坂口 英樹 理事長の独自取材記事
あいレディースクリニック
(岐阜市/西岐阜駅)
最終更新日:2024/04/02
西岐阜駅から車で岐阜環状線を北へ5分ほど走ると鏡島大橋北に、3階建ての「あいレディースクリニック」が見えてくる。淡いピンク色に白いバルコニーが映える洋館風の建物は、まるでリゾートホテルのようだ。2020年7月にリニューアル開業し、院内は白を基調とした明るく広々とした空間になっている。患者との会話を大切にし、一人ひとりのニーズに寄り添うなど丁寧な診療を心がける坂口英樹理事長。女性の幸せと健康のため、診療だけでなく心身ともに幸せな気持ちでいられるような取り組みにも注力している。出産だけでなく婦人科系の疾患など、日々診療に臨む坂口理事長に話を聞いた。
(取材日2023年4月10日/情報更新日2024年3月7日)
縁あって継承したクリニックを女性目線でリニューアル
2020年にリニューアル開業されたクリニックだそうですね。
もともと開業されていた先生が医療の継続性を考え、ご自身が元気なうちに継承者を探されていて、お声がけいただきました。私の子どもが生まれたクリニックでもあり、私自身も出産に立ち会っていたというご縁もあります。それで、子どもの誕生日である7月22日にリニューアル開業できるよう準備を進めました。クリニック名については、誰が聞いてもポジティブな響きのある名前にしようと「あいレディースクリニック」に決めました。毎日診療に実直に取り組んでいるうちに、あっという間に開業から3年以上経過しました。コロナ禍での開業となりいろいろと苦労はありましたが、その分何げない日常の大切さや、出産の素晴らしさを改めて感じることができたと思っています。
院内のリニューアルでは、どんな点にこだわりましたか?
院内を清潔感のある白を基調にリニューアルしました。女性目線を尊重するために妻や友人に意見を求め、清潔で明るい病室やおいしい食事、親切丁寧な対応など、患者さんが心地良く出産に臨んでいただけるよう考えました。個室の病室はすべてツインベッドなのでご家族で宿泊できます。2階には各種院内グッズのモチーフにもなっている、ハワイアン調のメインアートがあるのでぜひ見てみてください。先進の4D超音波診断装置を導入したため、健診の際におなかの中にいる赤ちゃんを撮れますよ。また出産後にはアロマオイルリラクゼーションとヘッドスパ、ニューボーンフォトをプレゼントしています。ニューボーンフォトは柔軟性が高い新生児期の神秘的な姿を納めた一枚。退院までに撮影し、1ヵ月健診時にパネルにしてお渡しします。設備・体制が整ってきましたが、まだリニューアルの途中です。より快適に過ごしていただけるように今後も環境の整備に尽力します。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
当院は産前から出産、そして産後のサポートを行う産科と、月経困難症や性感染症、更年期障害の診療、子宮がん検診など、多方面から女性をサポートする婦人科を標榜するクリニックです。分娩に関しましては自然の経過を大切にしたいという思いから、無痛分娩は採用せず自然分娩を推奨しています。当院の強みは、複数の医師が在籍していることです。感染症と漢方の専門家による外来や、女性医師による新生児の診察や健診を行う小児科など、それぞれの医師が専門とする分野の診療も受けられます。また、セカンドオピニオンのように、さまざまな医師から意見をもらうこともできますよ。数ある産婦人科の中で当院を選んでいただき本当に感謝しています。当院での出産が「一生のすてきな思い出」になるように、診療が少しでも患者さんの安心感・幸福感につながるように、これからも日々努めていく所存です。
心がけるのは、患者さんの思いをくみ取るような診療
こちらの不妊治療について教えてください。
当院では、自然周期や卵胞刺激の方法でのタイミング療法や人工授精といった一般不妊治療を行っています。その先で体外受精のような高度生殖医療が必要な場合については、信頼する施設を紹介します。今後も生殖医療の専門家として、不妊にまつわるさまざまな相談に対応していきたいですね。不妊治療をまだ具体的には考えていないけれど、話だけ聞いてみたいということでも良いと思います。また、2人目のお子さんを希望される方でも、「できればほしい」という人から「絶対ほしい」という人までそれぞれで、その気持ちは時に変わることもあります。患者さんの希望をその都度しっかり確認しながら治療のご提案をするようにしています。
助産師さんの外来もあるそうですね。
産後のおっぱいの管理やメンタル面のケアなどは助産師のほうが詳しく、お母さんも相談しやすいので、まずは詳しく話を聞いてもらい状態を確認してもらいます。体調管理から仕事復帰の相談まで、出産の不安や疑問について何でも相談していただけたらと思います。助産師だけでなく、当院ではスタッフ全員に「感じ良く、しっかりした対応」をお願いしています。特別なことをするのではなく、患者さんの話をしっかり聞き、こちらが話す声の大きさやトーンなどに気を使うだけでも患者さんが受ける印象は違ってくると思います。私が細かく指示をするのではなく、スタッフ一人ひとりが、自分が患者ならどういう対応をしてもらったら気持ち良いのかを考えながら行動しています。
診療の際には、どんなことを心がけていますか?
患者さんが何を期待して来ているのか、ということをしっかりくみ取ることを意識しています。問診票を見て深く話を聞いていくことで、何か半分解決したように安心してくださる患者さんもいらっしゃれば、逆にあまりいろいろ聞いてほしくない雰囲気の患者さんもいらっしゃるでしょう。そのあたりは難しいですが、状況に合わせた対応を心がけています。最近はインターネットで調べて事前にご自分で診断をつけてから来院される患者さんもいらっしゃいます。情報過多の問題はありますが、そうやって気にして聞いてくるというのは、自分を大事にしているということでもあるので、全然悪いことではないと思いますよ。
女性が幸せな気持ちになれるような取り組みを続ける
産後ケアや託児など、さまざまな取り組みをされていますね。
外来診察や入院中、出産後などで、上のお子さんや赤ちゃんを預かってほしいという要望が多かったので、託児ルームを開設しました。別館2階にある25畳分の広さの託児室で、専属の保育士が常駐しています。女性に幸せな気持ちで産前産後を過ごしてもらいたいという思いで、さまざまな取り組みをしています。産後のお祝いにアロマオイルケアやストレス緩和のための施術など、美容および心身のケアをするサービスを提供しています。そのほか、クリニックとは別に個人的な想いからサロンも開設しました。
先生が患者さんの幸せを大切にしたいと思うようになった背景について教えてください。
体外受精について学んでいた時に、結果的にお子さんに恵まれないまま終了するご夫婦をたくさん見てきました。それでも、「できるだけのことはした」とご自分たちの中で納得され、「夫婦2人で生きていこう」と決断して受け入れていらっしゃいました。病気もそうですが、治る見込みが低く、毎日つらい思いをされている方はたくさんいらっしゃいます。たとえ不妊治療がうまくいかなくても病気が治らなくても日々の生活は続きますから、私たち医療者ができるのは患者さんにできるだけ前向きに生きてほしいと願うことぐらいです。施術を受けてポジティブな気持ちになれるなら、それは素晴らしいこと。今後もすべての女性が幸せな気持ちで日々を過ごせるような取り組みを続けていきたいですね。
最後にメッセージをお願いします。
結婚前にブライダルチェックのためにいらっしゃる方もいますし、風疹の抗体があるか他の感染症にかかっていないかチェックしに来られる方もいます。あらかじめご自分の体の状態を確認して、妊娠に備えることは大事だと思います。不妊治療はまだ具体的には考えていないけれど、話だけ聞いてみたいということでも構いません。妊婦さんであれば、無事に出産できた、しっかり話を聞いてくれたと納得して帰れるようなクリニックをめざしています。悩みが解決すれば一番良いですし、たとえ解決しなくても気持ちが楽になったなど、医療以外のサービスでも前向きな気持ちになれるよう努めています。今後は産後のアロマケアを妊婦さんにも対応していきたいです。出産や不妊、婦人科系のことも含めて、何かお困り事があれば相談に来てください。
自由診療費用の目安
自由診療とは低用量ピル:2500円(ジェネリックは2000円)
ブライダルチェック:1万5000円