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金森 あかね 院長の独自取材記事

あかね医院

(豊田市/梅坪駅)

最終更新日:2021/10/12

金森あかね院長 あかね医院 main

豊田市駅から車で10分、住宅街エリアにある「あかね医院」。広い敷地内に、産婦人科と小児科が併設され、広い駐車場も整備されている。金森あかね院長は7児を母乳で育て、現在は8歳から25歳の子育て中の母親でもある。フリースタイル出産と母乳育児支援を掲げて、2004年に産婦人科医院を開業。その後、母子の健全な成長をバックアップするため敷地内に小児科医院を開業した。エプロン姿がいつもの診療スタイルと話す金森院長は、明るく穏やかな話し方が魅力的だ。約40名のスタッフも、金森院長の考えに賛同し、診療をサポートしている。出産・育児に対する考えを押しつけることなく「正しい情報を得て、自分で選択することが大切です」というメッセージが印象的な取材となった。

(取材日2018年7月25日)

妊婦の希望をかなえる出産のスタイルをサポート

まず、開業のきっかけを教えてください。

金森あかね院長 あかね医院1

自分の出産がきっかけでした。一人目を産んだ医院が母乳育児を推奨している医院だったので、私は赤ちゃんと離れることなく過ごすことができ、同時に母乳育児の魅力も知ることができました。ところが産科に復帰すると、新生児室でスタッフが赤ちゃんにミルクをあげている光景を目にして、お母さんが赤ちゃんと過ごせる環境が「当たり前」だったらいいのに、と思うようになったんです。その頃には、月に1度ほどお母さんたちを集め、子育てに関する意見交換会を開催し、リアルなお母さんたちの声を聞く機会も身近にありました。医師としてではなく、一人の母親としての活動で、不安や悩みに共感してサポートしてきました。お母さん方からの「赤ちゃんと一緒の部屋で過ごしたい」、「母乳で育てたい」という希望をかなえるには病院でできることの限界を感じ、よりお母さんの想いに沿うような充実したサポートをしたいと思い開業を決意しました。

こちらの医院で推奨されているフリースタイル出産とは、どのようなお産なのでしょうか?

出産といえば、分娩台に仰向けに寝た姿勢で赤ちゃんを産むのが一般的と考えられていますが、「フリースタイル出産」は名前のとおり、自由な姿勢で出産を行います。横向き、座る、しゃがむ、立つ、四つん這いなど、妊婦さんの楽な格好で産んでいただけるようにサポートします。一見、普通の出産スタイルではないので、違和感を覚える方もいらっしゃいますが、分娩台に寝るのと比べると母体や胎児に負担が少ないと考えられ、日本国内はもちろん世界各国で注目され、実践されている分娩スタイルです。当院の入院用の個室は全個室が畳敷きで、各部屋にトイレ・洗面設備も備えています。お母さんと赤ちゃんがリラックスして一緒に過ごしてもらえるような空間づくりをめざしています。

フリースタイル出産のメリットを教えてください。

金森あかね院長 あかね医院2

フリースタイル出産は、妊婦さんの力を最大限に生かすことを主眼に、医療がサポートをするという考え方のお産です。周りにはさまざまな機械やライトがある分娩台よりも、リラックスできて安産につながり、リスクも少なくなると考えています。台の高さなど調節ができるため、取り上げやすいという点では介助する側にメリットがありますが、同時に妊婦さんの体勢が固定されてしまうことにもつながります。痛くて丸まる姿勢をとりたくても、「こうしたい」とは言いにくい状況になります。もちろん個人差があるので、「分娩台での出産は駄目だ」と考えているわけではありませんが、人によってはフリースタイルのほうが合う方もいるのではないかと思います。希望があれば家族や友達も立ち会えますので、「ママ―、頑張れ」と上のお子さんが応援するなど、日常生活の延長のような空気感があります。

自らの体験からフリースタイル出産、母乳育児を支援

地域の病院などと連携を行うこともあるそうですね。

金森あかね院長 あかね医院3

お産は生活の中の自然な現象の一つです。しかし、危険を伴う場合がありますので、当院で対応できるかどうかを判断して、提携する大きな施設を紹介する場合もあります。母子の状態が悪く、緊急で帝王切開が必要なケースは、ここでは行っていません。緊急性のない帝王切開の場合はお受けすることが可能です。また、リスクの高い妊婦さんの場合は、要望に応じて妊婦検診はこちらで行い、出産のみ大きな施設へ移り、産後は再びこちらに戻ってきていただくことも可能です。

妊婦さんはどのような経緯で来院されるのでしょうか。

女性医師を探して来られる方、ご近所だからという方もいらっしゃいます。フリースタイル出産でなくては、と構えて来ていただくより、むしろ私の話を聞いて、それもいいなと思っていただけるとうれしいです。妊娠中から産後の生活まで、そして赤ちゃんが歩き出すようになってからもお母さんを支え続けたいと思っていますので、末永いお付き合いができればと思います。母親として同じ目線で、一緒に子育てについて考えていきたいですね。

母乳育児を支援されているのはなぜですか?

金森あかね院長 あかね医院4

母乳育児は楽で楽しいからです。授乳は大変と思われるかもしれませんが、お母さんがほっと一息つくことができる癒やしの時間にもなっているはず。赤ちゃんの満足感を肌で感じることで、赤ちゃんのことがよりよくわかり、その後の育児にも良い影響を与えるでしょう。授乳の時に肌と肌を触れ合わせることで、例えば、熱があるとか元気がない、吸い方の違いなど、いつもと違う様子にもすぐに気づきやすいということがあります。母乳をどれだけ飲むかわからないのが不安要素になる方もいますが、それは情報が不足しているせいですね。世の中に情報はあふれているように見えますが、正しい情報は不足しているのではないでしょうか。いろんな情報を知った上で、どうするのかを選択してほしいですね。

産前産後の女性を末永く見守り、サポートしていきたい

小児科の先生をはじめ、スタッフさんに恵まれた環境ですね。

金森あかね院長 あかね医院5

スタッフの良さが当院の自慢ですね。小児科の先生は、最初は院内での検診や予防接種を担当してもらうために非常勤で来てもらっていたのですが、常勤を希望される方も多く、小児科も併設することにしました。ほかのスタッフも全員女性で、家庭や子育てと両立しながら仕事をしてくれている人も多いです。「すべてのお母さんと赤ちゃんのために」と、同じ志で一緒に頑張ってくれていますし、私も少しでも働きやすい環境を提供したいと思っています。昨今は、若い世代の望まない妊娠による中絶の相談も増えていますが、そういった相談の際にもスタッフがしっかりとカウンセリングをしてくれています。避妊の仕方やこれからの妊娠について、お話ししたり一緒に考えたり……。じっくりと時間をかけることで、二度と後悔することのないようにしていきたいですね。こうした取り組みもスタッフの協力なしでは実現できないので、本当に恵まれた環境で診療できていますね。

院内で行う母親教室や、地域へ向けた講演などの活動も行っていらっしゃいますね。

そうですね。お産や育児についてのセミナー、ヨガ・整体などのエクササイズ、ベビーマッサージ、歯磨き教室など多彩なイベントや教室を開催しています。母乳育児クラスは、母乳育児支援について専門的に学んだ助産師が担当し、相談に応じています。また、定期的に部屋を開放し、ラルゴというフリースペースでの子育て支援も行っています。助産師や参加者と自由に話し交流できる集まりで、自分のペースで出入りしていただけます。このほか、助産師が学校や幼稚園に出かけて、赤ちゃんの抱っこ体験や劇などを通し、命の大切さを伝える活動もしています。内容はスタッフから案を募り、密に打ち合わせを行って、みんなでつくりあげています。志を同じくしてついてきてくれるスタッフがいることは本当に心強いことですね。

これから出産を考える世代に向け、メッセージをお願いします。

金森あかね院長 あかね医院6

当院がずっとめざしていることの一つは、「妊婦さん主体の医院である」ということです。妊婦さんの要望や想いには、できるだけ応えられるようにこれからも丁寧な対応をしていきたいと思っています。出産は太古の昔から女性が繰り返してきたことなので、頭で考え過ぎずに臨んでいただきたいです。医療の力より自然の力はずっと偉大です。お母さんと赤ちゃんの力を最大限に生かした出産が「自然分娩」で、女性にはその困難を乗り切る力があると私は考えています。女性のもつ自然な力は出産に限らず、病気の時にも生かされると思います。出産も育児も、お母さん自身の人生もサポートを続けていきたいと思いますので、気軽にご相談ください。

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