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飯塚 雄志 院長の独自取材記事

いいづか耳鼻咽喉科

(目黒区/中目黒駅)

最終更新日:2021/10/12

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科 main

中目黒駅から歩いて3分の場所にある「いいづか耳鼻咽喉科」は開業して10年、地域の患者の耳や鼻、喉の悩みに応えてきた。飯塚雄志院長は「商店街にある魚屋さんや肉屋さんと同じような身近な存在になりたい」と、地域密着をテーマに診療を続けている。患者の生活スタイルに合った治療方針を検討するとともに、薬の使用は必要最低限にとどめるなど患者の負担軽減にも配慮しているという。気さくで話しやすい飯塚院長のもとには、地域住民や近隣に勤める会社員など多くの人が相談にやってくる。「医師は特別な存在じゃない。当たり前の診療を当たり前に、おごらず、自然体で行っていきたい」と話す飯塚院長に、診療への思いや取り組みについて話を聞いた。

(取材日2019年3月18日)

商店街の魚屋や肉屋のように身近な存在になりたい

まずはこちらに開院された理由をお聞かせいただけますか?

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科1

開業場所を探していた時に、偶然ここを見つけたんです。中目黒駅から近くてアクセスが良いし、自宅もこの近くなので何かと都合がいいなと思い、この場所に決めました。クリニックの設計は友人の建築士にお願いしました。機能面は僕が、デザイン面は主に妻が要望を出し、3人で打ち合わせを重ねて今のかたちに落ちついた感じです。外観は白を基調としたシンプルなつくりに、院内もスペースをとって開放感を感じられるようにして、あまり飾り立てないよう心がけました。なるべく病院っぽくない雰囲気にしたいという僕たちのイメージ通りになったので、満足していますね。

現在はどんな患者さんが来院していますか?

開院当初は近所にお住まいの方がほとんどでしたが、徐々に周辺にお勤めの方が増えて、現在、患者さんのうち2割は会社員の方です。診療科の特性上、それ以外はご高齢者とお子さんが中心ですが、当院ではお子さんのほうがやや多い傾向にあります。症状としては中耳炎や鼻炎、風邪の諸症状が多いですね。それから、アレルギー性鼻炎の方も増えています。原因としては花粉症やハウスダスト、食生活や環境の変化によるものなどさまざまです。アレルギー性鼻炎はいつ症状が出るかわからないので、油断はできませんね。

先生は、これまでどんなクリニックをめざして日々の診療に臨まれてきたのでしょう?

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科2

患者さんが気軽に来られる、地域に密着したクリニックでありたいと考えています。例えば「商店街」というと、お魚屋さんやお肉屋さんをイメージしますよね。それと同じように、当院も近くにお住まいの方がこの周辺をイメージするときに、ぱっと浮かぶ存在になれたらいいなと思っているんです。耳や鼻、喉のことで何か困ったら「あそこに行こう」とすぐに思えるような場所でありたいですね。そのためには、医師としての当たり前の診療を普通に、おごらずに、自然体でやっていきたいなと。その上で、クリニックでの対応が難しければ、すぐに適切な医療機関をご紹介する。そんな開業医としての役割を大切にしています。

患者の生活スタイルに合った治療方針を提案

診療時に心がけていることをお聞かせください。

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科3

耳鼻咽喉科には、直接死に至る病気は多くはありません。でも、僕たちの日常生活において、「見る」以外の「聞く」「話す」「食べる」「呼吸する」といった大切な機能や感覚は、どれも耳鼻咽喉科に関係があるんです。ですから、当院では一人ひとりの生活スタイルに合った治療プランを検討し、提案するようにしています。また、患者さんの負担をできるだけ減らすことも心がけていることの一つですね。例えば4日ほどで回復が見込める症状であれば、薬もその分だけ処方して必要以上には出さないようにしています。検査に関しても同様で、したほうがいい場合としなくていい場合を、今までの臨床経験を踏まえて見極めるようにしています。

耳鼻咽喉科の病気は自分では気づきにくいと思うのですが、注意すべき点があれば教えてください。

そうですね。お子さんの場合は特にわかりづらいです。目に見えないですし、子どもは症状を言えませんから。でも、鼻風邪の鼻水が原因で中耳炎になってしまうケースは多いので、その点は注意していただきたいですね。小さい子ほど耳管(じかん)が短く、中耳炎になりやすいんです。時間がたつと治療に数週間から数ヵ月かかることもあるので、早い段階で専門の医師に相談したほうがいいでしょう。また、ご高齢者では「自分は年だから仕方ない」と諦めていらっしゃる方が多いのですが、治療によって症状の進行を抑えられる可能性もありますから、少しでも気になることがあったら、気軽に相談していただきたいですね。

ところで、先生はなぜ医師を志されたのですか?

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科4

父が医師だったからです。今は閉院しましたが、父は札幌市で耳鼻咽喉科の診療所を開いていました。実家は診療所と一体になっていましたから、子どもの頃は父が診療する場面をときどき見ていたんです。直接、「医者になれ」と言われたことはありませんでしたが、いざ進路を決める時は、医師になるかならないかの二者択一でした。それと、伯父が入院していた北海道大学病院を父に案内してもらったことも印象に残っています。父が過去に勤めていた病院だったのでいろいろなところを紹介してもらったわけですが、その時に「やっぱりこんなところで俺も働くんだろうな」と妙にしっくり来たことは覚えていますね。

謙虚な姿勢を忘れずに自分にできることを見極める

大学をご卒業されてからはどうキャリアを積まれたのでしょうか?

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科5

東京慈恵会医科大学医学部を卒業後、大学に残って大学病院の医局に在籍しながら、東京医科歯科大学大学院医療管理政策学コースでも学びました。勤務医時代は国立がん研究センター東病院にも在籍したのですが、こちらでは耳鼻咽喉科のがんについてさまざまなことを学びました。その後、2年ほど金町中央病院に勤務した後に開業に至った次第です。耳鼻咽喉科は、子どもから大人まで幅広く診ることができるのが魅力だと思っています。「鼻風邪をひいた」とか「喉が痛い」といった、ちょっとしたことで気軽に来てもらえる場合も多いですしね。こうした診療科の特徴が、「誰でも気軽に来てほしい」という僕の診療スタンスにつながっているように思います。

お忙しいと思いますが、休日はどんなふうにお過ごしですか?

開業後、程なくして始めた茶道の趣味が今も続いています。勤務医時代は忙しくて仕事以外の好きな時間をなかなか取れませんでしたが、その点、今は仕事とプライベートの両立ができるようになってきました。もともと、妻が習っていて僕も興味を持ち始めたわけですが、奥が深いんですよ。そこまで語れるほどではありませんが、お茶を飲むだけでなく、茶器や部屋の造りを見るだけも面白いですし、日本の文化が凝縮されている印象を受けます。最初は正座をするのが一番つらかったのですが、さすがにそれは慣れました(笑)。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

飯塚雄志院長 いいづか耳鼻咽喉科6

僕がよく感じるのは、患者さんに感謝していただくのを当然だと思ってはいけないということ。確かに、日々の診療の中で患者さんから「ありがとう」とお礼を言われることは多いですし、もちろんとてもありがたいのですが、それを当たり前に受け止めてはいけないと思うんです。僕も日々、悩みながら仕事をしていますし、ビシッとスーツを着こなした会社員に憧れを抱くこともあります。お魚屋さんが魚を、お肉屋さんが肉を売るのと同じように、僕たちは医療というサービスを提供しているだけであって、患者さんといつも同じ目線に立っていたいなと。そうしてこれからも自分のできることを見極めて、他の医療機関とも協力しながら、気軽に相談できる存在として、患者さんのお役に立てることができたらうれしいです。

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