筋力アップから健康寿命延伸へつなげる
パワーリハビリテーション
おかもと整形外科
(高槻市/摂津富田駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
一定の年齢を過ぎると、体力の衰えを「仕方ないこと」と片づけてしまいがちになる。とりわけ高齢者になると「老化のせい」と諦めてしまいがちだ。しかし、筋力を強化することに年齢は関係ないと、「おかもと整形外科」の陵本清剛先生は話す。陵本先生は、スポーツ整形の経験が豊富で大学サッカーの選手をサポートなどの経験もある。同院ではケガや腰痛などでクリニックを受診した患者のリハビリテーションに、マシンを使ったトレーニングを導入。ケガの治療後の身体機能を改善させていくことはもちろん、筋力をアップさせることで体力増強やケガの予防にも役立てている。「パワーリハビリテーション」と名づけられた同院のリハビリテーションの特徴や具体的な内容について、陵本先生に教えてもらった。
(取材日2021年4月5日)
目次
筋力をアップさせていくことで、治療後の身体機能の回復だけでなくケガの予防にもつなげていこう
- Qこちらのリハビリテーションの特徴を教えてください。
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A
リハビリテーションには必ず目的があります。スポーツ選手の場合は捻挫や疲労骨折といった故障を克服し、早期の競技復帰を目的とするでしょう。ケガや腰などの不調を訴えて整形外科を受診された方の場合は、痛みの緩和や運動機能の改善を目的としていくのが一般的です。その中で、当院のパワーリハビリテーションはマシンを使うものを指していて、体幹と下半身を中心に鍛えていくことで、筋力アップを図っていきます。人間の体を支えているのは、主に体幹と下半身の筋肉。鍛えることで体力の向上や体幹の安定を図り、高齢者の場合は転倒の予防、そしてスポーツをする人にとっては競技復帰をめざすための一助としています。
- Qどんな人が対象になりますか。
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A
マシンを使ったリハビリテーションは、基本的に年齢を問いません。高齢者でも計画的にトレーニングすれば筋力の増強がめざせるからです。高齢者の場合、体幹や下半身の筋力が衰えると、ケガのリスクが高くなっていきます。転倒してしまうと、手術が必要になったり寝たきりになったりするケースも少なくないので、リスク回避のために筋力が落ちないようにすることも大切です。一方、スポーツをしている方の場合は、運動ができない期間の筋力低下を防ぎ、早期復帰をめざすためにも役立つ取り組みの1つになると思います。
- Q具体的なトレーニング内容を教えてください。
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A
腰痛などの不調や骨折、腰椎・脊椎の圧迫骨折を起こして整形外科を受診された場合、痛みなどがある程度落ち着いてきた時点で、パワーリハビリを提案します。当院のリハビリ室には、腹筋と背筋、股関節周辺、膝など部位ごとに行う油圧式のトレーニングマシンを備えており、パワーリハビリを受けられる方には、基本的にすべてのマシンを使ったトレーニングを3セット行っていただいています。毎日行うと筋肉の疲れが取れないので、リハビリの頻度は1週間に2〜3回が目安です。リハビリ中は、マシンを正しく使えるように、またケガがないように担当スタッフとマシンを動かす助手がサポートします。
- Qトレーニングがきつくないか心配です。
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A
当院のマシンは油圧式で、負荷を患者さんに合わせて調整していますので、力が強くない方にもお使いいただけます。マシンの負荷は「RM法」という方法で表します。「1RM」は最大挙上重量とも呼ばれ、1回しか反復できない程度の負荷ということになります。当院のパワーリハビリでは、患者さんの最大挙上重量を測定した上で、個人差はありますが、筋力アップを狙うなら10RM、筋力維持なら15〜20RMの負荷、などといったように目安をつけて行っています。
- Q先生のリハビリに対する考えを教えてください。
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A
スポーツをしている方は、故障が原因で競技を休んでしまうと、どうすれば体力の低下を防ぐことができるのか、早く復帰できるのか悩んでおられると思います。一方、不調を抱えている方は、できることなら不調を改善して、痛みに悩まされたり、日常動作に不安を感じたりすることなく生活したいと望んでおられるのではないでしょうか。だからこそ、整形外科の医師としてケガなどを治療するだけでなく、患者さんのご希望をサポートするためのリハビリが必要で、患者さんもそれを望んでおられると感じています。年齢を重ねた方でも、鍛えれば筋力はアップできるし、体力が向上すれば、毎日の生活に活力が生まれてくるのではないでしょうか。