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橋爪 誠 院長の独自取材記事

橋爪医院

(大阪市都島区/京橋駅)

最終更新日:2020/04/01

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京橋駅から徒歩10分のところにある「橋爪医院」は、2004年の開業以来、内科、アレルギー科、心療内科を中心に、包括的な患者のケアを行っている。橋爪誠院長は、約30年前に関西医科大学附属病院第一内科に心療内科を設置した立役者の一人として知られ、日本心療内科学会国際交流委員会の副委員長を務め、ドイツとの交流に尽力している。インタビューでは院長が診療にあたって心がけていること、心のストレスに向き合うためのアドバイスについて話を聞いた。
(取材日2017年10月6日)

内科と心療内科、両方のアプローチを

先生が医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

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父が小児科の医師で開業し、親戚にも医療関係者が多かったので、大学受験では自然と医学部を選び、関西医科大学に進学しました。ただ、自宅から大学まで片道1時間半かけて通学していたので体調を崩し、過敏性腸症候群や過呼吸など心身症になってしまったんです。その経験から心療内科という分野に関心を持ち、専攻の科を選択する際には九州大学病院の心療内科を見学、卒業後は関西医科大学附属病院で内科の研修医を経て、九州大学の心療内科で病棟担当の研修医として携わり、その後は関西医科大学病院に戻り、第一内科の勤務医として従事しました。

先生は関西医科大学附属病院の心療内科開設の立役者だと伺っています。

九州大学の心療内科で講師をされていた中井吉英先生と心療内科のグループをつくり、関西医科大学附属病院第一内科内に心療内科を誕生させました。それまで関西医科大学には心療内科というものがなく、私たちが創設メンバーになります。1998年からは心療内科の関連病院である松原徳洲会病院に出向し、副院長と心療内科部長を務めました。2003年には、ドイツの心療内科の書籍「健康生成論の理論と実際」を翻訳するために3ヵ月間渡独。そのつながりから日本心療内科学会で国際交流委員会の副委員長を務め、2011年には日本の心療内科学会とドイツの心身学会の姉妹提携が実現し、その後、毎年ドイツと日本でシンポジウムを開催しています。

開業に踏み切ったきっかけは?

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松原徳洲会病院では入院治療や24時間救急診療にも対応し、外来も在宅も老人健康施設も担当していましたので、これなら開業できると思い、踏み切りました。また、ドイツとの国際交流活動のための時間的な余裕が欲しかったこともきっかけの一つです。当院に来るのは、4割が心療内科、2割がアレルギー科、残りが風邪、高血圧症、糖尿病といった内科の患者さんです。心療内科的アプローチと内科的アプローチの両方ができるので、紹介で来られたり、他の心療内科から転院して来られる患者さんも多いです。精神科や心療内科だけのクリニックだと、忙しすぎて話を聞いてもらう時間が取れなかったり、体の部分について理解してもらえないという話も聞きますので、そういった点で当院を希望して来院される方も多いですね。

患者の希望に沿った最善の治療をめざす

クリニックの特徴について教えてください。

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当院では患者さんの希望に沿い、症状や体質に合わせて、漢方薬、森田療法、自律訓練法などを治療の選択肢として取り入れています。看板には心療内科、内科、アレルギー科を掲げていますので、内科のつもりで来ても心療内科の領域だったりする場合は、比較的抵抗なく心療内科的な診療を受けてもらえます。どの科にかかればいいかわからない場合の交通整理もさせていただいております。また、心療内科にしては珍しく予約制を取っていません。といいますのは、アレルギー科や内科で受診される患者さんが喘息発作、呼吸困難、腹痛、時には心筋梗塞で来院される場合もあるので、急患に備えた体制を取っています。もちろん長く時間を取ってほしいとご希望の患者さんには予約も承り、非常勤のカウンセリング専門の先生に診てもらうことも可能です。

診療の際に心がけていることは?

特に初診の患者さんの場合、まず希望や思いをしっかり聞いて最善の治療を提案することを第一に心がけています。最近は、気分が落ち込む、眠れない、憂うつ、無気力といったうつ病の症状の患者さんが多く、仕事に行けなかったり、不登校といった背景にもうつ病が関係するケースが目立ちます。また、アレルギー疾患や糖尿病、生活習慣病から食事制限などをされ、神経質になってうつ病になることもあります。それから睡眠不足は何よりも精神症状につながります。過敏性腸症候群など代表的な心身症はガイドラインができていますので、それに沿った治療を行っています。しかし、はっきりとした原因がわからないまま胃腸が働いていない場合は、精神的な原因というよりも体質に関係していることもありますので、症状に応じた薬やカウンセリングも組み合わせながら診療にあたっています。

心のストレスとの向き合い方をアドバイスください。

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生活リズムとともにうまく気分転換のリズムをつくることですね。そのひとつとしては、困っていることや悩みを相談でき、お互いわかり合える人間関係をつくることが重要です。孤立してしまうのは良くなく、人とのつながりができることで治るきっかけになると思います。ひと昔前は頑張り過ぎてうつ病になる人が多かったですが、今は社会全体が管理されているため、仕事や対人関係に適応できない人がうつ病になるケースも多く、発達障害や性格的な問題から併発する場合もあります。単純に休息を取っても治らない人もいるため、その人の性格に合った仕事や生き方を含めて相談することが必要です。当院で具体的にやっていることは主に森田療法で、少し時間をかけて診ていく場合は自費診療扱いになりますが、カウンセリングなども勧めています。

その人の生き方を根本的に変える治療を

森田療法について詳しく教えていただけますか?

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森田療法というのは、約100年前に、日本人の森田正馬先生が始めた心理療法です。認知行動療法やカウンセリングといった西洋式の心理療法は、症状の改善を第一の目標としているので困った症状を直接取り除く治療になりますが、森田療法はその人の生き方を変える治療法だと私は考えています。例えば、電車に乗れない、パニックが起きるといった不安が起きた場合、認知行動療法では不安を取り除くことが治療の最終目標となりますが、森田療法では、不安は不安のまま受け入れ、その状態で何ができるかを考えます。結局はうつ病でも心身症でも、その人の生き方に関係してくる病状なので、薬を飲めば簡単に取り除けるわけではなく、根本解決にはならない。根本にはその人の生き方があるため、本当に自分に合った生き方をしているかどうかを問うのが森田療法であり、健康と一番つながるところではないかと思うわけです。

今後の展望についてお聞かせください。

これまで心療内科と内科の両方の側面から、森田療法、自律訓練法、漢方薬と、いろいろなことに取り組んできましたが、今後はもう少し体系づけて「この患者さんにはこういう治療をしていこう」とうまく交通整理ができるようになればと考えています。治療の選択肢としてはいろいろあるので、良い形で組み合わせができればいいですね。また、腹痛などの症状で他の病院にかかっていて異常なしと言われて、それでも「どこか悪いのでは?」と心配になって来られる方や、担当の先生から心療内科を勧められ、半信半疑で来られる方もいます。患者さんによってはもう一度検査をし直したり、腹痛の場合も機能性の胃腸障害など検査でなかなか現れない病気もあるので、そういう面からもきちんと体の評価やケアにより一層力を入れていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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当院に限らず、医療機関で受診される場合はそれまでどこで治療を受け、どんな薬を処方をされてきたかという情報はとても大切なので、経緯がわかるような紹介状やお薬手帳を持参することをお勧めします。そうすることで診断の見立てがずいぶん変わってきます。それから、「仕事100%」ではなく「仕事プラスアルファ」を持つことが大事です。サークルや趣味、運動など、仕事のことを忘れられる楽しみを見つけること。どんなに頑張っていても100%というのは難しいので、そこを少し緩め、リズムをつくってリフレッシュすることが仕事の能率を上げるためにも大切です。また睡眠時間は個人差がありますが、おおよそ6時間以上は必要で、食生活もカロリーや脂肪に気をつけながら、バラエティーのある食事を楽しむことが大切です。

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