山下 巌 理事長の独自取材記事
山下診療所 自由が丘
(目黒区/自由が丘駅)
最終更新日:2026/03/27
自由が丘駅正面改札を出てすぐの商業施設7階で診療する「山下診療所 自由が丘」は、医科と歯科を併設する医院。山下巌理事長の母が1964年に「山下歯科」を開設し、1994年に医科を併設。以来、医科と歯科が融合し、かかりつけ医として地域に貢献し続けている。医科では一般内科をはじめ、循環器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、血液内科を専門とする医師が診療にあたり、歯科は一般歯科から口腔外科、インプラント、矯正歯科、小児歯科、予防歯科まで幅広く対応。さらにオンライン診療やウェブ問診、AI技術を活用した画像診断、キャッシュレス決済といった医療DXも積極的に導入。60年以上の歴史を重ねながら進化を続ける同院の診療理念や取り組みについて、巌理事長に聞いた。
(取材日2025年12月24日)
医科と歯科が融合した診療が生み出す多くのメリット
開院から60年以上の歴史があるそうですね。

母が自由が丘に開業したのは1964年で、以来60年以上にわたり地域の皆さまの健康に携わってきました。私は東京大学医学部を卒業後、消化器外科で初期研修を受け、大学院では免疫学を学びました。1994年から当院にも関わり、現場で歯科の勉強もしながら医科を併設し、現在に至ります。父は当時東京大学の口腔外科にいて、「歯科は医科の分野」という考えでした。私も医科と歯科の双方に精通した医師が必要だと思い、外科の医師としてキャリアを始めましたが、開業後は分野にとらわれず学び、医院で提供できる医療は積極的に導入してきました。
医科と歯科の融合にはどんなメリットがあるのでしょう。
全身と口腔を分けて考えずに、トータルに患者さんの健康を考えることができる点だと思います。糖尿病や心疾患の増悪因子に歯周病があります。また、うまく噛めないことでフレイルや脂肪肝になったりと、口腔状態は健康に直結します。持病の薬を服用中の方が口腔外科的処置を受ける場合には、医師と歯科医師が対等に意見を交わし、リスクを最小限にできるような方針を検討するなど安全性に配慮していますので、安心していただければと思います。医科では呼吸器内科や循環器内科、糖尿病内科、血液内科、アレルギー科などの専門を持つ医師が曜日ごとの担当制で診療を行います。どの医師も総合医療の知識を持ち、志をもって連携していますから、いつ来ていただいても大丈夫です。歯科でも口腔外科やインプラント、矯正歯科、保存歯科を専門とする複数の歯科医師が在籍し、各診療科の垣根を越えて専門性を補い合いながら診療にあたっています。
どんな患者さんが来院されていますか。

お子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方が来院されています。医科では糖尿病や高血圧など慢性疾患の方と体調不良の急性疾患の方が多いですが、免疫療法を目的とした難治性のアレルギーの方や複数の疾病を併せ持った方、病院からの逆紹介の方もおられます。最近では安全性に配慮しながら減量を進める肥満の外来の需要も増えてきました。歯科では地域性もあり、治療精度や審美性に対する意識の高い方が多い印象です。そのため、歯を削る量を抑えるミニマルインターベンションや、マイクロスコープを用いた根管治療、歯周再生療法や骨造成を伴うインプラント治療など、先進技術の習得と実践を心がけています。私は医師として「どんな相談にもまず耳を傾ける」という姿勢を大切にしています。当院で対応できることには最善を尽くし、専門医療機関につなぐべきことがあればかかりつけ医として「扇の要」「医療の水先案内」の役割を担っていきたいと思っています。
オンライン診療やウェブ問診など医療DXを推進
医療のデジタル化を積極的に進めているとか。

患者さんには時間をかけてお話を伺うことが必要な場合がある一方で、「困り事を早く解決したい」というケースも少なくありません。多様なニーズに応えるため、24時間ウェブ予約、24時間AIチャット相談、ウェブ問診、治療費後払いスマートパス、優先診療ファストパスなどいろいろなシステムを導入してきました。また、AIを活用した胸部エックス線読影や咽頭画像診断、心電図リスク読影、カルテ作成システムも導入しています。AIによるカルテ作成では診察中の患者さんの話の要点を整理するだけでなく、医師側が伝えたことも記録され、さらに患者さんが感じた不安感や信頼感まで記録に残せるので、後から診療を振り返りやすく、結果として診療の質向上につながると考えています。
オンライン診療についてもお聞かせください。
オンライン診療は「とりあえず薬だけ処方してもらえる」といったイメージがあるかもしれませんが、そのような安易なものではなく、かかりつけ医機能を強化するための大切なツールだと考えています。体調不良で通院できないときにもかかりつけ医とつながり続けられることや、出張や海外赴任の際にも相談できることは大きな安心につながります。また、難病の治療、在宅医療における専門の医師との連携など活用の幅は広がっています。対面診療でも使っていますが、高血圧・ニコチン依存症・アルコール依存症などについて薬や補助アプリを用いて改善を図るアプローチも積極的に取り入れており、新しい技術で医療ニーズに応えていきたいと思っています。
在宅医療にも取り組んでいると伺っています。

在宅医療は、患者さんが通院できなくなっても今までのかかりつけ医とつながれる、まさに医療の原点だと思っています。20年以上通院してくださった方が「人生の最期は先生に診てもらいたい」と希望されることもありますし、「最期は先生に看取ってほしいから、医院に来ているんだよ」とおっしゃる方もいます。そうした思いには、できる限り応えたいと思います。当院だけで抱え込むのではなく、信頼できる24時間対応の訪問看護ステーションや在宅医療医院と連携し、どんな時間帯でも支えられるセーフティーネットづくりを進めています。
患者一人ひとりにとっての「善き医療」を追求
さまざまな専門性を持つ医師がいる中で、どのように連携されているのでしょうか。

高い専門性を持つ経験豊富な医師が、別の専門を持つ医師と連携し、一人の患者さんの治療計画を考えています。当院で行っている医療の姿勢に共感し、志を同じくすることで初めて生まれる敬意と信頼が、チーム医療には不可欠だと考えています。「ここで働くことが自分の成長につながる」と感じられる環境づくりを大切にしています。多数のスタッフが在籍し、各部門で診療を行う中では、情報共有が課題になります。コミュニケーションツールを活用し、職種や部門を越えた連携強化に努めています。また、非常勤や新しく入職するスタッフとも理念を共有できるよう、当院のミッションを「医の本質を求道し、善き医療を実践する」と言語化しました。
ミッションの意味をお聞かせください。
医療の在り方は、医療者側が一方的に決めるものではありません。体や心の悩みを多く抱える方には、じっくり話を聞き寄り添う医療が求められます。一方で、忙しいビジネスパーソンにとっては、仕事と両立できる効率的な医療こそが良い医療かもしれません。手術のほうが医学的に適していても、薬での治療を望む方もおられます。どちらが正しいかではなく、医療の形は患者さんの状況によって変わるものです。医療は利他行ですので、そうした心構えを持ち続ける姿勢を戒めにしました。また、「善き医療」を実践するには、まずは「善き」とは何かを考え、それを提供したいという志が必要です。志を同じくする医療者やスタッフとともに「医の本質」とは何かを常に問い続け、目の前の患者さんにとって最善の医療を追求していきたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

患者さんから「ここは医院っぽくない」と言われることがあるのですが、実はとてもうれしいです。医療機関には医師からお説教される雰囲気や、衛生を重視し、冷たく感じられる空気があったかもしれません。そもそも病気になること自体がマイナスに捉えられてきた側面もありました。しかし生老病死は人の常ですので、老や病として忌み嫌うのではなく、今をどう生きるかを大切にしたほうが良いと思います。どんな状況にあってもつながれて、なるべく快適に、気持ち良く、そしてあわよくば楽しく通院してもらいたい。医療を特別な場所に閉じ込めるのではなく、街の中や日常生活の延長線上に溶け込ませたいと思っています。オンライン診療やウェブ問診、AIの活用なども、その一つの手段です。ご自身の生活に合わせて、自由に活用していただけたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは・スタンダード内科&精密歯科検診コース 2万9700円
・インプラント手術費用(1歯につき)/27万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

