坂口 英樹 理事長の独自取材記事
あいレディースクリニック
(岐阜市/西岐阜駅)
最終更新日:2026/01/22
長良川に架かる鏡島大橋の北側、菅生の町に立つ「あいレディースクリニック」。3階建てで淡いベージュの壁に白いバルコニーが映える洋館風の建物は、まるでリゾートホテルのようだ。院内は白を基調とした明るく広々とした空間で、待合室はゆったりした造りとなっている。地域に根差し、患者との会話を大切に、一人ひとりに寄り添う丁寧な診療を心がける坂口英樹理事長。産科、婦人科に対応するほか、女性が健康で心身ともに幸せな気持ちでいられるような診療以外の取り組みにも注力している。さらに、抗加齢医学を専門的に学んできた知識を生かし、女性のライフステージに応じたケアにも力を入れている。朗らかな笑顔が印象的な坂口理事長に、同院の特色や普段の心がけなどについて話を聞いた。
(取材日2025年9月30日)
自然分娩、無痛分娩、婦人科疾患などに対応
こちらのクリニックの特徴をお聞かせください。

当院は産前から出産、そして産後のサポートを行う産科と、月経困難症や性感染症、更年期障害の診療、子宮がん検診など多方面から女性をサポートする婦人科を標榜しています。午前外来では毎日女性医師が診察しており、月曜日の夕診では感染症と漢方の専門医師による診察もあります。分娩は、自然の経過を大切にしたいという思いで自然分娩をメインとしてきましたが、妊婦さんから当院で無痛分娩で産みたいというご要望が増えてきたことから、無痛分娩にも対応しています。当院での出産が「一生のすてきな思い出」になるように、夫婦での「マタニティーボディペイント」イベントを開催したり、産後には「ニューボーンフォト」を撮影しプレゼントしています。産前・産後に腰痛や体調不良を訴える方は以前から多く、骨盤ケアも始めました。妊娠・出産・子育て期間に、うれしい予定を増やしてもらうことで少しでも気持ちが上がるような取り組みをしています。
無痛分娩について教えてください。
この地域でも徐々に無痛分娩を選択する方が増えており、無痛分娩はもはやバースプランの一つとも言えます。無痛分娩は硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔によって陣痛の痛みを和らげるためのものです。スマートフォンでニュースを読んだり、立ち合いのご家族と話ができる程度にまで痛みを和らげることが期待できます。当院では、全国50施設以上で使用されているプロトコルを使用して安全管理を徹底して臨みます。メリットだけでなくデメリット・合併症なども、事前に外来で説明するようにしています。無痛分娩では自然な陣痛だけでお産が進む方もいますが、陣痛促進剤を使う割合や吸引分娩になる割合が多くなることも説明します。多数のお産に関わってきた産科医として、さまざまな工夫をして問題なくスムーズにお産を終えることこそが重要だと考えています。自然分娩でも無痛分娩でも「いいお産ができた」と感じていただけることに主眼を置いています。
助産師の外来もあるそうですね。

はい。助産師の外来では1人ひとり個室で、その方の家庭状況や職場環境などもお聞きして、体調管理から働き方まで、出産の不安や疑問についてなんでも相談していただいています。産後のおっぱいの管理やメンタル面のケアなどは助産師のほうが詳しいですし、お母さんも相談しやすいでしょう。助産師も含め、当院ではスタッフ全員が「感じ良く、しっかりした対応」をしています。特別なことをしなくても、話をきちんと聞き、声の大きさやトーンなどに配慮するだけでも受ける印象は違ってくると思います。私が指示をしなくても、スタッフ一人ひとりが、自分がその立場だったらどうしてほしいかを考えながら行動してくれています。
心がけるのは、患者の思いをくみ取るような診療
不妊治療についても教えてください。

当院では、自然周期でのタイミング法から、排卵誘発剤を使用した人工授精まで、一般不妊治療を行っています。患者さんの希望を踏まえ、丁寧な診察と説明を行い、その上で治療の選択肢を示しています。まずは、一般不妊治療で妊娠できるよう治療しますが、それが困難な場合には早めに高度生殖医療に対応可能な施設をご紹介しています。日本生殖医学会生殖医療専門医として、不妊にまつわるさまざまな相談に対応していきたいと思っています。
診療の際にはどのようなことを心がけていらっしゃいますか?
患者さんが何を期待して来られているか、ということをきちんとくみ取ることを意識しています。問診票を見て深く話を聞いていくことで、半分解決したように安心してくださる方もいらっしゃいますし、逆にあまりいろいろ聞いてほしくない雰囲気の方もいらっしゃいます。患者さんの表情などを見つつ状況に合わせた対応を心がけています。最近はインターネットで調べてご自分で見立てをつけてから来院される方もいらっしゃいます。そうやって気にして調べて来られるというのは、ご自分を大事にされているということでもありますので、悪いことではないと思います。ネット情報よりも実際に診察した医師の診断を信用してもらえるよう、説得力のある説明を心がけています。
診療以外にも託児や産後ケアなどさまざまな取り組みをされていますね。

外来診察や入院中、出産後などで、上のお子さんや赤ちゃんを預かってほしいという要望は多く、託児ルームを設置しています。別館2階にある25畳分の広さの託児室で、専属の保育士が常駐しています。外来受診時や入院中以外でも、エステ利用、お買い物、美容院など外出時の一時預かりも受入れています。ほかにも女性に幸せな気持ちで産前産後を過ごしてもらいたいという思いで、産後のお祝いにアロマオイルケアやストレス緩和のための施術など、美容および心身のケアをするサービスを提供しています。産後ケアの入院制度は、出産後1年まで最大6泊7日まで利用でき、自治体の補助があるので気兼ねなく利用できます。出産後は、メンタル面の不調や乳房ケアなどで悩んでいる方が多く、産後ケア制度などを利用してもらい休息しつつ助産師などに母乳・育児相談できる体制を整えています。
女性の健康と幸せを考えて長く寄り添う
先生が患者さんの幸せを大切にしたいと思われるようになった背景とは?

体外受精を学んでいた時に、結果的にお子さんに恵まれず治療を終了するご夫婦を見てきました。「できるだけのことはした」と納得され、「夫婦2人で生きていこう」と受け入れておられました。病気などで毎日つらい思いをされている方はたくさんいらっしゃいます。たとえ不妊治療がうまくいかなくても病気が治らなくても日々の生活は続きますから、私たち医療者ができるのは患者さんにできるだけ前向きに生きてほしいと願うことぐらいです。診療や施術を受けてポジティブな気持ちになれるなら、それは素晴らしいこと。すべての女性が幸せな気持ちで日々を過ごせるようにというのは私がずっと抱いている願いです。
2020年に継承・開業されて5年がたちました。
おかげさまで、開院5周年を迎えました。5周年イベントでは、ご家族ごとに記念の写真を撮り、記念台紙などをプレゼントしました。大勢の方々が来てくださり、助産師との再会を喜ぶ方や、自分がここで生まれた時の写真を持ってきてくれたお子さんもいました。たくさんのご家族の笑顔が見られてとてもうれしいイベントでした。また自分自身、一人ひとり大事なお産を積み重ねてきたのだなあと感慨深いものがありました。これまで産婦人科診療の充実に注力してきましたが、医療だけでなく、皆さんが日々幸福や満足感を得て生き生きと過ごせることこそ大切だと考え、そのお手伝いをしていきたいと改めて認識しています。
最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

急激な少子化が進んでいますが、妊娠・出産は喜びや感動に満ちています。いろいろな不安から妊娠やお2人目以降の妊娠をためらっている方もいらっしゃるかもしれませんが、誰もが安心して出産、子育てできるよう助産師やスタッフとともにサポートしていきたいと思っています。出産後長く続く子育て期間中も、エステメニューや託児一時預かりなど、「自分のための時間」をつくるお手伝いをしています。「うれしい予定」をスケジュール化することで、前向きな気持ちになっていただきたいです。また、不妊の相談、婦人科疾患の相談もお気軽にお寄せください。当院には10代から90代までの女性が来られています。女性のライフステージごとに寄り添う体制が整っていますので、この地域の産婦人科として地域に根づき、女性が健康に、幸せになるお手伝いをしていきたいと思っています。

