い症状の方が多く、対してクリニックの場合は、一概に軽いとは言えませんが、仕事や家庭生活を続けながら通院・治療のできる患者さんが多いと思います。病状としては、うつ病や躁うつ病などの感情障害や神経症などで、1週間に1度とか、1ヵ月に1度といった頻度での通院になるケースがほとんどです。この場所を選んだのは、母校の昭和大学に近く土地勘があったということと、以前に勤めていた東京の足立区の病院や二子玉川の病院それぞれのエリアからアクセスが良かったからです。開業する際に、大学病院時代も含め、何人かの患者さんが私のクリニックに通いたいとおっしゃってくれたので、いずれからも交通の便が良い場所を探していました。

―開業にあたってこだわった点などはありますか?

構造などに関してはそれほどこだわりはありませんでしたが、精神科や心療内科はどうしても敷居が高いイメージがあるので、どうやったら患者さんが気軽に来られるかということは考えました。待合室の扉を開けっ放しにして、中の様子をうかがいやすくしてあるというのも、細かいことですがそうした配慮の一つです。あとは、特徴と言えるのかどうかわかりませんが、当院では、私ともう一人、合わせて二人の医師で診療にあたっています。医師も患者さんも人間です。性格もそれぞれ違いますし、相性というのもありますので、私が嫌だったらもう一人の平沼先生、平沼先生と合わなかったら私が担当させていただくということが可能です。平沼先生はじっくりと時間をかけてお話をうかがいますし、私は必要な方にはもちろん時間をかけますが、比較的症状が安定している方には適切な時間で、とバランスよく診療できるよう心がけています。もちろん、説明がおろそかになるということはありませんし、症状を見逃すということもありません。ただ、私個人としては、治療のために、なんでもかんでも患者さんのことを聞くということが必ずしも良い結果につながらないと考えています。触れても良い部分と触れてはいけない部分を見極めること、また、患者さんが話したがっていたとしても聞かないほうが良いというケースを見極めることがとても大切です。例えば、過去のトラウマ、子どもの頃の虐待の記憶などについては、最初から掘り返してしまうと、相当のエネルギーを強いることになるし、結果的にうまくいかないことも少なくないんです。もし、どうしても、そうした過去について整理が必要であれば、専門のカウンセリングルームを紹介し、そこで本格的に向き合ったほうが良いと思っています。

―実際の治療はどのように行われるのですか?

基本的には薬物療法が中心となります。職場や家族関係などのなかで、病気の原因となっているものがはっきりしている場合には、それらを取り除いたり軽減したりする環境調節も行いますが、基本的には薬を使った診療です。「精神」の病気というのは、最終的には脳のバランスの乱れなんです。神経伝達物質の異常があって、それをどう薬によって治すかというのが現在の精神科医療の実際なんです。もちろん、薬の使用に関しては、必要最小限ということを念頭に置いています。薬を使えば効果も出ますが、反面、副作用も出ることがあります。メインは西洋医学の薬ですが、漢方薬も使いますし、両者を併用することも多いですね。当院に通っている患者さんは、うつ病やうつ状態の方が多く、男女比ではおよそ6対4で女性のほうが多くなっています。現在、1日に50〜100人くらいが受診されています。クチコミで来られる方もいますが、インターネットで情報を得て来る人が多いのではないでしょうか。実際の患者数も増えてきていると思いますが、当院のようなクリニックの敷居が低くなってきたため、これまでは躊躇していた方も来院されるようになってきたのではないかと思っています。

記事更新日:2016/01/24


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